日陰者にロックは鳴る

成人式に行ってきた。

小学時代はあんま周りと馴染めずいい思い出が少なかったから行きたくなかったんだけど、誘ってくれた友達の気持ちに応えるためだけに、行ってきた。

ほんとそれだけ。

ライブなんかより全然緊張した。終始「もう一生しないから、もう一生こいつらと関わらないから」って言い聞かせるのに必死だった。


むかしのこと

式が終わると、小学校の頃のまんま、サッカー部だったやつらが中心になって馬鹿騒ぎしてた。俺もまた小学校の頃のまんま、その輪に入ることができなかった。

今思い返すと俺はいつもクラスの端っこにいて (友達はそれなりにいたけども) 、毎日レゴとゲームとインターネットに浸かってた。

音楽やってなかったにしろ、やっぱ当時から俺はオルタナティブな生き方だったんだなって。というかは、多分そうならざるを得なかった。初めてギターでGコードを鳴らしたあの日まで、俺も俺で鬱屈した感情や自意識を山盛りに抱えてたんだろうな。

みんなと仲良くはなれなくて、バカになれなくて、能天気ではいられなくて、馴染めなくて、そういうぐるぐるに絡まった複雑な感情がずっと心に溜まってた。

なんかそれを思い出してしまって、写真撮影時はもううまく息ができなくなってしまった。


いまのこと

「変わったね」「アーティストみたいになった」って会う人々に言われた。俺的にはむしろ、良くも悪くもみんなが変わってなさすぎた。背丈と声以外。喋り方もテンションも髪型も私服のセンスまでも、みんな変わってなさすぎだろう、

でもそれが今の俺にはつらすぎた。

俺だけが独り何処かに突き進んでしまった、俺だけが独り変わり果ててしまった、そんな感覚が止まらなくなって、ここじゃ自分がバケモノか宇宙人なんじゃないかとすら思えてきて。


けつろん

そんなこんなで、終始結構複雑でした。楽しかったような楽しくなかったような、過去の清算ができたようなできなかったような。お世話になった友達とか先生に挨拶できたのは本当によかったけど。未だに感情がまとまらないです。

俺はバケモノで宇宙人でしょう。少なくとも、地元の小学校でみると。なら、もうバケモノ宇宙人レベルを極限まで極めてやろうって思う。多分俺は、加速度的に変わり続けるべき人間。バケモノになって宇宙人になったなら、幽霊にでも、ドラゴンにも、んで10年後には神にでもなってやろうか。

今年は音源リリースしたりライブツアー回るよって報告はできたんだけど、で実際「すごい!」って言われたりもしたけど。まだまだこんなもんじゃないって感じてる。メジャーデビューでもしないと、俺はまだ小学時代の自分を報いてやることはできない気がする。というか、メジャーデビューするよ。


何もねえニュータウンで、全然晴れない富山で、全然馴染めない教室の隅で、俺は確かにロックの原料をこしらえ続けてた。


バンドを本格的にやっていく前に思い出せてよかった。

そう、ロックはいつだって俺たちバケモノに、宇宙人に、日陰者に鳴るよ。


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