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トリ小屋の思い出から

養鶏場に行かれたことがあるだろうか。
こう書くのは、そうそう行くことがない場所ではないかと思うからだ。
今日は、自分の思い出と体験を言語化してみようと思う。
養鶏のシロウトの私の個人的な体験と感想なので、ご容赦いただきたい。

小さい頃の思い出

小さい頃、ニワトリ小屋を見かけたことがある。小学校の遠足で、標高700メートルほどの近くの山に登るその道中で、遠く見かけた。すぐそばを通るわけでもないのに、どうしてニワトリ小屋とわかるのかというと、その小屋にニワトリの姿が見えたからだ。かすかにコッコ、コッコと鳴く声も聞こえてきたし、匂いもした。
私たちは無邪気に「あーっ、ニワトリだ!」と声を挙げ、遠くからワイワイとニワトリ小屋を眺めながら歩いた。
外からニワトリの姿が見える、簡易で小さな平屋。
これが、私の思い出の中の鶏舎のイメージだ。

現在の鶏舎

昨日、生まれてはじめて養鶏場に行き、鶏舎に入ることになった。

外観

人里から離れた山の中に、突然それは現れた。バスを降りて、指定された場所で長靴を履き替えてゴーグルや手袋を装着し、さらに緩やかな傾斜のある土の道路や階段をのぼると、突如、結構な高さのある鶏舎と飼料用のサイロの姿が目に入ってきた。広い平坦な敷地には、2階建ての家よりも高い建物が6棟以上並んでいた。
写真がないので、どんな感じかを伝えたいと思いネットで検索してこちらを見つけた。

https://jlia.lin.gr.jp/eiseis/pdf/shiyoeiseikanrikijun_gb_tori.pdf

このガイドブックの中に、私の行った鶏舎に近いイラストを見つけた。

飼育衛生管理基準ガイドブック P7

このイラストでは、同じ形の4棟の建物が並んでいる。私が昨日行ったところもこんな感じだった。昨日も、敷地全体をくまなく歩いているのではないから、正確にはわからないが、おそらくこのイラストより敷地はもっと広く、建物も多かったと思う。

このイラストの4つの縦長の建物が、鶏舎である。私が昨日行った鶏舎も、このように、外から中の様子が見えるような窓はなく、近くを通っても、ニワトリの鳴き声も聞こえなかった。

いったい、どこに ニワトリはいるんだろう・・・?

そう思いながら、案内されるままに場内を通行した。

内部

鶏舎には、大きな回転式の持ち手のついた重たそうな扉が入り口になっていた。その扉の前では案内をされた方から「ここから鶏舎に入ります。鶏舎への入り口はここだけです。必ずここから入ります。このドアは重いですが、最後に入った人は、必ず閉めてください。」という説明があり、ようやく鶏舎の内部に入った。

入り口からまっすぐに、鶏舎の内壁側の通路を歩いていった。鶏舎内は薄暗く、ニワトリの気配(羽やにおい、鳴き声)よりも、ガラガラ、バタバタという音が響いて聞こえてきたが、ニワトリの姿は見えなかった。とても薄暗くてよくわからないが、床はコンクリートで、砂のようなものが撒かれているような感触だった。

しばらく進むと、外の光が差し込む開口部に着き、そこから鶏舎の外に出た。その開口部は、バックヤード側にある、鶏舎の出口だった。
鶏舎の出口から外にでると、出口からバックヤードでは、たくさんの白い防護服をきた人達でごった返していた。その多さに驚いた。
出口の開口部は、1階から2階まで開いていて、外からみると、1階と2階で、それぞれ同じくらいの人数の人たちが黙々と作業をしていた。流れるように黙々と行われている作業の様子は、こんな感じだ。

https://biz-journal.jp/2021/03/post_216630.html

屋外での作業を終えて、1階の出口から、また鶏舎の通路(来たときとは建物の反対側の外壁内側)を通り、入り口に戻った。鶏舎の内部は、来たときとは逆側の内壁沿いだったが、やはり薄暗く、視界が悪い。
鶏舎を出ると、また消毒場所で、長靴、ゴーグル、マスク、手袋、上着を着替えてから、再度鶏舎に向かう。

ニワトリに遭遇

再び、1階の入り口から鶏舎に入り、今度は、鶏舎内の階段で2階に上がった。2階の床は、コンクリ床の1階と違って、下が透けて見えるグレーチングのような金属製の床だった。ガラガラ、バタバタのうるさい音に混じって、カーンカーンという金属音が、大きく大きく響いていた。

2階の中央の通路を通行すると、ようやくニワトリたちに遭遇した。
構造はこの写真のような感じだ。圧巻の光景だ。
中央の通路をはさんで、左右にずらーっと、下から上まで、ニワトリたちが3、4段くらいの高さのケージの中にいた。ニワトリの下には卵もあった。
私の通った鶏舎は、この写真のように明るくはなかった。採光が違うのだろう。

http://takakis.la.coocan.jp/window.htm

歩く足元を見ると、通路の下、つまり1階も通路になっている。
人間が行き来できる2階建ての鶏舎の中には、ニワトリたちは、6~8階建てのケージに入っている。
とにかくすごい数のニワトリがいるということに、びっくりした。

鶏舎を見て思ったこと

養鶏について

ショックがなかったというと嘘になる。自分がスーパーで買って食べている卵が、このようにつくられている現実の姿に遭遇して、最初に思い浮かんだことは

ニワトリさん、ごめんなさい。

放し飼いがいい、平飼いがいい。
そんな意見も聞いたこともあるが、卵を産むニワトリのことを意識したことが一度もなかったことに気がついた。無意識、無関心に、卵を食べてきたことに、おののいてしまった。

こんなに卵を食べているのに・・・

清潔の限界?

鶏舎の出入りに、これほど厳重に、消毒、衛生管理が徹底されて行われていることも初めて知った。防護服も2枚、手袋も2枚、靴下も2枚、長靴、ゴーグル、マスクを出入りのたびに、頻回に消毒して交換する。

それなのに、防げない。一体何なのだろう。
清潔にも限界があるということだろうか。

防疫とは?

私がこの記事を書く経験をしたのも、最近、連日のように起きている鳥インフルエンザが原因だ。
今も、国内で、ニワトリのサッショブンが行われている。

ニュースをみるたびに、何度も思う。
何度も言おう。

何とかならないのだろうか。


最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。
昨日訪問した養鶏場のことを書いてみました。
養鶏場の作業で、今日は激しい筋肉痛です。
一日も早く、何とかなることを願っています。

それではまた🌟

#清潔のマイルール

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