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【介護成長記】長男の自宅介護が始まりました。

2023年3月28日、もうすでに、私にしても記憶には遠いですが、13歳の長男かねとが、自宅マンションの4階から転落した日です。

多く方の直接的なご協力や医療従事者の皆様のご尽力、そして周辺環境で支えてくださった、様々な方のおかげで、11月9日午前、リハビリ転院先の病院を退院することができました。

この間に、仕事でも新店やイベントなど大きな動きがあったにもかかわらず、私自身のカラ元気も届かず、無力で、実際にはほとんど身が入らない状況でした。

しかしながら、優秀なスタッフさんやアーティストの笹原晃平さん、卸先や仕入れ先の皆様、店頭のお越しくださるお客様、私募債にお応えいただいた皆様、公庫さんや信金さんなどなど多くの人たちや企業の方たちに本当に助けられて、今のみさご珈琲が残っていくことができています。
ただ正直、本当にお金が無くなってきています。

幸い、本店や新店でも優秀な人たちに恵まれて、いま私たち夫婦がほとんどいなくても仕事が回るような仕組みが構成され始めています。

そんな中で、これからの自宅介護をはじめ家庭のこと、さらにみさご珈琲に関わる人が楽しく、生活を安定しながら過ごせるかを、深く考えて両方を経営していかなければなりません。

前置きが長くなりましたが、今回は、長男の介護と成長を合わせて記録をしていこうと思っておりますので、ご興味のある方はご一読くださいませ。


「介護成長記」11月9日から11月11日

3月に身長が妻くらい(165㎝)だった長男が、さらに大きくなって帰ってきました。多分170㎝くらいあるんじゃないかなと思います。

頭の左側頭部の頭蓋骨はまだ抜けたままですが、元気そうな笑顔やよく動く左腕、左腕で話にこたえてくれます。

9月からリハビリ転院のため、第三次救急の尼崎総合医療センターからボバース記念病院に移り、二か月間、リハビリを集中して行っていただきました。
宝塚山本にある就労継続支援B型事業所「珈琲焙煎工房Hug」の八尾さんから詳しいお話を頂き、実現したリハビリ転院でした。八尾さん、ありがとうございますm(__)m

長男の身体的な現況としては、頭部外傷による脳挫傷・脳挫滅が左側頭部とやや前方の前頭葉におよび、脳実質の表面数ミリが死滅した状況で、脳圧亢進や髄膜炎による炎症を乗り切り、命を取り留めている状況です。左脳全体にダメージがあるため、右半身が随意行動がとれない片麻痺状態となっています。

全身では、転落時に両足大腿骨を骨折しており、特に左脚が複雑開放骨折を起こしていたため、最初期に感染症対策のため治療を行っていただいています。脳のダメージが進行だった時期でしたので、半月板などの形成は後回しとなっており、膝関節周りは機能的にかなり限定されている様子です。

脳の機能的な現況としては、言語意図の受容はできているものの、「感受⇒解釈⇒統合判断⇒決定⇒概念化⇒発語」という流れのうち、統合判断が弱く、「決定」以降が著しく欠損しています。「発語」に関しては、一語、二語程度をおうむ返しにしたり、特に強く影響を与えるキーワードや状況に対しては、正しく応答ができるといった状況です。そしてなぜか歌は覚えているものをきっかけがあれば歌いだします。

興味や行動に関しては、事故以前とあまり変わらず、動画やゲームなどの状況をタブレットを左手を駆使して遊べています。

自分で座ったり、歩くことができないので、排便は全解除状態で、食事についても胃ろうを使った食事となっています。ただ、一時退院時にハンバーガーを左手で奪って二口、咀嚼と嚥下をしっかりできたこともあり、少しずつ固形物を経口で与えていってます。

不安もたくさんあるのですが、本人が基本笑顔で機嫌よく過ごしてくれているおかげで、家族としてもとても幸せな時間を過ごしていると感じます。

介護はまだ始まったばかりですが、妻が看護師であることも頼もしく、八尾さんがおっしゃっていた、育てなおしという感覚で、2歳児のように遊んでいます。体はでかいですが。。

この三日間は、訪看さんのサポートも合間に入っていただきながら、一日の流れを作り、効率的に動ける環境を作っていきました。

その中で、私自身は、長男が元のように生活できたり、どこか不自由があっても仕事ができる環境をみさご珈琲内で作りたいという思いもあり、積極的にリハビリというか、経験の積み直しをしていけるような環境を作ろうとし始めています。

退院当日11月9日は、次男が校外学習で不在でしたが、長女と4人で、しっかり団らんできたと思います。元々が自由奔放で放任な育て方ですので、ちょっとそれぞれがうるさいところもありますが、長男も長女もお互いを受け入れてくれているのが何よりもうれしいことでした。

娘がよくしゃべるので、長男もついていっておうむ返しに言葉をよく発していました。リハビリ的には、車いすで、箕面のニトリや100均、阪急オアシスを回り、カップ麺を選んでもらったりと、判断や決定の強さを取り戻してもらおうと試みています。

脚の機能的な改善は、ボバースのPTさん、OTさんに伺った内容で、随意運動を取り戻すにも、脳の信号が伝わりそれに対して動き、自分でフィードバックを受け取るためにも、まずは筋肉が動かせるように体をほぐしておく必要があるということでしたので、両腕両足は一日30分から一時間かけて、伸長とマッサージをするようにしています。

この点も脳出血や脳圧亢進による一時的な機能損傷に比べると、頭部外傷による損傷は永続的なため、期待感は少し薄れるようです。
それでも、何かと期待しながら進めていこうと思ってます。

11月10日は、訪看さんが初めて来てくれた日で、入浴もしていただきました。夜には、次男が帰宅し、さらに騒がしいですが、家族としての距離感の近さをさらに感じます。

11月11日は、能勢の方に祖父と叔母、いとこに会いに行ってきました。長男とは、事故以来で、全く変わってしまった様相でしたが、祖父は、長男が祖父のことを覚えてくれていたことに、ちょっと感じ入っていたようでした。
叔母のさよこからは、かわいいと連発で言ってもらって長男も喜んでいました。そして、素敵な退院祝いを頂きました。ありがとう。
※トップの画像は能勢での長男です。

素敵な退院祝いを頂きました。ありがとう。

さらっとですが、これからも記録として、頭部外傷患者で近い経験に会った人たちのために、何か一助になればと思い、文章を残していきます。


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