パスポートを取った話と、19を聴いて感動した話
パスポートを発行した。11月に10日間、カリフォルニアに行く。会社の金で。これだからサラリーマンはやめられない。向こうで待っているのは平均3時間睡眠の激務だが、まぁ良い思い出になるだろう。唯一の問題はワンオペになってしまう妻であった。僕は本当はグローバル志向強くて、世界中を飛び回ってブリブリ活躍したいんだけど、2子共働きの我が家においては、転勤不可はもちろんのこと、熱海の出張一泊すら承認制である。僕は内示を受けたあとビビリ散らして、震える指で、南無三!と妻にSMSで報告した。すると意外と「まぁ、なんとかなるんじゃない」という優しい返答ではないか。なんで熱海はダメで、カリフォルニアは良いんだ?しかし今回は、なんという理解ある妻。お土産にティファーニくらい、買って帰りたい。円安だけど、為替差損を補って余りある夫婦の信頼関係だ。期限が切れかけたパスポートには穴をあけてもらう。たいしてハンコの押されなかったパスポート。10年で数回しか、使わなかったな。海外出張も5年ぶり。コロナもあったし、何より息子が生まれたのが10年前なのだった。今回のパスポートはもう少し使えると良いな。最近のパスポート申請は、マイナンバーカードで出来るんですね。僕は息子に家で写真を撮ってもらったので、なかなかクオリティの低いパスポート写真になった。手数料16000円也。パスポートセンターの最寄駅で刺身定食を食べる。有線のBGMで19の「すべてへ」が流れてきて感動した。なんていい歌なんだ。2000年リリース。僕は中学1年生だった。当時ジュークの2人は20歳くらいだろうか。ゆずがバンプなら、19はRADWIMPSだった。「君が生きてることが嬉しい。心からそう思う。それだけで生きていける」。いま、知らない20歳のJ-POPアーティストが、そーゆうことを歌ってるのを聴いても、多分37歳のぼくは「こどもだましの、青くっさい歌詞だなァ」なんて思いそうなのに。13歳のころ聴いた歌からは、今でもその歌詞からスーパー高尚な哲学を感じる。ジョンレノンも孔子も及ばない。僕の精神の1番危険な場所を、シンプルな歌詞がストレートに揺さぶってくる。続けているゆずも尊いけど、失われたデュオも尊い。続かなかったからこそ、ひとつの時代を、曲に閉じ込めている。曲を聴くと、あの風景が解凍されるうう。カリフォルニアのイメージと13歳の思い出に挟まれて僕は仕事どころではなくなったが、一応大人なので、15時から気持ちを切り替えてモリモリメールをした。娘を迎えに行って、クックドゥの回鍋肉を作った。洗濯を回して、髪の毛を掃除機で吸い込んで、ようやく現実に戻った。仕事が終わってない。明日は4時起きできたらいいな。1132文字
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