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何気ない「貴方はのんびりしてるから」は私にとっては呪文だったんだ

9年ぶりに実家がある県に帰ってきた。
思ったときにすぐ帰ることができる実家との距離感は、子供ができた今とても安心感がある。一方で、またいつかはこの地を離れることになるので、できるだけ帰省しなきゃと少し気負っている今日この頃である。

そんな中いま、復帰に向けて保活をはじめた。来年の4月には、実家の近くに引越そうと考えて、最寄り駅の選定と通えそうな保育園を探している。

先日、私の車の運転が不安なので母の運転で保育園見学に向かった。そのまま一緒にある保育園を見学して、事務所で話を聞いていたときのこと。
母が、「(筆者である私が)のんびりしてるからこんなギリギリに動き始めて〜」と保育園の担当者に言った。
「のんびりしてたわけじゃないよ」と私は母に言い返した。園の担当者は、ここで親子喧嘩しないでくれと思っただろうなぁ…笑

細かい説明をすると、その保育園がある市町村は“育休明け予約”という独自の制度があり、実質的に保活が他市町村より早くスタートしていた。予約の期限は月末だった。これに気がついたのが見学の1週間前。
確かにギリギリではあったが、のんびりなんかしていない。なんならファインプレーだと言ってほしい。
実家には近いが基本的にはワンオペで子供を見ながら、複数の市町村で保活に挑んでいるのだから…

振り返ると、母や父から度々「◯◯ちゃんはのんびりしてるから」や「不器用だからなぁ」、「のろい」と言われることが度々あった。
確かに初動の遅さは自認しているが、母と父は何の根拠を持って言っていたのだろう。

少なくとも、この数年の私については、どんなことがあり、何を考え、どうやって乗り越えてきたか、離れて暮らしていた母はあまり知らないはずであった。

そうか、根拠はもうないのかもしれない。そして、きっと、母に悪気はなかったのだろう。

親も人である、ということを未だ知らない若かりし頃の私には、呪いとなって作用していた。
けれど、今の私にとってそれは何も意味を持たないただの音だと、今の私は思うことができた。


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