「社長って何だ」を読めば社長の心構えがわかる

あの伊藤忠商事の社長を6年務めた人が書いた本だ。

伊藤忠は会社がデカすぎるのであまり誰が社長をしているとか、会社の経営が危ういとか気にしたことはなかったのだが、デカい会社でもいろいろあるもんだなぁと思った。

ま、それはともかく、著者は社長になる上ですべてにおいて個人ではなく会社を優先させることができるのかと自問自答をした結果、できると覚悟を決めて社長になった人物であり、実際ここまでの決意がないといけないものなのかと痛感させられた。

この本に書いてあることが本当なら、著者は本当に私利私欲なんて考えは抱いておらず、自身のすべてを会社のために捧げている。

自ら起業した社長であってもここまでの覚悟ができている人は少ないと思うのだが、サラリーマン社長でここまで覚悟して社長業を全うできるものなのかとつくづく感心させられる。

正直、自分にはここまでの覚悟を持つことは不可能だ。

だが、だからといって参考になる内容がないということではなく、著者がどのような考えに基づいて判断をしてきたのかは大いに参考になるものであった。

「自分はなんでも知っている」という人間は「自分のことすら何も知っていない」と自ら表明しているようなものだという一文は、常に頭に置いておかなければならないことだなと思った。

歳を重ねれば重ねるほど、あるいは偉くなればなるほど、自分はなにも知っていないからたとえ新人からであっても貪欲に物事を教わるという謙虚さが大事であることは頭ではわかっていてもなかなかできないものだ。

そういった原点のようなものを教えてくれる良書である。

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