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復讐#18「怒るで、しかし」

義理の妹は、男の子を出産した。気の毒なことに退院してからというもの、彼女は毎日のように姑に呼び出された。アタシもそのたびに呼び出される。姑は、男の子が生まれたことを誇らしく思っているようだ。

家の前に車が停まったことはわかっている。車を降りてから隣の家に入るまでに、一通りご近所さんや通りがかりの人への面通しが行われている。
(そろそろ、呼びに来るな。)
ザッザッザッ。砂利を踏む音が聞こえる。姑の足音だ。
「なおちゃ~ん、Tさん、子ども連れてきてくれてるで~」

生まれて数日しか経っていない無垢な赤ん坊の姿を、アタシはまともに見ることができない。なるべく近寄りたくない。ましてや可愛いとも思えない。この子に罪はない。それはわかっているつもりだ。
この子を産んだ母親よりも、姑の方が抱いている時間が長いのではないかとさえ思える。
「あやからしてもらうんに、なおちゃんも抱っこしてみるかい。」
「いえ、落としたらあかんので結構です」

相変わらず、親戚やご近所さんの出入りが多い隣の家。アタシの苦手なNさんは、姑に抱かれた赤ん坊の顔を覗き込む。
「あれ~、この子Mくんにそっくりやして~」
「何言うてんの、この子Aとこの子やで」
「そうかそうか、お兄ちゃんとこも頑張らなあかんなあ」
「……。」
アタシは何も返せない。

昨日も会ったやん。おはようの挨拶交わしたし。そんな急に産まれるわけないやろ。
ホンマ勘弁してほしいわ。

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