poem 通り道
もうすぐここを
風が通るよ
さわ さわ
ざわ ざわ
向こうの木々の葉を揺らし
風が ヒューッ と
吹き抜けて行く
もうすぐここを
雨が通るよ
パラ パラ
バラ バラ
乾いたて白んだ地面を濡らし
雨が ザーッ と
通り抜けてく
シーンとしたあと
どこからか
ピチ ピチ
チュン チュン
声がする
もう大丈夫と
鳥たちが
ホッとしたよに
歌い出す
ことばはこころ。枝先の葉や花は移り変わってゆくけれど、その幹は空へ向かい、その根は大地に深く伸びてゆく。水が巡り風が吹く。陰と光の中で様々ないのちが共に生き始める。移ろいと安らぎのことばの世界。その記録。