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自販機として生きる

 兄も兄だ。何も、自分が飲むお金で買ってやることもないのに。第一、そのコーヒーを本当に飲むつもりなのか。子供にはいくらなんでも早すぎる。

 ふだんは絶対に当てないデジタル・ルーレットを、わたしは全部「7」に揃えてやった。
「えっ?!」兄は口をぽかんと開けて数字を見つめる。「あ、当たっちゃった。当たっちゃったよ」
 今度こそ、欲しい飲み物を買うといい。まったく、むかつく。
 
 自販機王にわたしはなるっ!
 それがこの人生における最大の目標である。
 けれど、まだまだ駆け出しの半端者だ。

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