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「昭和喪失~谷根千入り口の再開発」

着地型観光の先進的な地域である「谷根千」は、荒川・台東・文京区の区界。その人気は、1984年に地域情報雑誌『谷根千』が発刊され、町を歩く人々が増えたことによります。そして、玄関口とも言われるのが「夕やけだんだん」。1990年に地元が公募した名前が、すごく町になじんでいます。

今、「夕やけだんだん」が再開発によって、大きなうねりに襲われています。日暮里駅から御殿坂を上り、「夕やけだんだん」に向かう左の坂道を七面坂。まさに、この階段と坂道に囲まれた一角がどんどんと更地になっています。
風情のある建物が、谷中銀座商店街入口に彩りを添えていました。しかし、逆に見通しの効く空間に変貌しています。大きなマンションが建つのであろうか、映える景観も一気に変わってしまいます。また、七面坂とは逆側の旧富士見ホテルの辺りも再開発が進んでいるのです。これだけの理由ではありませんが、古き時代を知っている住民からは「谷根千」離れも聞かれるようになっています。

防災の観点から「谷根千」は再開発の対象になっているとも聞きます。そのことによって、「夕やけだんだん」だけでなく「谷根千」全体が揺れています。それは、「土」である古き ヒト・モノ・コトと新しくやって来た「風」の融合がうまくいっていないことに起因しているのでしょうか。防災か保存か、次世代につなげる「風土」づくりが大きな課題です。

また一つ、こどもの頃の遊び場が無くなっていく、これも昭和喪失でしょう。

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