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ゲームクリエイターへの7歩目

 前回の投稿から、気がつくと2ヶ月以上も空いてしまいました......

 去年から取り掛かっていた「ダークブラッド2」の制作が大詰めだったので、完成したら書こうと思っていたのですが、あの機能を付けたい、ここは改善したい、とやっているうちに気がつけば4月。当初のリリースからなんと3ヶ月も遅れてしまいました。

 開発スケジュールは余裕をみておかないといけませんね。開発に半年かかると想定したなら1年と告知、開発1年と想定したなら1年半くらいで告知するのがいいのかもしれません。リリースが延期されると失望されますが、予定より早くリリースできれば喜ばれるわけですし。

 ええと、話が逸れてしまいました。前回どこまで書いていたでしょうか。確かUnityの存在を知り、2作目は自分で制作してみようと決心したところまででしたね。

さっそくUnityで作ってみた

 Unityの存在をようやく知った私は、CROSSのリリースから数日後、Unityのマニュアル本を購入し、自力でゲームを作ってみることにしました。CROSSはただの発注者でしかありませんでしたが、ゲーム開発に製作者として関わりたいと思ったからです。

 作りたいゲームのアイデアは山ほどあります。でも今の実力ではそれらを作ることができないのは明白です。(登りたい山はたくさんあるけど、いきなりエベレストを登るのは無理なので、まずは近くの標高100mの山を登る、みたいな感じですね)

 そこで、2作目は売れる売れないは別として、自力で作れるシンプルなゲームにしよう、と思いました。そして思いついたアイデアを形にすべく、Unityのマニュアル本を読みながら悪戦苦闘すること2週間、ついに初の自作ゲームが完成したのでした。

構想3時間、制作2週間。記念すべき自作ゲーム「アストロボーズ」爆誕です。

 Unityという素晴らしく便利なゲームエンジンのおかげとはいえ、自分の力でゼロから作ったものがちゃんとスマートフォンで動いた時は、正直感動しました。ああ、自分でもゲームを作れるんだ!と。

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ちなみに「アストロボーズ」は宇宙を舞台にしたアクションゲームで、操作は画面をタップするだけというシンプルなもの。タップすればキャラクターが上へ移動し、放っておくと重力で下がっていく。隕石などを避けながらアイテムをとってスコアを競う、というものでした。

どうでしょう?......正直なところ、あんまり面白そうじゃないですよね。

 ぶっちゃけ、作っている私自身も「これ面白くないよな......」って思ってました(笑)そもそも売れる売れないは別として、自力で作れるシンプルなゲームにしよう、というコンセプトでしたから。
(実際、ダウンロード数も1桁しか行かず、2年間くらい放置していましたが、やがて新しいプラットフォームに対応できなくなり、今はストアからも削除されています)

 これはゲームに限らず全ての創作に言えることだと思うのですが、自分が作っていて面白くないと思うものは、世間から見ても絶対に良いものにはならないです。(かといって、この世で一番面白いと思っていたからといって、絶対に面白いゲームになるとは限らないのが難しいところ)

 じゃあ、ゲームを作ったことに意味はなかったか、というと、全くそんな事はありませんでした。

 出来上がったゲーム自体はさほど面白くなかったですが、ゲームを作ることはとても新鮮で楽しかったですし、何よりもゲームを生み出す苦労を少しでも味わえたことは貴重な経験になったからです。

作ってみて悟ったこと

 では、理想のゲームを作るために、これからコードを覚えたり、Unityを使いこなせるようになるべきなのか。正直なところ、ゲームをゼロから作ってみて、改めてそれはハードルが高いものだとわかりました。

 現時点では、初めての製作とはいえ、この程度のゲームを作るのに2週間もかかってしまうような状況です。

 でも私が本当に作りたいゲームは、本格的ファンタジーRPGだったり、シミュレーションゲームだったりと、おそらくこの数十倍も、ひょっとしたら数百倍にもなるかもしれません。

 この先、もっと勉強してこの規模のゲームなら3日で作れるくらいの技術が身についたとします。でも私が本当に作りたいゲームが、仮に100倍のボリュームとすれば単純計算で300日、つまりほぼ1年です。

 世の中には、何年もかけてプログラムからグラフィックまで全部自前で作る人がいます。正直、憧れます。でも私にはそんな真似はできないだろうということを、今回悟ってしまったのです。

 それは私が生来の飽き性で、根気強さとは真逆の人間だから、というのもありますが、一番のハードルは、ゲーム製作に費やせる時間があまり残されていないということです。

ゲームクリエイターのタイムリミット

 ここで言う時間というのは、製作に費やせる日々の時間のことではなく、もっと大きなスケールの、いわば人生において残された時間のことです。

 こんな書き方をすると、まだアラフォーなのに......と思う方もいるかもしれません。でも人生100年時代と言っても、60代、70代で今と同じようにゲームを作り続ける自身は正直ありません。
 それは単純に体力が衰えるからというのもありますが、ゲームに限らず創作活動にはゴールデンタイムがあるのでは、と思うのです。

 暴論と思われるかもしれませんが、世に認められたクリエイターのほとんどは、50歳までに代表作を生み出しているように思えます。
 みなさんが好きな映画や漫画、ゲームなどの原作者が、その作品を公開した年齢を調べてみてください。おそらくそのほとんどは40代までに世に出されていませんか?
 (例外としてアニメ界の重鎮、宮崎駿御大は56歳で「もののけ姫」、60歳で「千と千尋の神隠し」などを生み出していますが、個人的には40代で作ったナウシカやラピュタのような作品の方が、エンターテイメントに徹していて好きです)

 人は歳をとると感性が衰えていく、というような単純な話ではなく、年齢を重ねて立場も変わり、酸いも甘いも経験して世の中のいろんなことが見えてきた結果、若い頃のように、熱量の塊のような尖った作品を作ることを無意識に避けていくのではないかと思うのです。(単純に、体力の衰えから若い頃のような熱量をぶつけられなくなるというのもあると思います)

 そんな根拠から、私は50歳までが創作のゴールデンタイムだと(勝手に)思っているのです。

 もちろん50代、60代で第一線で活躍しているゲームクリエイターの方もいますが、そのような方々は、ゲーム黎明期から死地をくぐり抜けてきた歴戦の猛者なので、一兵卒と同じ土俵で語ってはいけません。

 映画は総合芸術だ、とよく言われますが、ゲームもグラフィック、音楽、シナリオ、などがセットになった現代の総合芸術だと思います。それゆえに、求められるスキルは多いですし、ゲームの進歩はテクノロジーの進歩に比例するので、常にアンテナを張らないといけません。

 そんな世界で40歳からゲームを作り始めた周回遅れの素人が、ゼロから勉強していたらどうなるでしょう。おそらく実力がついた頃には、すでにゴールデンタイムが終わってしまっていると思います。

 だからなんとか、自分が作りたいゲームは、40代で全部リリースしたい。
そんな願望もあり、私の場合は一つのゲームに何年も時間をかけるわけにはいけないのです。

製作チームとの出会い

 私がこれから目指すべきゲームクリエイター像は、グラフィックからプログラムまでをこなすオールマイティタイプではなく、いろんな人の力を借りてゲームを作り上げていくディレクタータイプしかないです。
そうなると、まずはパートナー探しが重要になってきます。

 自力でゼロから作ったと言った「アストロボーズ」ですが、実は一部の作業を手伝ってもらっていました。恥ずかしながら、広告の実装やビルドのやり方が、当時は全くわからなかったのです。
 そこでCROSSの時と同じくクラウドワークスで協力してくれる方を募り、数社が手を挙げてくれた中で、最もゲーム製作に熱意を持っているところにお願いしたのでした。

 そのついでに、自分で実装したくてもやり方がわからなかった機能なども追加でお願いして、結局5万円くらいかかったのですが、担当のYさんがゲーム作りに熱い想いを持っている方でした。
 雑談ついでに詳しい話を聞いてみると、Yさんたちは会社組織ではなく、ゲーム作りのノウハウを持つ人材が集まった製作チームだということがわかりました。

  この人たちとなら、いいチームを組めるかもしれない。そう思った私は、次回作でも製作をお願いできないか相談しました。

 するとYさんも、自分たちでゲームを作ってみたが上手く行かない、ならば次回作は外部からアイデアを取り入れてみようと思っていたらしく、そこからトントン拍子に話は進んで行きました。
 そして次のゲームプロジェクトでは、私がアイデアを考えてYさんたちのチームがそれを製作する、報酬は最低限に抑えてもらいつつ、ゲームが売れた場合には、その売り上げからボーナス(レベニューシェア)を支払う、ということに決まったのでした。

 










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