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麦野菜摘
2021年3月4日 17:22
母は完璧だった美しい顔を持っていた私は手足が生えていてバタバタと空気を煽った母のようになりたかったある日火の粉の欠片を盗んだそれは神様になる覚悟けれども光は乱反射で私を焦がし皮膚には灰が付き纏う這い出た私は撚り合う糸を指先で受けとったいつしか穏やかな歩みを覚え棘を優しく撫でさするそれでも止まりかけた心臓をこの足で蹴って目覚めさせ一瞬で崩れる王