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神海戦士エルマーレ 第1話「戦士の目覚め」Part8 #エルマーレ

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プロローグ
Part7


(これまでのあらすじ)
エルマーレの必殺技によりオーロックス焼却獣は倒された筈だった。しかし<焼却衆>の邪悪な力により、巨大な姿となって復活を遂げたのである。
その圧倒的威力の前に為す術なし……しかし碇と奈海はまだ諦めない!!
そして海底から現れた新たなる謎の巨体、敵か味方か……?


眉間への踵落とし!紺碧の円弧軌道が突き刺さり、巨大焼却獣が怯む。
(今よ碇くん、跳んで)(よし!)

振り落とされる前に再跳躍したエルマーレの両腕を海鳥の足じみた何かが掴み、そのまま舞い上がる。頭上から女性の声。

「間に合った……!」

その言葉と共に白く巨大な何かが波涛を突き破り海中から現れた!


「あれは一体……?」
碇のみならず、ペレーとスルトも驚愕の色を隠せない。
「……まさか……!?」
「どうなってやがるんだ!」

波間からその巨体をもたげるのは……何という事か、白亜の装甲にエメラルドの血脈じみたラインを輝かせる荘厳なる海龍の姿。

海龍が咆哮と共にあぎとを開くと、巨大オーロックス焼却獣に向けて一直線に蒼白い息吹が放たれる!

「ゴォオオオーンッ……!!」「グオーオオオッ!?」

大出力レーザー砲撃の如きその一撃を受け苦悶する巨大焼却獣!

さらに白亜龍から少し離れた海面が盛り上がり、やはり白亜の甲羅を備えた巨大な海亀が現れる。口内からは砲門らしき物が覗いており、巨大焼却獣に光弾の洗礼を浴びせる!

「オロロロォン!!」「グゴオオオオッ!!」

巨大焼却獣が再び紅蓮の火球を放つが、海面を突き破りきりもみ跳躍した第三の巨体がその尾びれを振るい弾き飛ばした……鯨ほどもある体躯を備えた白亜のイルカだ。

「キュイイィーン!!」「オロロオーン!!」「ゴォッオオオーッ!!」
「グオーオオオ……!」

三者が海上で巨大オーロックス焼却獣と対峙する!


断崖の上から碇はその戦いを間近に見ていた。謎めいた有翼の女性に此処まで運ばれたのだ。
……彼にはどうしても聞いておかねばならぬ事があった。
「教えてくれ。あれは何で、きみは何者か」
「わたしは<海の民>のセイレン。そしてあれは……わたし達の守護神よ」

<海の民>のセイレン……海鳥の如き翼と脚を備えた金髪碧眼の女性はそう名乗った。
既に碇は一つの確信を持っている。
ならば、残りは……「セイレンさん、俺はどうすればいい」
その時、海面が大きく爆ぜ白亜龍の体勢が揺るぐ!

「グオオオオーッ!!」「ゴォーッオオォ……!?」

未だ巨大焼却獣には決定打なし!!
(このままじゃ、龍仙島が危ない)
マーレアンカーから奈海の声が響く……その時、セイレンが呟いた。

「……ペルサ?」

(セイレン……さん?)「セイレンさん、何の事か教えてくれ」
訝しみと困惑を隠せぬ碇を制し、彼女は状況の打開策を説明する。
「今は焼却獣を倒す方法が先決よ。今は守護神様が持ちこたえているけど、まさかあんなに強いとはね……もう一つ問題があるの
「問題……?」
彼女は碇の流線形ヘルメットに覆われた顔を見つめながら言葉を続ける。

「守護神様が完全な力を発揮するには、地上の民と海の民の力を一つにした戦士の助けがいるのよ」
「それは、つまり……」
息を呑む碇。セイレンは無言で頷いた。


(どうするの、碇くん)「どうもこうもねぇ」

「俺と奈海の……それだけじゃない、辰五郎のじっちゃん達皆の故郷が危ないんだ」

碇は拳を握り込む!「……立ち止まってられるかよ!!」


その叫びに呼応するかのように、白亜龍が海中で反転し碇達の方に向かう。巨大焼却獣に長大な尾が叩き付けられた!
「グオーオオオッ!?」仰け反る巨大焼却獣!!

「今よ……守護龍の角の間、翠の宝玉へ跳んで!」

セイレンの声を背に、碇は……エルマーレは跳んだ!!
「トゥリアアアァーッ!!」
宝玉の直上に碧い光の魔法陣が多層展開し、彼の姿は輝きと共にその内側へと消える。

「……頼んだわよ。海の戦士さん……」



Part9に続く


スキするとお姉さんの秘密や海の神秘のメッセージが聞けたりするわよ。