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結果よりも過程を褒めることができない人におすすめの本『ひとつのケーキとアート思考』

子育て本を読んでいると
よく目にする言葉がある。
結果よりもその過程を褒めなさい」

これはエビデンスもある事実。
結果ばかりを褒められると、
結果が出なければ自分には価値がないという
自己肯定感が低い子になってしまう。
そして失敗が怖くなり、
挑戦、行動しない子になる。
さらに、
どうしたら褒めてもらえるかと
大人の顔色を窺い、
本当に自分がしたいことを見失う。

逆に、結果ではなく、
そこに至る過程を褒めてもらうと、
失敗を恐れず好きなことにトライできる。
トライすることや、頑張っている過程に
価値があると思っているから、
うまくいかなくても努力した自分を
認めることができる。
そしてまた新たな挑戦を始める。
そんなふうにして、
自分が好きなことをして
人生を過ごすことができる。

どちらが幸せかは一目瞭然だ。

社会に出れば、
そうは言っても結局結果が
求められるのだが、
それならせめて
好きなことをしていたい。
好きでやっているなら、
たとえ結果が出なくても
次はもっと頑張ろう!
と踏ん張りがきくし、
何よりその過程が充実感を
もたらしてくれるから。

となれば、親としては
結果よりも
過程を褒める育児をしたい。

ところがそれって想像以上に
難しい!
子供が絵を持ってくれば、
「上手に描けたね〜」
と半を押したように言ってしまうし、
我が子が100点を取ってくれば
「すごいじゃん!」
と喜び、
60点の時だとなんとなく
がっかりしてしまう。
ピアノでもバレエでも、
発表会ではその出来具合を周りの子供たちと
比べずにはいられない。

そしてふと
結果より過程を褒めなきゃと
思い出し、
「れ…練習頑張ったもんね!」
と取ってつけたように声をかける。
そんな覚え、ありませんか?
私はまさにそんな日々。
そんな私に目から鱗のアイデアを
授けてくれたのがこの本だ。
『ひとつのケーキとアート思考』

私がこの本を知ったきっかけは
幼い女の子がたくさんの色を
自由自在に操り、
動物たちを色鮮やかに描く様子を
インスタのリールで見たこと。
Sayaちゃんというその女の子が
描く絵は、見ているだけで
物語を1冊読み終えたような
満足感を味わえる。
暫くの間、彼女の描く絵の
世界に引き摺り込まれてしまうのだ。

それらの絵を描いていた女の子の
お母さんが、この本の著者である
池澤摩耶さん。
元外資系投資銀行トレーダーの方で、
バリバリの理系だそう。
おいしそうな題名と
たくさんの『青』を
使って描かれたキリンの絵の表紙に
魅了されて本を開いた。

結果ではなく過程を褒めるための
キーワードは『ひとつのケーキ』

ケーキというと、普通は
誕生日や何か喜ばしい結果が
でた時のお祝いに
買ってきてもらえるもの。
だが摩耶さんは、
ケーキをなんでもない日に
買うことを勧めている。
なんでもない日というのは、
何か特別な結果が出たわけでは
ない日ということ。

たとえば、学校や英検などを
受験をした子がいたとしたら、
その結果、合格をもらった日ではなく
受験勉強を終えた日に
「頑張ったね!お疲れ様!」
とケーキを食べる。

または、
何かをいつもより
集中して頑張っていたなと思ったり、
今までしたことのないことに
トライしていたのを見たり、
その子にとって
大きな一歩を踏み出せたり、
そんなふうに
”お祝い”とはちょっと違う
なんでもない日だけど、
頑張っている過程を見つけた日に
ケーキを食べる。

これってすごいアイデアだと思う。
なぜなら、
これは子供が結果を出すまでの
普段の様子(過程)にスポットライトを
当てており、
そこを見ることによって自ずと
結果だけに注目しなくなるからだ。
しかも、
ん?と思ったそのタイミングに、
ケーキを買ってくるだけ。
とっても簡単だ。

「いやー、今日すごく真剣に
部活やってるところを見かけたからさ、
お疲れ様のケーキ!」

「明日のテスト頑張ってね、
これだけ勉強したんだから
リラックスしてやるだけだよ!
ケーキ買ってきたから食べよ^^」

こんなふうに、
ケーキを出すタイミングを
変えるだけで、
結果ではなく
過程に注目できるようになるのだ。

もしその後に
素晴らしい結果が出たのであれば
もちろん思いのままに褒めればいい。
その時にはきっと
過程を含めて見守ってきた
重みのある声かけができるから。

なんでもない日にひとつのケーキ。

意識してみると
我が子に関して
見える景色が変わるかも。








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