見出し画像

イライラの濃度


 気分の浮き沈みが激しいのは、元来の性質と言わざるおえない。他人に説明できないし、自分でも驚く。数時間前までカラオケで歌い狂いぴょんぴょん跳ねていたのに、なぜ今は夜のマックで空を睨み歯軋りしているのか。

 お腹が減っているのかもしれない。眠いのかもしれない。お風呂に入りたい?イライラの濃度が濃すぎて、どれも実行に移す気になれない。

 次のショートショートの締め切りは明後日だ。書けるかはわからない。書けたらラッキーくらいの気持ちでいることを覚えた。与えられたテーマが暗めなために、どうしても暗い話を思い描いてしまあ。書く合間に、最近買ったサスペンス小説を読み進める。

 胸糞悪い。なんて胸糞悪い小説なんだ。主人公たちの暗い過去、暗いを通り越して胸糞悪い。嫌にリアルなところが余計に胸にくる。しかしサスペンスの緊張感は最後まで読むのを諦めさせない魔力がある。あーいやいや、とパソコンに向き直ったら、自分が書いてる暗い小説が待っている。

 やってられっかー!!!!!!!!

 私は書きかけの小説を全部消した。違う話を書くなら別のワードを立ち上げれいいのに、わざわざ削除キーを長押しして全部消した。イライラが臨界点に到達したことで、頭の中に住む格闘家が美しい飛び蹴りを繰り出したのだ。
 テーマが暗いからって素直にじめじめしたものを書かなくたっていいんだ。もっと自分がスカッとできる自分が満足できるものを書こう。
 
 それで良いものが出来なくたって後悔するものか。

 もう夜。せっかく午前中に起きて昼夜逆転を断ち切ったのだから、さっさと帰って何か食べて寝るべきだろう。最近白米の代わりにしているキャベツがないから、それだけ買って帰るぞ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?