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〈タイヤひっぱり〉

・タイヤはバランスをとるための尻尾になる
・タイヤから伝う振動と、心身と呼応させてみる
・土地に癒着し、肉体から遅れる魂をみる
・浮遊する心身をつなぎ止めるタイヤをみる
・陽光やのぼり坂で体温をあげる
・木陰や雨風で体温をさげる
・タイヤの音から熱の移動をみる
・タイヤの輪っかをみる
・タイヤの屑で地上に描かれた移動の軌跡の輪っかをみる
・通り過ぎる異質な他者になる
・通り過ぎる異質な他者が起こす事態をみる
・通り過ぎる異質な他者に芽生える精神をみる
・お互いがいきる世界の距離を測る
・かわり移ろう自らの心身をみる
・以上すべてを忘れてあるく

〈タイヤひっぱりのすすめ〉2022

台湾 〈タイヤひっぱり|台湾環島-拉輪胎〉2019

台湾でのお騒がせニュース(画像クリック)

・廃タイヤを見つける
・ロープを括り付ける
・それを引きずりながら台湾を一周する
・出発時お金を持たない

無一文。タイヤひっぱりで台湾を一周する。1000㎞ 70日間の旅。
500kmの磨耗でタイヤの接地面が剥落、島に描かれたタイヤ屑の巨大な弧を想う。


種子島 〈タイヤひっぱり|黒潮と月光〉2021

旧日本軍夜間戦闘機「月光」のタイヤをひっぱり、種子島を一周する。日常の意味がゆらぎ、無化されるようなあるきの日々にも、たしかに日は昇り沈むし、重力は下に向く。テントで目覚めると枕元にタイヤがある。漂泊の単位を考える、その際数字は使わない。

・旧日本軍夜間戦闘機「月光」のタイヤをひっぱり、種子島を一周する
・寝る前にタイヤを布で包む
・摩耗によるタイヤの質量変化を天秤棒を用いて観測する

包まれたタイヤ
天秤棒での観測

鉄砲、ロケット、芋、米、船。必然的に最初に「流れ着く/受容する」ことになる種子島。


屋久島 〈タイヤひっぱり|黒潮と月光〉2021


旧日本軍夜間戦闘機「月光」のタイヤをひっぱり、屋久島を一周する。激烈な森に縁になんとかへばり付きあるく、湿気の圧に気圧される。平地の余白に比例する振る舞いの余白。島の人、移り住む人、観光の人、以外のあり方を探る。

・旧日本軍夜間戦闘機「月光」のタイヤをひっぱり、種子島を一周する
・寝る前にタイヤを布で包む
・摩耗によるタイヤの質量変化を天秤棒を用いて観測する
・摩耗するタイヤの断面の拓をとる

琉球弧とは、九州から台湾までに連なる島嶼群のこと
大隈諸島、トカラ列島、奄美群島、沖縄諸島、宮古列島、八重山列島、などからなる



奄美大島〈タイヤひっぱり|海底タイヤとバブ捕り棒〉2022

・海底のタイヤを陸にひっぱりあげる
・ロープを括り付ける
・それをひっぱって奄美大島を一周する
・バブ捕り棒は運動観測用の天秤棒も兼ねる

2022.6.21 大島を完歩(奄美新聞)
海底に沈むタイヤ


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