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芙美湖葬送―芙美子は芙美湖に還った。

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妻の葬送記を小説化しました。死んで20年になります。私も老いました。気がついたら87歳になっていました。コロナもやって来ました。先に何が来るか分かりません。だから疎開を体験した貧…
小説の背景は、東京大空襲、疎開、田舎での苛め、家庭内差別、脱出願望、ちゃぶ台一個・リンゴ箱式箪笥と…
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#疎開

小説「芙美湖葬送」①読み切り版

小説「芙美湖葬送」①読み切り版

病状記録用「短歌もどき」:短歌の素養なし。中学生時代に若山牧水とか石川啄木が好きだった。やはり金持ちには当時から縁が薄かったな。

骨髄を胸から抜きし後重し乗せて妻は泣くなり 14.8.14

これは平成14年8月14日の「短歌もどき」です。

妻は10月29日にはこの世を去った。妻の容体を手帳に書きまめるために中学時代に習った短歌を思い出した。これなら要領よく状況も伝えられる。いわば病人看護観察

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