台風クラブ『初期の台風クラブ』 俺的名盤レビュー①
皆さんこんにちは。おかかです。
19歳の音楽オタクです。
5月になって豪雨も起きて、蒸し暑ーいのが続く。
そんな最近。ずっと聴いてるバンドがあります。
そう、それが台風クラブです。
今日は彼等の1stアルバムの感想を。
2017年8月23日に発表された『初期の台風クラブ』。
偶然か必然か気になる「まさに」なリリース日だけど、
晴れの日も雨の日も風の日も、
いつだって丁度よく聴けるのが彼等の魅力です。
ロックンロールやスカを基調とした軽快なリズムと、
地声全開で親しみやすいボーカルの声色、
完璧なほどにまで人懐っこい歌メロ、
そして見たら一発で覚えてしまうこのジャケット。
結構聴いて思ったのは、
このバンド、求心力が半端じゃないです。
というかバンド名から相当インパクトが強い。
例えばアルバムのオープニングナンバーになっている#01『台風銀座』。爽やかなイントロから一変、Aメロからは動きまくるベースとズンチャンズンチャン刻むギターが、何やら不穏な空気を醸し出してきます。
そして間奏ではストーナー的なギターソロが入り、ラスサビではキーがCからC♯へと転調。次から次へと空模様が変化していく、まさに「台風」な1曲です。
『台風銀座』に続く#02『ついのすみか』は間違いなくこのアルバムのハイライトの一つと言えます。
冒頭たった16文字のこの歌詞で、曲の情景がかなり鮮明に浮かんできます。この甘いメロディもコードも、みんなが一回は経験したであろうあのノスタルジアへ誘ってくれます。
そう、もうお気付きかもしれませんが、台風クラブは歌詞における情景描写が天才的です。
それはすごく映画的で説明も少ないけど、曲における登場人物の心情までもがすごく鮮明に伝わってきます。リスナーはまるで台風クラブの作ったミニチュアをずっと見てるような、それだけの没入感があります。
キーがGからDへと転調する美しいソングライティングに乗せる、このやるせなさや切なさ。女性コーラスのオブリガートも琴線に響いてきます。
その後も#05『相棒』での大胆な転調もありますが、台風クラブはノンダイアトニックメロディやノンダイアトニックコードを使うのがとにかく上手いです。部分転調的なやつです。
かなりの頻度で出てくるのにくどさもないし、「オールディーズあるある」的で予定調和的な使われ方もないのがかなり凄いなって感じます。
個人的に感じた彼等の魅力はこんなところでしょうか。
視覚にまで訴えてくる鮮明な歌詞描写と耳馴染みのいいグッドメロディ、そしてユニークなコード進行を実現するアイデア豊かな音楽的素養。
凡そスリーピースとは思えないほどの圧倒的な描写力と、それを再現できる確かな演奏力が彼等の強みだと思います。
「昔のロックをやっているけど、古臭くない」みたいな批評、台風クラブをはじめとしたルーツ色の強いバンドには使われすぎてて相当飽和してる気がします。台風クラブもそのせいでうまく魅力が伝わらなかったらいやだなって思います。
だから今回俺は描写力って表現しました。それかミニチュア力。ミニチュアとかクレイアニメのMVあったら抜群にはまると思う。
最後にアルバムの最後を飾る#10『まつりのあと』でお別れ。ライブではリード並みに動くボーカルギターと、楽器隊全員できるコーラスが魅力。
この曲自体としても、歌詞の情景描写が本当凄い。
このアルバムを勧めてくれた友達に感謝!
この夏は台風クラブと過ごしてみてはいかがでしょう。
それでは。
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