【本紹介】「好きを仕事に」はただの幻想。最も幸福度の高い仕事の見つけ方。
メンタリストのDaiGoがお薦めしている一冊。タイトルの通り「科学的」なデータや研究結果が盛りだくさんなので、中田敦彦YouTube大学でさらっと見てから読んでも良いかもしれません(笑)
■この本を読んだ方が良い人
適職=その人にとって幸福度の高い仕事を見つけるために、基準となる“ものさし”と見極めるためのフレームワークが載っているので、これから就職・転職をする人に今一度立ち止まって自己分析するのに良い本です。
▼本の構成
序章 最高の職業の選び方
STEP1. 幻想から覚める
STEP2. 未来を広げる
STEP3. 悪を取り除く
STEP4. 歪みに気付く
STEP5. やりがいを再構築する
■職業選択がうまくいかないのは時代背景+人間の脳のせい
昔とちがって、今は人生100年時代、かつ終身雇用が崩壊しロールモデルがいない時代なのでそもそも職業選択の難易度は上がっています。
加えて人間は偏見や思い込みなど人脳がバグを起こしがちなので猶更難しい。
だからこそ、職業選択について徹底的に考えることで正しい職業ひいては幸福度の高い仕事に就けると考えられています。
■幸福な仕事を探すための意思決定とは?
この本では適職(=幸福度の高い仕事)を見つけるフローとして、
① 仕事の幸福とは実は関係がない7つの大罪を知る
② 仕事の幸福につながりやすい7つの項目を知る
③ 仕事の幸福を破壊する要素(WLB崩壊、長時間労働、長時間通勤など)を知る
この3つのものさしをベースにしながら意思決定することが大切と考えられ、自分自身の仕事を振り返るための分析方法がいくつか紹介されています。
▼仕事選びにおける7つの大罪とは?
① 好きを仕事にする
② 給料の多さで選ぶ
③ 業界や職種で選ぶ
④ 仕事の楽さで選ぶ
⑤ 性格テストで選ぶ
⑥ 直感で選ぶ
⑦ 適性に合った仕事を求める
特に多いのが「好きを仕事に」という幻想。
好きを仕事にしたい・給料より満足できる仕事重視な「適合派」と、仕事は続けるうちに好きになるものと割り切るけど給料は欲しい「成長派」を比べると、長期スパンでは成長派の方が作業効率も良く幸福度が高いという研究結果もあるそうです。
好きなことを仕事にタイプだと、仕事でトラブルや嫌なことがあったときに「本当はこの仕事が好きではないのかもしれない…」と疑念を持ちやすくモチベーションの上がり下がりが激しい傾向にあることが原因のようです。これはちょっと分かるかも…
また、②の給与で選ぶのも正しい選択とは言えないというのも納得。
バーナードショーの言葉「20代の頃より10倍金持ちになったと言う60代の人間を見つけるのは簡単だが、そのうちの誰もが10倍幸せになったとは言わない」が紹介されていますが、収入と幸福度は必ずしも比例関係ではないようです。
▼仕事の幸福度をはかる7つの徳目
① 自由:その仕事に裁量権はあるか?
② 達成:前に進んでいる感覚はあるか?フィードバックは得られるか?
③ 焦点:攻撃型/防御型 の自分のタイプと仕事が合っているか?
④ 明確:なすべきことやビジョンははっきりしているか?
⑤ 多様:作業の内容にバリエーションはあるか?
⑥ 仲間:組織内に助けてくれる友人、似たタイプの人はいるか?
⑦ 貢献:自分が組織や他者に影響を与えられているか?影響を可視化できるか?
幻想を打ち破った上で、基準にすべき項目も紹介されています。
特に③の攻撃型/防御型を知るためのチェックリストが事細かく載っているので、改めて自分のタイプを把握することも大事です。
◎攻撃型の特徴
・目標を達成して得られる「利益」に焦点を当てて働く。
・競争に勝つのが好き。金や名誉など外的な報酬に影響を受ける
・基本ポジティブだけど見切り発車も多い
・人の動きの速い業界や柔軟な発想を求められる仕事に向いている(コンサルタント、テクノロジー系、コピーライター等)
→進歩や成長を実感しやすい仕事を探せているか?がポイント
◎防御型の特徴
・目標を「責任」の一種と捉え、競争に負けないために働く
・自分の義務を果たすのが最終的なゴールで、正確で注意深い
・最悪の事態を想定して動くため時間の余裕がないとストレス
・実務能力が必要な仕事や慎重さを高く評価してくれるような仕事に向いている(経理、技術者、データアナリスト)
→安心感や安定感を実感しやすい仕事ができているか?がポイント
私は防御型ですが、7年いる職場は上司も仕事も攻撃型。切ない…
自分のタイプと仕事内容が噛み合ってないケースは往々にしてありそうです。
また、➆の貢献については、自分の仕事が「誰かのためになっている」と感じることで、自尊心/親密感/自律性(誰かの指示ではなく自ら行動できた)が満たされるので適職と言えるという考えだそうです。
■バイアスという名の「バグ」にも注意
思い込みや偏見、周囲の意見から来る影響が正しい判断を鈍らせることも。
誰しもが脳内にバグを抱えていることを受け入れ、いかに客観視できるかが大切。
「この選択をしたら、10分後、10か月後、10年後にはどう感じるか?」を考えたり、文字に起こして客観視するためのフレームワークも紹介されているので、新たな環境に行くときはここまで整理して決断するのが良さそうです。
■「人生に成功する秘訣は、自分が好む仕事をすることではなく、自分のやっている仕事を好きになることである」
ゲーテの言葉。「職場に大きな不満はないけれど……」と思ったときに、今の仕事の満足度を可視化し改善のための行動計画を立てることも重要です。
本のタイトルから誤解されがちですが、この本は転職を勧めている訳ではありません。現状を正しく分析し、留まると決めた人に現状を改善するための行動計画も示しています。
今の仕事を受け入れ改善するも、次を選択するにも、まずはその指標が指標たるべきものなのかこの本を読んで科学的にチェックしてみてください。
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