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転職に関する頭と心のせめぎ合い

今月で仕事を退職する。
今は有給消化中で、毎日のように家にこもり「次はどんな仕事がしたいんだろう」と悩んでいる。

転職エージェントや派遣サイトに登録をすると、勧められる求人は過去の職歴から判断され、IT・通信関連ばかりだ。
まさにその仕事を直近までしていて病んでしまった私としては、次の就職先として同じ業界は避けたいと”ぼんやり”思っている。

その意思が「ぼんやり」している理由は、条件面ばかり考えている頭が邪魔をしているからだろう。

ニュースやネット上では、物価高や上がらない賃金など今後の未来に対して不安を抱かざるを得ない情報ばかりが溢れている。
というより、まさに自分が将来の心配をしているから自然とその話題ばかりに目がいってしまうといった方が正しい。

賃金面や将来性だけを考えると、IT・業界通信に身を置いておくことは恐らく得策なのだろうと、そう思う。実際、自分が今までやってきた仕事の中で1番給料は良かったし、今後も上がっていく見込みはあるからだ。
(給料がいいと言っても、自分の今までの給料が平均よりも低かっただけだが・・)

それでも退職に至った理由は、自分が派遣されたとある現場でかなりストレスを抱えてしまい、もうやっていけないと思ったからだ。

後になって思うと、ひとつの現場が駄目だからといって他全ての現場もそうとは限らないのに、次の仕事も決めないまま辞めるのは早計だっただろう。

毎日求人をチェックしていると「やっぱりあの現場が自分に合っていなかっただけかもしれないから、もう1度同じ業界に戻ってみようか?」という気持ちになる。

「でも、もしまた辛い思いをしてしまったら?」

色々考えだすと止まらなくなって、部屋の床で仰向けになり、辛かった当時の自分がどのように感じていたかを思い出す。

朝、目が覚めた瞬間に感じる絶望。
何の意義も見出せず、ただの駒となり言われたことを黙ってこなす仕事中の時間。
夜、寝る前に感じる「明日が来るから、寝たくない」というあの気持ち。
仕事を辞めようと決めた時の「こんな思いは二度としたくない」という強い想い。


あんな思いをしても尚「やっぱり同じ業界に戻ろうかな」などと何故思うのか。
それは恐らく、さっき言ったような将来の金銭的な不安要素を排除したい、と理性が働いているのだろう。

さらには、「金銭面が不安だからIT業界に戻った方がいいんだろうけど、お金だけが理由で戻りたいなんて考えはちょっと自分の思想に反するし聞こえが悪い。だから”自分に合う現場があるかもしれないという可能性を信じたいから、もう1度挑戦したい”と思っていることにしよう」と、ずるがしこい理性によって自分の考えがコントロールされている気がする。

可能性挑戦といった言葉は自分の価値観に合っている。
それを知っている理性がその言葉を巧みに使って、「自分はあくまでも自分の価値観を満たすためにもう1度IT業界に戻りたいだけだ」と、心に言い聞かせているような気がするのだ。

でも、実際に紹介される開発関連の求人を見ても、心が動かない。
確信はできていないが、求人を見てまず最初に感じるのは「ずしっと重くて暗い何か」だ。
その重くて暗い何かを感じたあとに、「いやでも可能性を信じたいから」と言い訳が慌てて頭の中で再生される。

ということは、やはり自分の心は嫌がっているのだろう。

とはいえ、だから何がしたいということも無い。

ただ、今まで自分が仕事でやりがいを感じていた瞬間を振り返ってみると案外共通点がある。

それは「自分で工夫して、アイデアを形にしたとき」だ。
アイデアを形にする、というとクリエイティブ系の職種のように聞こえるが、必ずしもそうではない。

販売・事務・開発をやってきたが、結局のところ職種は関係ないのだ。
今までのどの仕事でも、自分の意志で工夫して何かを試す時が楽しかった。

販売だと、「どのタイミングでお客さんに話しかけよう」とか「ちょっと世間話してみよう」など全て自分で考えて行動ができる。私がやっていた接客に厳格なルールは無かった。

事務だと、「書類をこういう風にまとめたら他の人が見やすいかな」とか「備品を綺麗にまとめて、皆が使いやすいようにしよう」といったように思ったことをすぐに試すことができる環境だった。

さらに、自分が試したことに対する同僚や上司の反応は、同じ会社内なので見ていればすぐ分かる。気付く人は気付いてくれて、「ありがとうね」と言われた時はとても嬉しかった。

小規模の開発をしている時は、まさに自分のアイデアを形にする仕事で、相手にフィードバックをもらえる環境だったため、かなりやりがいを感じていた。

私は最後の開発の仕事に一番やりがいを感じていたため「自分には開発の仕事が向いているんだ」と思い込んで、開発という職種名で次の転職先を決めた。その時は自分がやりがいを感じる瞬間についての理解は乏しかった。開発が自分のやりたいことなのだと、そう信じ切っていたのだ。

職種を基準にして転職した結果、言われたことを厳密なルールに従ってこなす必要のある業務内容に就くこととなった。
自分の意志など言ってはいけないような、そんな環境だ。自分がした仕事に対するフィードバックも一切ない。自分がやりがいを感じるための要素とは真逆の環境で働いたことで、心身ともに病んでしまった。

規模にもよるかもしれないが、一般的な開発現場で自分の未熟なアイデアなど形にしようものなら、とんでもない問題を引き起こしかねない。なので、厳密な規則が必要だということはよく理解できる。
前は、小規模の開発だったから自由にやれていたのだろう。

そう考えると、自分にはやはりIT・業界通信は合っていないと思う。
特に、大手企業向けの開発だと「厳格に決まった規則のもと業務を遂行する」という傾向がより顕著だろう。

経験の浅い私が言っていることなので、間違っていることもあるだろうが、少なくとも自分はそう判断した。

自分の心がどう感じるか、今の自分にとってはそれが全て。
なので、頭で考えすぎず心が少しでも動く求人があればとりあえず応募してみようと思う。
短絡的な考えかもしれないが、頭でどれだけ考えても結局答えは出ないので最終的には自分の直観に従うしかない。


自分の直観よ、冴えわたってくれ!!




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