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ご褒美のビーフシチュー


これは過去の話。


たまたま仕事で行ったことのないお店に行くことになった。
そこのおすすめで出てきたのが、このビーフシチューだった。

すごく美味しかったんだけど、ただ仕事で緊張していたのか
あまり記憶に残っていない。

思い出に残っているのは、それから割とすぐ
もう一度食べに行きたいと思い、
仲の良い先輩と食べに行った時のことだった。

前と同じようにパンや、くるくる回った面白いバターが出てくる。

そして、お目当てのもの。

艶々したソースが美味しそう。ついこの間食べにきたばっかりなのに・・・。
そう思いながら、先輩とそれぞれの料理を食べる。

驚いたのは、前食べた時よりもさらに美味しくて
舌と体が喜んでいるのがわかった。

お肉なんて歯がいらないくらいトロットロで、
こんなビーフシチュー食べたことなかったのだ。

以前食べた時よりも、倍以上美味しく感じるのはなぜだろう。。
そう思いながらも、美味しいものがなくなるのはあっという間で
最後のひと口の時は、
「またこれを食べにこられるように仕事、頑張ろう」
なんて先輩に語っていた。

その頃はまだ若くて、仕事もすごく楽しかった。
仕事が好きだった。でも心と体は少しかけ離れていた。
仕事は好きだったけど、その場所や環境には少し心が追いついていなかったのかもしれない。

このビーフシチューは、そんな疲れていた私の未来を少し明るくしてくれた。



あれから約5年ほど経っているかもしれない。
その頃とは大きく環境も変わった。

店の前はたまに通るが、いけずにいる。

次行くときは、どんな時になるんだろうか。

“ご褒美のビーフシチュー。”

楽しみだ。

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