⑥支援作家にパクリという支援者

 屋号の「無名」を自分の中で少しずつ好きになり始めていた。仮の屋号で、いつか自分に合う屋号が見つかるまでとはいわず、有名な作家になれた時に「あの有名な『無名』さんがさ~」と誰かと会話した際、相手は「『無名』???」となるならば面白いと考えだしたからだ。

 少しずつ前向きに次はどうしようか?などと考えていた気持ちは、あっさり消え失せる。Aが「そもそも『無名』さんの作品はパクリやさかい〜」
え?この人なんて言った?パクリ???私の思考は混乱していたが「違います」とだけ発したのは覚えている。だが次に続いた言葉は、「〇〇(レジン作家)さんが好きで、作品も買うくらい好きなんやろ?」

 確かに憧れていた。こんな風に表現出来たら楽しいだろうと考えた。だから再度レジンを引っ張り出し、やってみようとしたのは確かだ。「それでも私が作ったものはパクリではない。」もう一度否定した。すると「レジン液は〇〇を使ってて、着色料△△を使ってるんやろ?パクリやん。」もはや言葉もない。あまりの超絶理論に、正解すら分からなくなった。
材料が一緒だとパクリなの?そういう世界なの?私の混乱は酷かった。
 
 さらにAは、「これから作家として活動していく。そのうち売れる作家になった時に必ず叩かれる。アンチが出てくる。それがこのハンドメイド界隈の闇やから。『パクリ』って言われた時に、自分は違うと言い切れるように「無名」でしっかりブランディングも立てるように。」この言葉を残し、Aは自分の作業に取り掛かった。

 屋号は決められる。パクリと言われる。支援作家に選んだ人が、パクリなのであれば不適切なはずだ。なぜそんな人を支援対象にしたのか。頭が痛い。理解不能である。それを支援者が支援対象者にいうなどと、正気の沙汰とは思えない。私は自分の立ち位置すら分からず、ずぶずぶと沼に沈んでいった。

#作家支援の闇 #パワハラ #モラハラ #精神的DV

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