見出し画像

敢えてFラン大に進学するという選択

はじめに

表題の通り私はFランクとネットで揶揄される大学に進学しました。

そこで、私がいわゆるFラン大学(以下Fラン大)に進んでよかったと思った点を書いてきたいと思っています。

大学進学までの略歴

私の大学進学までの経歴を簡単に述べます。公立の小中学校から、私立高校の進学校の特進コースに進学。高校2年生の時の文理選択等に伴うクラス再編で、下の進学クラス(文系)へ半ば必然的に異動。その後、イジメや挫折など心労が重なり、徐々に不登校になり高3の6月に通信制高校に転校し、指定校推薦で後述する、いわゆる「Fラン大」に進学しました。


※この話は私の体験談をベースにしていますが、十数年前の話ですので、一部記憶違いや制度変更があるかもしれない点はお含みおきください※

Fラン大を選択した3つの理由

①家庭事情と病気

1つ目は家庭の事情として、浪人が許されないという理由がありました。
あまり、詳しい理由は親からも話されませんでしたが、とにかく、浪人はできないということは口酸っぱく言われていました。

また、高校を転校する最大の理由となった精神疾患も治りきっておらず、薬を服用しながらなんとか、受験できるかどうかという状態だったという点もあります。

高校卒業に必要な単位は転校前の高校でほぼ取り終えていたので、なるべく早く進路を決めて、リハビリをしつつ新生活の準備をしたいと考えておりました。

②教師になりたいという夢

小学生から高校生の頃の夢は、「学校の先生になるということ」つまり、教員免許を取得できる学校であればどこでも構わないか、という単純な理由でした。その教員に憧れたのも、「教えることが好き」ということと、「剣道を続けられる」という何とも浅はかな理由。(剣道を続けるといえば警察官が一般的だが当時の私には、何か違うという感覚を持っていた。)
その中で、自分の評定で進学できる大学の中で国語科と社会科の双方の教員免許を取得できる大学の指定校推薦枠が取れそうだったので、結果「Fラン大」と言われる大学に進学しました。

ちなみに、母校の中学校へ教育実習の挨拶へ行った際に「むっくん(本名)は中学3年生の頃に『僕は本も漫画も新聞も読みません。』と謎宣言をしていたほど国語科が苦手で主要科目の中では大嫌いでした。中学時代の国語科の担当教諭からその点を指摘された時は顔から火が出る程恥ずかしかったです。私の所属する学科は国語と社会の教員免許を取得することが可能でしたが、国語で教員免許を取得した理由は、社会科の教員採用試験の倍率が高く古典文学が好きだったからです。

結果的に教師になれなかったんですが、その話はまたいずれ。

新設学科

私が進学した大学は多くの学部において偏差値がつくかつかないかといわれるFラン大学でした。しかしながら、学科が新設されて1期生になるのだから偏差値なんて関係ないという気持ちで受験しました。ちなみに、日本語日本文化専攻に出願し、指定校推薦で9月か10月に見事合格を勝ち取りました。

進学してみた結果


序盤で書いてきたように、高校の特進コースから進学コースを経て通信制高校への転校という稀有な経験をした私だからこそ、いろいろなレベルの授業を受けてきました。いわゆるFラン大学での授業のレベルは、科目にもよりますが、例えば習熟度別の英語のクラスは1番上のクラスに入ったのですが、進学校の高校2年生の英語の授業よりも易しく感じました。(一番下のクラスはbe動詞からやっていたという噂も・・・)
あとは、漢検2級や英検準2級を取得するだけで奨学金1万円もらえる。英検2級を取得するだけで奨学金2万円など、資格取得に付随する奨学金が充実していました。(ちなみに進学校在籍時は高2の段階で英検2級取得を推奨されていました。)当時の授業料は覚えていませんが資格取得や学業優秀者へ配られる給付奨学金を年間数十万円もらっていた気がしています。

また、日本語日本文化専攻で、平安時代の文学の授業もありましたが、それも現代語で進めるなど、本当に大学や講義自体のレベルは高くなかったのですが、教授陣は旧帝大出身の先生が多く、ある分野での第一人者もいらっしゃったので、その先生に師事していたら求めたら求めた分だけ応えてくれたのはとても嬉しかったです。さすがに、国語の教員免許取得の際に現代文が苦手だと相談したら、東大国語の過去問を勧められたのには困惑しましたが・・・笑

また、ほとんどの学生の学力やモチベーションは高くはなかったのですが、ごく一部の仮面浪人をしている人や特に教員志望の学生の学力レベルは高く、その人たちとはすごく話が合ったのも覚えています。私の場合は似たような境遇の先輩に可愛がってもらっていたというのもありますけど^^;

さらに大きかったのは、一定数ですが他の有名大学の単位も進学先のFラン大の単位として認めてもらえたことです。
有名大学の学生と同じ講義をとることで、自分の大学との差を痛感し、それを頑張るモチベーションにしていました。

卒業式


結果として124単位で卒業できるところを、197単位取得して卒業。
そのまま教員採用試験に1発合格といけばカッコよかったのですが、高校を転校する原因となった精神疾患を再発してしまい、卒論執筆と教員免許は取得したものの、その年の教員採用試験を受験することはできませんでした。
(周りの様子を見ていると、精神疾患で4回生の秋学期の不登校がなければ学部生代表になれたんじゃないかとも密かに思って、その後悔はありますが…真相は定かではない。)
卒業式当日も参列できなかったので動画配信で卒業式の様子を見ていましたが、教員免許取得者の人数に私がカウントされていたのはとても嬉しかったです。


Fラン大のデメリット



やはりこれも触れないなと行けないな思います。

基本的にはメリットの逆と思っていただいたらいいんですが、

①学生のレベルが低い

最大のデメリットがこれだと思います。有名大学では大手企業に就職したり、早期インターンシップに行ったりするなど就職活動や教員採用試験等の情報も自ら積極的に取りに行かないと入ってこない印象を受けました。ちょうど私が入学する少し前にiPhoneが発売されるなど、スマートフォンが普及するなど、情報格差は少しずつ埋まってきたのはよかったですが・・・。
あと、一部の大教室での講義ではうるさい学生がいたのは残念でした。

②周りの知名度が低い

私は教員採用試験1本で考えていたので、実際に就職活動を経験していないので明確なことはお伝えできませんが、やはり、同期の子に聞くと「どこにあるの?」だったり「そんな大学聞いたことない」と言われたという話を聞いたことがあります。

③学費以外に数十万円かかる(可能性がある)

これは、先程のメリットと表裏一体かもしれませんが、有名大の学生と肩を並べて就職活動(教員採用試験等を含む)をしようとしたら、大学の講義だけでは彼らに追いつけない可能性があります。私の通っていた大学でも課外講座と銘打って、TOEICや社労士、行政書士などを目指す人向けのセミナーをしていた記憶があります。また、特に教員採用試験等の難関試験を受験しようとするのであればそのような資格に特化した予備校とダブルで通う必要性もでてきます。(教員不足の問題については割愛します。)アルバイトの掛け持ちも大変ですが、大学と予備校のダブルスクールは身体も金銭的に大変だと思います。もちろん独学でこなす人も沢山いますし、私自身は教員採用試験対策は地方自治体が実施する教師を目指すための塾(学費は約1万円)に行った以外は懇意にしていた教授に可愛がっていただいた点はあったものの、ほぼ独学で進めました。

おわりに〜Fラン大をお勧めする人〜


長くなりましたが最後までお読みくださりありがとうございます。

そもそも、大学への進学の目的の表向きの理由は研究したい人か、ただなんとなく進学した人、サークルで遊びたい人などいるかと思いますが、個人的にFラン大を勧めたい人は以下のような人です。

①夢が明確かつ学外の活動をしたい人


 例えば起業をしたいという熱い夢があれば、大卒という資格を手に入れながら学外の活動に精を出すことができます。若いという理由で可愛がってもらったり、失敗しても立て直しやすいのも「Fラン大」に所属するメリットだと考えています。私自身も何回か講演会を主催したり、教師になるための勉強会に参加したりするなど様々な活動をすることができました。
(このケースの大卒資格がどの程度役立つかは一旦置いておきますが。)

とはいえ、有名大と比べると上昇志向を持った学生は少ないので、自分に負けない強い心が必要だと思います。

②大卒資格が欲しいが金銭的に厳しい人

高校までの成績が優秀だったものの、何らかの事情で学費が捻出できない人も給付奨学金がもらえる可能性があるので調べてみる価値はあるかもしれません。また、私が教師を志望していたように、明確な夢がある人で大卒資格が必要な人。特に明確な学歴差別がなく、試験で挽回できる公務員のような職業を目指している人は就職時に挽回できる可能性が高いと思います。(※教員免許は一部の短大等でも取得可能ですが、免許状の種類が異なる点があります。)


③スポーツなど何か自分の特技での就職を狙っている人

あるいはスポーツ推薦での就職を狙っている人は、給付奨学金をいただきながら部活動などで成績を残してプロスポーツへの道を進むのも悪くないと思います。例えば、私の後輩にあたる学生はプロ野球(NPB)へ進んだという実績もあります。直接面識のある後輩ではないのですが、自分の母校からまさかプロ野球選手が出るとは…驚きました。偏差値も改善傾向で、まだまだ有名大学には偏差値的には追いつかない大学ですが、ボーダーフリー大学ではなくなったようです。

卒業して十数年経ちますが私は「Fラン大」に進学する選択をしてよかったです。


#あの選択をしたから

サポートいただいた資金はみなさんに喜んでいただけるような記事を書くための取材費に使わせていただきます。