「ご近所さんからの「おかえり」への正しい返答を考える」

 ふと、私はご近所さんに恵まれているなと思う。会えば挨拶をしてくれるし、騒音や異臭問題もない、非常識なごみの捨て方をする人もいない。当たり前のようだがこの当たり前を求めて引っ越したり、「よいご近所さんでありますように!」と半ば博打のようにお家を購入する人もいるだろう。どんなに素敵なお家を購入しても、お隣さんがとんでもないゴミ屋敷だったり、モラルのなさを自由とはき違えた売れないバンドマンだったりしたら毎日がっかりだ。対処法としてはがっかりを日常にするか、引っ越すかの二択である。このようにご近所さんに恵まれていないときは二択の対処法を強いられるが、私のようにご近所さんに恵まれた場合、千を超える対処法を強いられる。これが今回のタイトルにもなっている、「ご近所さんから「おかえり」と言われた場合、どう返答するのが適当か。」という問題である。今回はこれについて考えていきたい。

 案①「た、ただいま~(苦笑い)」
おかえりに対する完璧なクロスカウンターだが、距離感があまりにも家族だ。ただいまからの敬語は落差がすごすぎるため、その後の会話を敬語抜きで行う必要が出てくる。ちなみに落差をケアするために「ただいま帰りました」とするのも愚策である。十中八九武士の子だと勘違いされてしまうためだ。

 案②「こ、こんにちは~(苦笑い)」
返しとしておかしい、つながりがなく意味不明である。単純にあほだと思われる。

 案③「へへっ(会釈)」
思春期か。

 案④「きょ、今日暑い(寒い)ですね~(苦笑い)」
挨拶抜きで会話にもっていこうという愚行である。暑くも寒くもない日になすすべがなくなってしまうのも明白だ。おかえりをどうにか回避した感が強い。

 長々と申し訳ないが、上記の案はダメな例である。何時間かあほなウーパールーパーのような呆け面で考えを巡らせていたが、最適解だというものはわからずじまいであった。一応今のところマシな案かなと思うのが、「た、ただいまです~(苦笑い)」である。もちろん違和感は否めない。しかし、敬語との落差もないし逃げている印象もない。挨拶後の会話もいつも通りの感覚で楽しめるだろう。正面で受けるでもなく、逃げるでもなく、そらしている感じが非常にちょうどいい。プロレスでもなく、ボクシングでもなく、合気道って感じである。
 私は今のところ合気道スタイルに帰着したが、皆様はどうであろうか。もし暇だったら、どう返答するのが一番か考えてみてほしい。答えがどうであれ、「挨拶をしてくれるご近所さんって貴重な存在だな。」とは思うであろう。

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