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内壁をきれいに保つ工夫

住まいは何十年もの時間を共にする大切な場所。だからこそ、あなたや大切な人が健やかなくらしを送るために、快適で安全な場所にしておきたいですよね。

「みんなでつくる住まいの手引き」では、快適な暮らしに役立つ知識や住まいを長持ちさせる適切なお手入れ方法をお伝えします。無印良品の家のスタッフによるノウハウと、実際のご入居者さまのアイデアもご紹介します。

あなたも一緒に「賢い住まい手」を目指しましょう。

今回のテーマは「内壁をきれいに保つ工夫」。いつまでも清潔でピカピカの壁を保てたら心地よいですね。日頃の軽いお手入れから、ちょっと汚れが気になったときのお手入れまでご紹介します。


1.内壁のお手入れ、サボるとどうなる?

室内の壁は床や窓と比べると気にしない方が多いかもしれません。でも実は、日頃のお手入れがとても大切。空間の印象を左右するのはもちろん。住まい手の健康にも影響するんです。

・黒ずみやニオイの原因になる
室内の壁には、毎日少しずつ汚れが蓄積しています。空気中に舞うホコリや、ふと触った時の手垢も汚れの原因です。お手入れを怠ると、付着した汚れが溜まり、黒ずみやニオイを引き起こします。
内壁が黒ずむとお部屋が暗く見えてしまいますし、お部屋に嫌なニオイが染みつくのも不快ですよね。

・カビが発生する
築年数が古い家の場合※、カビも要注意です。カビは湿気と20~30℃程度の温度環境が大好き。湿気がこもりやすい場所や結露のある場所を放っておくとカビの発生につながります。ホコリがカビを引き起こすこともあるんです。
カビの胞子を吸い込むと、アレルギー性鼻炎やシックハウス症候群などを引き起こし、健康を害する心配もあります。カビは根を張って広がるため、建物の状態も悪くなってしまいます。
※2003年7月以降に建てられた住宅は、24時間換気が義務付けられている(規制導入改正建築基準法)ため、カビのリスクは軽減されています。

2.無印良品の家で暮らす方は 内壁のおそうじ、どうしてる?

無印良品の家にお住まいの方は内壁のおそうじをどうしているでしょうか?アンケートで286名の方にご回答いただきました。
※無印良品の家のご入居者の約80%が塗装の壁を採用されています。

Q1.室内の壁のおそうじ頻度について

全体の約7割の方は「今まで内壁をそうじしたことがない」という結果に。次いで4人に1人が「1年に1度」と回答しています。年末の大掃除のタイミングでおそうじされるのかもしれませんね。
塗り壁の家にお住まいの方が多いということもあり、毎週、毎月と定期的におそうじしている方は少数派で、全体の5%という結果でした。

Q2.おすすめのおそうじアイテム(フリー回答)
・塗り壁なら塗り直せばOK
・消しゴム!
・フローリングワイパーにマイクロファイバーのクロスをセットして拭く。
・フローリングワイパーにドライシートを付けて掃除。毎週しているので楽です。」
・フローリングワイパーのホコリ取りで壁を撫でてます。ホコリ以外の汚れは住宅用の中性洗剤とメラミンスポンジ。

3.日々の簡単なお手入れ方法

何十年経っても真っ白で清潔な壁が保てたら気持ちいいですよね。そのためにまず大切なのは、日々のこまめなお手入れです。大掛かりなお掃除ではなく、簡単なお手入れを続けることがコツ。塗装かクロスかによってお手入れ方法が異なりますのでご注意ください。

塗装(塗り壁)の日々のお手入れ方法
羽ぼうきやハタキ、掃除機を使ってホコリを取り除きましょう。拭きそうじは行わないようにしてください。汚れが広がったり、塗装がはがれることがあります。

クロス(壁紙)の日々のお手入れ方法
クロスの寿命はだいたい10年前後といわれていますが、日頃のお手入れで寿命を延ばすことができます。日々のお手入れでは、水拭きまたは家庭用の中性洗剤を使って拭くようにしましょう。軽い汚れも落ちます。汚れに気が付いたら、こまめに落とすようにしましょう。

4.【塗装】汚れ・トラブル別のメンテナンス

長いくらしの中では、目立つ汚れがついたり広範囲で汚れてしまうこともあります。そんな時には原因に合わせたお手入れ方法があります。

まずは塗装の壁の場合からご紹介します。

①手あかなどの部分的な汚れ
手垢が目立ちやすい塗り壁。メンテナンスに最もおすすめなのは「消しゴム」です。クレヨンの落書きも消えます。その他、水を含ませたメラミンスポンジで軽くこすっても落ちますが、塗装が落ちやすいので注意してください。メラミンスポンジは摩耗して粉が出るので、最後は乾いたタオルで粉と汚れを拭き取りましょう。

②コーヒーやお醤油などの調味料
家庭用の漂白剤を水で薄め、タオルなどにしみこませて汚れに塗ります。塗った後はドライヤーで乾かし、水を含ませたタオルで壁面を叩いて漂白剤が残らないように処理します。
壁に染み込んでしまったものは、薄めた塗料を上から塗りなおすのがベストです。

【注意点】
・漂白剤を使う際は必ず換気を行いましょう。
・キッチン用漂白剤は効きめが強力なので、壁の色が抜けてしまうこともあります。はじめは衣類用漂白剤で試してみて、どうしても汚れが気になる場合に使いましょう。

③広範囲の汚れ
食器用の中性洗剤を表面のやわらかいスポンジに染み込ませて汚れを軽くたたきます。壁面に洗剤が残らないように、最後は必ず固く絞ったタオル(真水かぬるま湯で濡らしたもの)で拭きとります。

④カビ
軽度のカビは消毒用エタノールで取り除けます。無水エタノールはカビが死滅する前に揮発してしまいますので、消毒用エタノールの使用をおすすめします。

⑤その他
汚れではありませんが、画鋲であけた穴を塞ぎたいときは、ホームセンターなどで売られているボンドコークがおすすめです。穴にボンドコークを詰めて表面にはみ出した部分をふきとると、見た目がきれいに戻ります。

5.【クロス】汚れ・トラブル別のメンテナンス

クロスは汚れやカビ以外にも、クロス自体がはがれてしまうというトラブルもあります。長くきれいにクロスを保つために、それぞれのお手入れ方法を知っておきましょう。

①飲食物や調味料
水で濡らし、固く絞った雑巾で拭きとります。落ちにくい場合は家庭用中性洗剤(油モノに強い食器用がおすすめ)を染み込ませて拭いてみましょう。洗剤は残らないように拭きとり、最後に乾拭きします。凹凸のある部分はやわらかめの歯ブラシをつかってこすると良く落ちます。

②クロスのはがれ
部分的なはがれであれば、ボンドコークを使って張りつければ補修できます。はがれている壁紙の裏面にブラシなどを使ってムラなく、はみ出ない程度に多めに塗ります。10分間程おいてから下地に張り付けましょう。

【注意点】
※はがれた面積が広い場合や何度もはがれるときは住宅会社に相談しましょう。

③カビ
水で濡らし固く絞ったタオルに食器用洗剤などの家庭用中性洗剤を染み込ませ、拭いて落とします。カビを落とした後に市販のカビ防止剤をスプレーしておくと予防になります。

④その他
クロスは塗り壁と比較すると塗料の塗り直しで補修することができないため、耐用年数も短めです。末長く暮らすことを考えて、糊がはがせる仕様のものなど、貼り換えしやすいクロスを選ぶことをおすすめします。

内壁のお手入れで一番大切なのは「こまめに行うこと」。簡単なお手入れを毎日コツコツ続けるだけで、大きな汚れやトラブルの防止につながります。汚れやトラブルを見つけたら、なるべく早く対応しましょう。