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DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する人が、組織の「免疫」に心が折れる前に読んでおく書籍紹介


はじめに

DXを推進される方にとっての参考書ともなる書籍があります。

「なぜ人と組織は変われないのか」(英治出版/ ‎ロバート・キーガン  (著), リサ・ラスコウ・レイヒー (著), 池村 千秋 (翻訳) (2013/10/24)です。

これは邦題ですので、英語のタイトルを直訳すると次の通りとなります。

『変化に対する免疫』
 ~それを克服し、自分自身と組織の潜在能力を引き出す方法~

英語タイトルを著者直訳

「変化に対する免疫」が存在することを知ろう

この副題がよいですよね、~それを克服し、自分自身と組織の潜在能力を引き出す方法~です。

この「変化」というウイルスの侵入生物に対して、回避するために十分な生物的防御力を持っている状態があるというのです。

わかりますよね。多くの方がズバリ変化が嫌いです。「変わらないといけない」ということはわかっています。でもこの変化って実は「人が変わることを求めています」が、「自分が変わるのは嫌なの」です。人と言うのは、こまったものです。(笑)

今でこそデジタル技術を用いた企業変革が叫ばれていますが、企業変化の必要性は経営史の中においても長きわたって取り扱われ時代を超えて「企業変革」は経営の重要なテーマなのです。

更にデジタル技術の発展により、我々の業務のあり方を変えるような優れたソフトウェアやIT技術が今後も出てくると思います。そのため望む望まないにかかわらずこれまで以上に変革が求められ続けていくでしょう。

変化に対する免疫への対処ポイントは3つ

しかしながら、この「変革」は、「変革する人」と「変革させられる人」に分かれるのも現実です。この現実に『人』が対峙する以上は組織が本来持っている『変化に対する免疫』への対処を知らずして、企業変革を成功に導くことはできないのではないでしょうか。

この難しいとわかっていながら、DXなどの企業変革を進めていかなくてはいけない悩みをもつリーダーの方には是非著書を読んでもらいたいです。

結構分厚くて時間がかかるのですが、時短を狙いたい人は書評はググっていただければたくさんウェブ上にサマリが出てきますのでそちらだけでも活用してください。

ポイントは3つです。

  1. 変革を阻む免疫機能がある。~裏の目標の存在を知ろう~

  2. 免疫機能に対処する方法がある。 ~ケースで学ぼう~

  3. しかしそれには時間がかかる。~うんうんそうだな~

私は、著者が言いたいのはこの3つだと考えています。組織変革はそもそもの変革を阻む免疫機能との闘いであり、その変革には時間がかかるという現実を理解しながら進めて行くことが大切です。

私はこの3番については、著者の優しさではないかとも思っています。だれがやっても時間かかるんだから、気楽にいけよ!って感じです。

でも時間をかけていては競争には勝てません。そのためもっとも先人が残してくれたケースを読み解きながら少しでも早く行動に移し結果を出すことをこの著書全体で伝えてくれているのはないでしょうか。

デジタルによる変革は時代の要請

さて、データ活用の経営は時代の要請であり避けることのできない現実です。変化の激しい世の中になっている現代で、データをリアルタイムで使用せず、意思決定している経営は、 目を閉じて経験と感覚で車を運転しているようなものです。

最新のデジタルツールの活用を前提とし、運用できる組織環境があってこそデータをもとにした適切な意思決定ができます。もしまだこのデータが集まらない組織(=経理が毎度エクセルで膨大な集計作業をしないと数字がでてこない組織の事)は、早期に自社のデータをグループで蓄積し、精度の高い意思決定が”早く”できるようにデジタルインフラの環境をグループで整備すべきです。そうして、「見える化」の実現から経営課題を浮き彫りにし、その課題の解決に組織を全力で向かわせる。すなわち圧倒的リソースをデータから明らかになった課題の解決に向かわせることが大切なことは言うまでもありません。

コロナ禍において人材不足が叫ばれる中、採用が業種・業界に問わず困難であることを聞かない日はありません。そのため貴重な既存の社員の有効活用なくして企業変革は果たせません。

SaaSなどのサブスクでシステムが提供されることにより、これまで大きな投資ができなかった中小企業においてもこのDX経営が進められる環境になってきたと言えるでしょう。

もはや、DXを意識していない会社はないはずです。真の“トランスフォーメーション(変革)“に向けて企業のもっともだいじなリソースである人材のシフトまで実現させていきましょう。

その時に、必ず心が折れる”免疫”との出会いがあるのでこの書籍を紹介した次第です。ダイジョブ!みんな同じことに悩んでいますよってこと。

デジタルの企業変革を進めるということは、組織変革、そして人材変革と同義です。社員の立場で見れば、今ある仕事をなくして、新たな役割を担うことがついてまわります。このためDXには、この組織がもつ「変化に対する免疫」との闘いの連続かと思います。

コロナが終盤戦となるなかで、2023年はグローバルでのDX推進元年となるかもしれません。DX推進の皆さん、頑張っていきましょう!


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