みなと/スピッツ
不定期にスピッツへの偏愛を語っております。
スピッツ、他のアーティストの方々からも好きって公言されてる方が結構いらっしゃってて、ファンとしてはとても嬉しい限りでございます。
テレビやラジオで言ってくださるのを、見逃しちゃったり聞き逃しちゃったりしてるので、つぶやきから読むなどしているのですが、そのまんまの意で解してなかったらごめんなさい、なのですが…
よくスピッツ、サビがないと言われたりします。そこが良いと褒められるので嬉しいのですが、サビ、サビ?なかったっけ?って、普段あまり気にして聞いてないので、改めて最近聞き直したりしています。
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ところで、話は逸れますが、レッドツェッペリンの「天国への階段」という有名な曲があります。イントロがとても有名で、ギター弾く人なら必ず弾いてみたことがあるフレーズじゃないでしょうか?私の兄はしょっちゅうこれをコピーしてたので、ツェッペリンオリジナルより兄の弾いたギターの方が聞いてる回数多いです。すごく美しいイントロです。
そして、この「天国への階段」盗作じゃないかということで訴訟があったのも有名な話かな…?スピッツファンの方なら草野さんのラジオで取り上げられていたのでご存じの方も多いと思います。
スピリットの「Taurus」という曲です。イントロ似てますよね。こちらも綺麗な良い曲です。
個人的にどっちも良い曲だと思うし、もし仮に知っていたとしてもリスペクトだと思うんですよねえ。
「天国への階段」はイントロも素晴らしく美しいけれど、私が「天国への階段」の好きなとこは、イントロが叙情的に流れ、その後ボーカルもエモーショナルにしみじみと歌い、そしてその後のギターが軽く刻まれて、それがどんどん大きく大きくなって、ドラムが鋭く入ってきて、音がどんどん厚みを増してくる。それで満を持してじゃかじゃーん!ってくるココ!が肝だと思うんです。あとそこまでの来るぞ来るぞってどんどん曲が膨らんでくる構成なのかな…その後のギターソロも素晴らしいですし。泣きのギターやドコドンのドラムと最後のボーカルのシャウトも。盛りだくさんですよね。
なぜサビの話でこの話を取り上げたかというと、サビも美味しいけれど、肝(キモ)はどこだろうって思いながら聞くと、あれ?ここも美味しい、ココも素敵って曲結構たくさんあるんじゃないかなって思ったんです。「天国への階段」でも、一番のキモはここかなっていうのはあるけど、最初から最後までキモと言ってもいいと思いますし。
そこで、スピッツのサビがない曲と良く言われるのが「みなと」ですが…
「みなと」私かなり好きな曲です。そして、この曲、何がどう良いのか説明するのがとても難しい曲でもあります。
この曲はどちらかというと静かに波に揺られるように進んでいく曲です。激しく目立つような仕掛けがあるわけではありません。あえて言うなら、
「君ともう一度会うために作った歌さ」
「君ともう一度会うための大事な歌さ」
が肝であると言って良いかもしれません。でもちょっと音階が上がって切なく歌い上げるくらいです。その前の「黄昏に」「朝焼けが」がちょっとだけ階段を上がり、その後この部分がさらに上がることで、もう一段階上にあがりキモを際立たせているということはあるかもしれないですが、ここをサビというのは確かに違うと思うんですよね。でも一つの大事なキモであると言って良いと思います。
じゃあ、なぜこの曲は胸に迫るんだろう…といったら、静かにでも焦がれるような熱を帯びて少しずつ少しずつ上に階段を上っていくような、なにか昇華されていくような美しさがあるからじゃないかと思うんです。
そうなんですよね、この曲ずっと熱を帯びているんです。これたぶん歌い方だけじゃなくて、決して派手とはいえない構成と(たぶんだからこそ静かに熱を帯びるんだと思います)的確に歌う演奏でこの曲の情景と気持ちを非常に良く表現してしまっているからだと思うんです。そして、この静かな熱さを秘めてる感じがこの曲の最大の肝といっていいんじゃないだろうか…と思います。そしてこれをやってのけちゃうんだなっていうのがスピッツの面白いところだと思うんですよね。こういうキモもあるんだなあという面白さを初めて知りました。海見えませんか?私、最後に大きくゆるやかに波打つ海が光り輝くのが見えるような気がしてしまうんです。
今日もまた偏愛ぶりを披露してしまいましたが、ここまで読んで頂きありがとうございます。