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CODA あいのうた と Tee Schatz

Season11は80年代映画館へ行こうということでお送りしてきましたが、今回エクストラ回ということで映画自体は2022年日本公開された映画とそこに出てくる映画についてお話ししたいと思います。
2022年アカデミー賞作品賞受賞映画『CODA あいのうた』です。
この映画『CODA あいのうた』はもともとフランスで作られた『エール!』という映画の英語版リメイク作品だということで、女性のシアン・ヘダーという方が監督しています。
CODA あいのうたというタイトルなのでCODAとは楽章の終わりの意味だと思ったのですが、このCODAはチャイルド・オブ・デフ・アダルトの略で親(祖父母)がろう者である耳の聴こえる子供を指す言葉なんだそうです。

コーダを描いてアカデミー作品賞受賞作と言えばもう間違いない映画作品だとわかりますが、その作品の中でTシャツやロック音楽はどんな形で登場するのでしょうか?

■アカデミー作品賞ノミネート映画


2022年になってすぐのころ、岡田斗司夫さんがYouTubeでおすすめ映画を紹介されていたんです。
そこで気になった映画2本がアカデミー賞作品賞の候補にもなっているってことで、興味が沸いて観たわけです。
一本はベネディクト・カンバ―・バッチ主演の『パワー・オブ・ザ・ドッグ』という映画でこちらは原作小説を映画化したもので1920年代のカウボーイを描いたドラマになっています。
岡田斗司夫さんもおっしゃってたのですが圧倒的な映像美、景色の映像が本当に美しく撮影されています。もの凄く美しい映画だと思うので、是非ご覧になってはいかがかと思う作品です。

そしてもう一本が『コーダ あいのうた』です。
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』とアカデミー賞作品賞を争ってこちらの『コーダ あいのうた』が受賞したというだけあって、こちらもまた良い映画だと思いました。

■CODA あいのうた という作品


CODA とはチャイルド・オブ・デフ・アダルトの略でろうの親の(耳のきこえる)子供のことなんだそうです。
なので、そのまま両親とお兄さんの4人家族のい中で一人だけ耳が聴こえる高校生の女の子の物語りになっています。
女の子は歌を歌うことが好きなのですが、当然家族はその歌声を聴くことはできないわけです。そのあたりを映画表現としてどのように魅せるかといったところや
ろうの三人がただ障がいを抱えた弱い立場に人として描かれているわけではないという点、もうそこだけがこの映画のすべてと言ってもいいんじゃないかと個人的には感じました。

主人公の女の子は合唱部に入るんですけど、その合唱部が歌う曲が個人的にツボすぎたのですが、「本当に現代のアメリカの高校の合唱部がこの曲チョイスします???」って思ってしましました。
アイズレーのIt’s Your Thing
マーヴィンのLet’s Get It On これは曲の内容的にダメやろ?と思いました。
デヴィッド・ボウイのStar Man
デュエット曲にはマーヴィンとタミー・テレルのYou're All I Need To Get By
そして重要な場面で歌われるのがジョニー・ミッチェルのBoth Side Now(邦題:青春の光と影)

あとクラッシュの曲が流れたり、シャッグス(カート・コバーンが好きだった)が出てきたりと、時代背景的に20年くらい昔の話として観ていましたが、実際はどうなんでしょう?現代劇なのかなぁ?

■アカデミー受賞作品にもあのTシャツが登場!


主人公の女の子が合唱部に入るきっかけになる憧れというか気になる男の子がいるのですが、その男の子が映る最初の頃のシーンで着ているTシャツがあるのですが、な、なんと、このチャンネルのSeason5#28でも紹介したノーマンズ・レア・ギターのショップTシャツなのです。色もスパイナル・タップでナイジェルが着用していたブラウンだと思います。
まさか、あのコメディーの最高傑作から拝借してというわけではないと思うので、やっぱり音楽が関係する映画ということもあり、ノーマンさんのレア・ギターショップTシャツが登場したということなんでしょう。
ということで、Season6#28でも紹介したTシャツの再登場というわけです。

ですが、その彼が劇中で着ているTシャツはこのノーマンさんのTシャツだけではありません。1981年のキング・クリムゾンのアルバム『ディシプリン』のジャケットにもなっているケルト民族の縄の結び目の模様をデザインしたものなのですが、アルバムジャケットの模様は最初に発売された頃のものと現在入手できるジャケットの模様は異なるものになっています。劇中のTシャツは現在版のようなので、私の所有しているものと同じだと思われここで紹介しようということになりました。
最近になって、アマゾン・プライムでCODA あいのうたの配信が始まり、もう一度この映画を観て、そういえばディシプリン模様のTシャツもあったな、と言おうことで当初この回の動画の予定はなかったのですが、是非皆さんにもこのCODA あいのうたをおすすめしたいということで、Tシャツと合わせてお話ししたということです。

■ネタバレエンディング


アカデミー賞関連の2作品についてお話しましたが、皆さんはどちらの作品がお好みでしょう?実は私は映画を観た感動という点に置いては断然『パワー・オブ・ドッグ』が優っていました。
というのも、パワー・オブ・ザ・ドッグの画面に広がる景色の現実感を超えた美しさに対して、バークレー音楽学院の声楽科に入るレベルの現実を超えるような歌声がCODA あいのうた にはあるべきだと思うのですがそれは至って現実レベルのうまさだったからです。大学生の頃、音楽科の先輩の声楽のテスト前の練習を見たことがあるのですが、音楽専門の大学でないにもかかわらず、大学の声楽での発声、歌唱というのは想像を超えるものでした。そこに比較するとどうしても手放しで感動できない感覚があったのです。
そういったややこしいことを考えずに、新しい映画表現を体験するだけでもCODA あいのうた は鑑賞すべき作品だと思います。

はい、そういったわけでSeason 11、80年代映画館へ行こうの回はこれにて終了でございます。それではまたいつかTシャツと映画でお会いしましょう。さようなら。


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