妻の葬送記を小説化しました。死んで20年になります。私も老いました。気がついたら87歳になっていました。コロナもやって来ました。先に何が来るか分かりません。だから疎開を体験した貧…
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#エッセイ
小説「芙美湖葬送」読み切り版
心静かに死なせたかった
昨夜も、主治医とは、二回目の器官挿管をどうするかについて話し合った。肺炎菌や、緑膿菌の他に、さまざま細菌が肺を侵しているから、もう自己呼吸が出来ない。器官挿管して、人工的に酸素を送るしかない。
しかしそれも一週間が限度である。
挿管と接触した部分に炎症が起きるから。一週間したら抜管して、新しいパイプと取り替えなければならない。その時にまた苦しむ。その苦しみを見てい