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AAEE新企画「多文化共生力育成勉強会」

大瀬「昨夜はお疲れ様でした。この時期になると毎年やってくる今後のAAEEの活動方針検討会議。2年前は、ベトナムプログラム中に先生と議論し続けた事が懐かしく感じられます。最近思うのですが、リーダーミーティングが以前に比べると短時間で多くのことが決まり、論点もしっかりとしていて締まってきましたね。」

昨日の話し合いに至るまでに、関係者による事前協議をした上で臨んでいるからね。そして何よりも新リーダー野澤葉奈の奮闘が目立つ。昨日のパワポ資料が素晴らしく整理されていたでしょ。あれを参加者(といっても葉菜と朝楓、僕の3人だけど)が事前に目を通し、さらに自分なりのイメージを思い描いた上で話し合ったから建設的に議論を進めることができた。しかも朝楓も葉奈もこの手の議論の方法を身につけている。

大瀬「私やそれ以前のリーダーの時の会議は、「AAEEの会議はグダッていて疲れる」と揶揄されることもありました。議論を続ける中で新たなアイディアが出てくるとも言っていましたが(笑)。私自身、会議をやるたびに落ち込んでいましたよ。会議をしても決まらず、結局リーダーである私が一人で作業するという孤独パターンに陥りがちでした。」
AAEEのリーダーはこれまで孤軍奮闘のケースが多かったね。今後それを避けるためには、この組織のリーダーとして「何にでも挑戦する!」という「モチベーション」と「パッション」を持つ人がでてこないとね。
以前は、集まれる人が集まって何となく一から話し合おうとしていたでしょ。でも、あのやり方だと大概上手くいかず、かみ合わない議論が繰り返されて果てしなくなってしまうんだ。やはり活動のコアを決める抽象的な話し合いは、それなりのスキルを持ち、事情を把握したコアメンバーで済ませた方が効率はよい。そしてそこで決めた方針に基づいて活動を具体化していく。この手の理屈は書籍などで手軽に学ぶことができる。例えば、細川功著(「具体と抽象―世界が変わって見える知性のしくみ―dZERO社出版」)。
僕はAAEEを通して様々な学生を見続けてきたけど、コアメンバーたちは失敗を重ねながらも学び続けて少しずつ成長している。朝楓だって1年の時と今を比べると見違える成長だよ。

大瀬「え、そんなに成長していますか。自分ではあまり気付かないのですが(笑)。でも、学生生活があまり充実していなかったこともあり、「とにかく目の前にあることには何でも挑戦してみよう」、という気持ちで必死でしたね。焦りのようなものもありました。でも私から見ると、毎回未熟者学生たちの会議にも嫌がらずに参加してくださる先生もすごいと思います。先生もとてもお忙しいのに、求められれば出席率100%じゃないですか。さらにグダッた話し合いでは一緒にグダッている一方で、昨日のような話し合いでは全く違う側面を見せる。あの切り分けはどうしたらできるのですか。

僕自身が両方の側面を持っているからだと思う。基本、新しいアイディアはダラダラと考えている中で突然、もしくは次第に発生してくる。一方で、活動をスタートしたらスピード感がほしい。今回始める「定期勉強会企画」にも当てはまることだ。実は低迷するAAEE企画「チーム・メロサティ」を潰さずに逆に発展させる手法を、去年からずっと考えていたんだ。それこそ「ダラダラ」と。諦めるが苦手なので、いつも頭の片隅に残っていた。それが、コロナ禍による活動のオンライン化で、突然、「これだ!」と閃いた。

大瀬:まずは「チーム・メロサティ」の説明が必要ですね (以下説明)
Team Mero Sathi
Team Mero SathiとはAAEE 10周年である2018年に国内における「多文化共生力育成」とAAEEの国内啓発活動を目的として立ち上げた新プロジェクト。過去にAAEEの国際学生交流プログラムに参加したメンバーを講師として招き、プログラムを通して得た学びや経験・刺激、海外に対してのイメージや考え方についてなどを講師自身の視点から語ってもらう。参加対象者はAAEEの学生交流プログラムのターゲットである大学生だけでなく、これからさらに広い外の世界へ出ていく中学生・高校生にも還元していくことを目的としている。

実は、チーム・メロサティの趣旨である「多文化共生力育成」は、僕が勤務校で担当する授業の一つ「異文化コミュニケーション」の今年のテーマととても似ているんだ。それならば、この2つを有機的に連携させた取り組みにすればいいという発想に至った。授業資料の著作権は僕にあるから、この資料をAAEEの学生も一緒に作成し、その代わりにAAEEの勉強会でも使えばよい。学生が資料作りに関わることで、コンテンツも学生目線の入った身近なものになるし、きっと内容も面白くなる。

大瀬「先生が担当されている「異文化コミュニケーション」の授業は去年私が講師として登壇させていただいたものですね(冒頭の写真は大瀬朝楓が担当した講義のワンシーン)。学生の皆さんが真剣に聞いてくださっていた光景が懐かしいです。異文化コミュニケーション力はAAEEが養うべきと考えているスキルの一つではありますが、その授業で使用する教材をAAEEの学生と共作するのは大胆な発想ですね。実は、先生からこの授業のお話をお伺いした時に、魅力的な授業そうだったので私も授業に参加したいと思っていました(笑)。それに、授業を受けるのは学生。学生目線で教材を作れるのは授業を受ける側にとっても、作る側にとっても学びが多いものになりそうですね。

資料はすべて対談形式。多文化共生に関する様々なテーマに合う対談者と僕が語り合う形式。13人の対談者はわずか2日間で出そろったよ。打診して断られた人は一人もいない。従来の授業や勉強会が文献中心だとすれば、このオンライン授業や勉強会はすべて当事者との直接対談映像。その人の考えや気持ちに、画面越しではあるが直接触れることができる。

大瀬「あの布陣には驚かされました。異文化やアイデンティティはもちろん、最近社会でも話題になっているヴィーガンやLGBTQIAなど、皆が興味を持つ話題満載。しかも対談者のほとんどがAAEE出身者ですね。以前先生が「AAEEに入ってくる人は将来活躍する人が多いから、地道に活動をしていればいつか社会に貢献できる日が来ると思うよ。」と言っていたのが思い出されます。現役学生アシスタントは、この対談者布陣を見たら驚くと思います。」

オンライン上で対談して、それを資料としてまとめるまでのプロセスはさほど単純ではない。数か月前に、勤務校で「コロナ禍で学ぶ学生たちへ」というテーマで教授オンライン対談を行ったのだけど、打ち合わせから対談、編集、その校正と結構時間がかかった。でも面白い作業だったよ。何よりも学生からの反応が抜群だった。今回の勉強会企画、対談資料作成リーダーをやりたいと言ってくれた学生がいるので、僕を含めて5名スタッフで対談集の製作にとりかかる。「多文化共生」についてコロナ禍だからこその最強のオンライン学習の場を作ろう!とスタッフ一同意気揚々としている。授業を受講する学生たちも、勉強会に参加するAAEE学生アシスタントの人達も楽しみにしていてほしい。

大瀬「勉強会はオンラインの報告会が終わった11月以降ですよね。あと2ヶ月、、、新たなプロジェクトに向けてプログラム関係者で力を合わせてより良いものを作っていきたいですね!
AAEEは地道にですが、いつも転がっている小さなチャンスを見逃さず、自ら大変な道を選びながらもちょっとずつ成長を続けている。今回の新プロジェクトである勉強会をきっかけに「チーム・メロサティ」が今後どのように進化していくのか私も楽しみです。今改めて、10周年の時に様々な議論を重ねながらもチーム・メロサティ結成を決断して良かったと思いますね!」

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