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伝う涙は 心の錆を 溶かせるか

「あの夕食」は、忘れもしない。
  忘れられない。

 家族は応援してくれるとは限らないのです。
もし、あの時の私に声を届けられるのなら、
「もう大丈夫だよ。貴方は頑張れた」
優しくそう言ってあげたいです。

ダイエットを再び始めた6日目、
私に限界がきました。
「大好きなもの」を削る苦しさ。
そのストレスが爆発してしまったのです。

「お肉がたりない・・・」
夕食のとりむね肉と
少量のお刺身を目の前に
そう、呟きました。
だって、私は本当にお肉が大好きなのです。
今思い返すと夫は、
毎日繰り返される同じ言葉に
うんざりしていたのかもしれません。

少しの沈黙の後で、
「そんなに肉が食いたいのなら」
「ダイエットなんてやめちまえっ」
そう叫んだのです。
比較的穏やかなタイプの夫が、です。

何であなたに、
それを言われなきゃいけないの?
私が痩せることを信じてはくれないの?

「悲しみ」「悔しさ」「情けなさ」
色々な醜い感情が心の中でグルグルと
渦を巻いて湧き上がってきました。

もちろん、私は泣きました。
涙を止めようとしても、
止まりませんでした。
その言葉がショックで、
とにかくショックで、
どのくらい泣いたのかは、
正直覚えていません。
思いだしたくも、ありません。

「こんちくしょう!」
悔しい思いはあるものの、

「だって・・・だって・・・」
それしか、言い返すことができませんでした。
出てくる言葉が、見つかりませんでした。

「もう、ダイエットなんてやめる!」 
次に口を開いてしまえば、
感情の勢いのままに、
その言葉を口走ってしまいそうでした。

「痩せてやるよ!今に見てろ!」
面と向かってそう言い返せたなら、
どんなに良かったことでしょう。

「数字の結果」は、まだ、
それほどついてきてはないのです。

短期間で、十キロ単位でも痩せたのならば、
「痩せてやるよ!今に見てろ!」
そう返すこともできました。

私が、実践したダイエットは
きちんと必要な栄養をとりながら
何が太る原因になっているのか、
それを突き詰めていき、
長期で結果を出すダイエットです。

最初に書いたように
7日間挑戦した結果は
「体重マイナス0.7」
「体脂肪マイナス0.5」
私にとっては、やっと道筋が掴めそうな大きい数字でした。

この頃の夫にとっては
たかが、「何キロ」減っただけ。

納得のいく数字ではなかったのでしょう。

「ダイエットなんてやめちまえ!」
この言葉を吐かれてからは、

「ああ、この人は応援してくれないんだ」
じんわりと心の底に染み込んでいくように、
それを、段々と、自覚していきました。

この時のことを思いだすだけで、
今でも切ない気持ちになります。

必死に、頑張ろうとしている時に、
身内が協力してくれない程、
悲しいことはありません。








最後まで、読んでいただき、ありがとうございます。言葉たちが、一歩すすむきっかけになってくだされば、幸いです✨