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ジェニーの不思議な体験

19歳になる息子が小学校に上がると同時に、近所の美容院で見習いとして働き始めました。
その当時の美容院で働いていた時のお客さんが経験した、不思議なお話です。

ジェニーはショートヘアを赤っぽく染めに来る、恐らく当時で60代前半くらいのとても素敵な女性でした。
もともと美容院から割と近くに住んでいた彼女は、リタイアメント生活を送るのに、150キロほど北上した地域に引っ越していきました。
引っ越してしばらくしても、私の勤めていた美容院に1-2か月に一度程度、他の用事と合わせて来店していました。

ある日、ジェニーがこんな話をしだしました。

とてもセンスのいいジェニーは、素敵なものを見つけるのが大好き。
少し前に、アメリカのオンラインサイトで好みのお皿を見つけたので、
いくつか購入したそうです。
ですが、配送予定日になっても、やってこない。
しばらく様子を見て待っていたのですが、それでもやってこない。
そのサイトにメールをしても、発送済みだという。
半ばあきらめかけたところ、
私たちの美容院での予約があったその日の朝、この街の行きつけのインテリア雑貨店に、暫くぶりに顔を出したそうです。
しばらくそのお店のオーナーと話をしながら店を見て回っていた時に、
配達員がやってきてこう言いました。
「ジェニー ジョーンズさんはいますか?!」

待てど暮らせど、ジェニーの自宅にやってこなかった彼女のお皿たちが、
久しぶりに立ち寄った、自宅から150キロ離れたお店にやってきた。
どんな経緯であれ、無事にお皿たちはジェニーのもとへ。
という、なんとも不思議なお話でした。

ところで、配達物の宛先は、ジェニーの自宅だったと記憶しております。






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