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「寝かしつけはエンターテイメントだ」と捉えたらわたしも娘も楽ちんになった。

子どもを育てたことがある人なら、誰もが1度や2度は悩んだことがあるはずの寝かしつけ。

わたしももちろん例外ではない。

今回は2人の娘を育てる中で試行錯誤した結果「エンターテイメント性を重視した寝かしつけ」が効果的だった話をしたい。

おっぱいだよりだった長女育て期

長女がまだ赤ちゃんだった5年前、ママレベルが底辺だったわたし。慣れない育児で余裕がなく、どんなときもおっぱいに頼るタイプのママだった。

お腹がすいていそうでも、眠たそうにしていても、機嫌が悪そうでも、まずはおっぱい。他の方法を試す努力をすることもなく、真っ先におっぱいを差し出して過ごし、すべてを解決していた。

授乳している期間はいいけれど、大変なのは断乳後。ママも娘も、急な展開に「なにこれ、おっぱいなしでどうやって寝る(寝かせる)の?無理無理」状態。それはそれは娘は大泣きし、暴れに暴れ、大変な思いをさせてしまった。

ネントレをする!と立ち上がった次女育て期

次女を出産したとき、長女をなんとか4歳まで育て上げていたわたし。自然とママレベルが標準くらいまで引き上がっていたようで「あれ?わたしこころに余裕がある!」と気づきびっくり。

ならば、と長女のときできなかった、憧れのねんねトレーニングなるものをやってみようと思い立つ。「わたしにも楽ちんな寝かしつけができるかもしれない」と淡い期待を抱いて。

思い立ったが吉日、翌日のお昼寝から決行した。ネットによく書いてあるとおり、おっぱいを飲んだまま寝かせず、起きた状態で暗い部屋に連れて行き、ホワイトノイズ音を流して、ベッドに寝かせる。

環境は整ったものの、これだけでナチュラルに寝てくれる赤子はさすがにいない。

最初は、楽ちんな寝かしつけの極みを目指して「泣かせるネントレ」に挑戦することに。「泣かせるネントレ」とは、安全を確保した上で赤ちゃんを寝室に1人にして、5分経ったら赤ちゃんの様子を確認しにいく。確認しにいく時間の感覚を10分、15分と徐々にのばしていくというもの。

期待に胸を膨らませてスタートするも、もちろんうちの娘はギャン泣きで、時間が経っても落ち着く様子はなく、むしろヒートアップ。意志の弱いわたしには到底続けられずはずもなく早々に断念した。

わたしにも、娘にも合った、もっとゆるりとしたネントレにすることを心に決めたのだった。

THE子守唄で悪戦苦闘の日々

すでに自分の娘に「添い寝deセルフねんね」を習得させていた姉に、アドバイスを求めると「日課になっていくことを考えると、初めから自分が苦痛でないもので寝かしつけをした方がいいよ」との返し。

苦痛でないものイコール好きなものと考えると……子守唄だ!とすぐに答えに行きついた。高校時代、英語ミュージカル部みたいなものに所属していたくらいなので、歌うのは結構好きなのだ。これならば毎日でも苦になるまい。

この日からわたしと娘の「子守唄deねんね」トレーニングが始まった。

課題曲は「ゆりかごのうた」。まずはわたしの中の子守唄のイメージを凝縮させた、優しくて、蚊の鳴くような、あかちゃんを包み込むような歌声を意識して歌ってみた。

……寝ない。

優しい声でいったん静かになるけれど、程なくして泣きに入る。課題曲を変えてトライし続けてみたけれど、引き続き寝る気配なし。

娘が泣き続けるとやっぱりわたしの心は折れ、立ってゆらゆら抱っこの力技で寝かしつけること数日。結局わたしには楽な寝かしつけは無理なのか……と半ば諦めかけていた。

赤ちゃんの立場にたって「子守唄」について考えてみた

追い詰められたわたしは、何故やさしい「子守唄」で寝ないのかを赤ちゃんの立場になって考えてみた。

ママが優しい声で歌ってくれているけれど、その裏には「お願いだから寝てくれ」という切実な思いをのせている「子守唄」。重い。プレッシャーだ。

これをして!と言われるとやりたくなくなるのが人間。生まれて1年も経ってない、右も左も分からない赤ちゃんでも、もしかしたらその気持ちがあるんじゃなかろうか。

そんな仮説を立てたわたしは、いかに寝させようとしていることを悟られないかを追求することにした。

風穴をあけたミュージカル風子守唄

家中の窓がしっかり閉まっていることを確認したあと、わたしは部屋中に響き渡るほど大きなオペラ調の歌声で、みんな大好き「パプリカ」を歌い上げてみた。

「寝てほしい」という気持ちを一切なくし、「うまく歌い上げたい」「パプリカを楽しんで聞いてもらいたい」というエンターテイナーの気持ちそのもので挑む。

曲の中盤にきたあたりで、ちらっと娘の方に目をやる。

初めこそびっくりしたような表情を見せていたものの、なんと次第にうとうとし始めたではないか!

こんな至近距離で大声で歌っているというのに!

なんということだ。これはいい兆候。わたしのテンションはどんどん上がっていった。

イチかバチか。禁断のおもしろ系ソング

冒険心に火がついたため、今度は娘が大好きなおもしろ系ソングをしっかり再現して歌ってみることに。

一歩間違えば興奮して寝なくなるリスクを孕んでいたものの、一筋の希望の光を信じて突き進んだ。

おかあさんといっしょによくでてくる「ちょんまげマーチ」「しゅりけんにんじゃ」を、大音量かつこちょこちょや足スリスリなどのスキンシップつきでお送りしてみた。

もちろん気持ちは「寝てほしい」ではなく「こころから楽しんでほしい」。

すると、赤ちゃん特有の「グフッグフッ」という笑い声。にっこりレベルではなく大笑いのときのやつ。

あ、やっちゃった、だめだ、これは興奮で寝なくなるコースだ……と諦めそうになった瞬間。

満足そうな表情を見せた後、すやーっとお眠りになられたのだ。

長い戦いが終わった。

この日からわたしと娘の寝かしつけ時間は、笑い声が響く楽ちんな時間になったのだった。

子育ての悩みは発想の転換が大事なのかもしれない

「ねかしつけられるとおもってかしこまってたけど、え、たのしいんだけど。わたしのママってなんでこんなにたのしいひとなんだろ。さいこー。わたししあわせだなーもうおもいのこすことはないし、さ、ねよっ。」

100%妄想だけど、娘の気持ちはおそらくこんな感じなのだと思う。

子育てってすごく悩むことが多いけれど、大抵のことは発想の転換で拍子抜けするほど解決することも多い。

そう考えられるようになるまで4年かかったけれど。

もしかすると、うちの娘がとんでもなくあまのじゃくなのかもしれないし、少し変わってるのかもしれない。でも、もしかしたら赤ちゃんみんないける方法なのかもしれない。

もし今寝かしつけですごく悩み、藁にもすがる思いの人がいたら、ぜひ嘘だと思って試してみてほしい。

そしてこれが万人受けする方法なのかまったく効かないのか教えてほしい。

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わたしのくだらない話に最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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