リスキリングはバズワードで終わるのか?

もうビジネスキーワードから人気が落ちてきただろうか、リスキリング。Google Trendsで調べると、国もリスキリングをDXの文脈で奨励していたこともあり、2023年1月に大きなピークがある。その後停滞気味だが、リスキリングをバズワードと切り捨てるのはまだ早いかと。

企業内では、リスキリングか、スキルアップかで、言葉の定義で混乱することはあるが、基本的に成長分野に人材を再配置したいということなのだろう。国レベルでも、企業レベルでも、より生産性や市場の拡大する領域に人材を「移動(異動)」したい。

ここで、個人のスキルアップに注目が集まりがちだが、実は「移動できる」ことのほうが重要ではないかと思う。
企業では、スキルアップに対する社員の動機づけが難しいという話をよく聞くが、社員は待遇を含め仕事の条件が良くなる可能性が高くないと自らスキルアップをしようというモチベーションがわかない。言い方を変えると、企業内では待遇が良い部署に異動(移動)できる可能性がないと、自らスキルアップしようとは思えない。
最近、IT人材を中心に転職サービス市場が拡大している。これはスキルアップをすればよい待遇や仕事の企業に移動(転職)できるから。

もし、社員のリスキリングが経営課題となるなら、社内で待遇の良い、もしくは自己成長できる仕事に異動できるよう、社内人材市場の流動性を高めることが重要となるのでは。スキルアップできる環境(研修など)を準備しても、転職市場を活性化するだけで終わってしまわないか心配。


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