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唄うことが好き

中学生時代、夕暮れから真夜中まで
繰り返し聴いていたレコードがいくつかある。
山下達郎のオンザストリートコーナーもその一つで、
聴きながら何度も泣いていた。
悲しい出来事があったからというわけでもなかったけれど、
いつも楽しい日常を過ごしていたかというと、そうでもなかった。
他人に気心を許すことのない、憂鬱さを少しだけ抱えていたような、
そんな中学生だったように思う。

学校から帰宅すると音響機器の前に座る。
昭和40年代初期に製造された木製フレーム。
フロントパネルを開けレコード針を落とす。
ほとんどは歌詞を眺めながら黙って聴いた。
家族が不在の時には山下達郎のア・カペラに合わせ口ずさんだりもした。
歌が下手だったのはきっと、あの頃もだ。
今と違うとしたら、もう泣きながら笑って口ずさんだりしないってこと。
(そうだよね?)
久しぶりに聴いてみようと思った。

リメンバーミーベイビーと泣きながら笑って口ずさんだかどうか
ここには書かない。ただ、
一人で唄うことが今でも好きだし、
唄が下手なことについては今は残念に思う。

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