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story 棲家

ここはね、癒しなんだ

憩いの場

ボクらだけの
場所じゃないんだよ

見てごらん

感じてごらん

鳥も虫も動物も
目に見えないほどの
小さなものたちも

みんなここで
命を育んでいるだろ

同じ雨に打たれて
同じ風に吹かれて
踏ん張っている

そして少しずつ
分け合っているんだ

ここに来るなって
言えると思うかい?

柵なんか立てたって
なんの意味があるんだろう

食べ物が必要な時に
食べ物があったら
そこに行くと思わないかい?

もし
それじゃあ困るって言うなら
適当な距離を保って
それぞれが
心地よく生きられる場所を
作ってみようって
思わないかい?

理想だって笑うかい?

だけどね

みんなが幸せに暮らせる選択肢が
必ずあると思うんだ
そのための努力をしてみるのも
いいと思わないかい?

そのみんなの中には
ボクもキミも入っているんだから

ことばはこころ。枝先の葉や花は移り変わってゆくけれど、その幹は空へ向かい、その根は大地に深く伸びてゆく。水が巡り風が吹く。陰と光の中で様々ないのちが共に生き始める。移ろいと安らぎのことばの世界。その記録。