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ネット通販で、面白そうなパズルを見つけた。 〔ルービック・キューブはもう古い! バラ…
公園をうねうねと延びる、レンガ敷きの小路。いまはすっかり枯れて明るいスズカケノキの森の…
このところ、町では不気味な噂がささやかれていた。真夜中の2時になると、どこからともなく…
わたしは冬ホタル。冷たい夜の空気の中をフワフワと漂いながら、世の中のあらましを見て回る…
テレビは、どのチャンネルでも「ゾンビ襲来」のニュースで持ちきりだった。 「各地で発生し…
おかもち片手に、ふらふらと自転車を走らせて来てみれば、そこは見渡すかぎりの原っぱだった…
「1番線に各駅停車、新宿行きが参ります。危ないですから、黄色い線の内側におさがり下さい――」喧噪の中、構内アナウンスが流れてきた。 「ねえ、むぅにぃ君」ホームの黄色い点字ブロックを見つめながら、志茂田ともるが声をかけてくる。「いったい、『内側』というのはどちら側なのでしょうね」 「えっ?」思わず、聞き返してしまった。この古い友人は、わたしの何十倍も読書をこなし、さらに的確な判断を下すことで知られている。その彼が、いまさら何を言い出すのか。 「いえ、もちろん、わかってはいるので
連日の雨で、洗濯物が干せずに困っていた。このままでは、着るものがなくなってしまう。 「…
最終電車を降り、駅から家へと向かう。ふと月を見上げると、満月がくびれて歪んでいた。 「…
真っ暗闇の中で、わたしは息を潜めてじっとする。 (怖くない、怖くない。目をつぶっちゃお…
わたしは、中谷美枝子の家に向かっていた。これから一緒に、内職をするのだ。 モニター付…
向かいのビルのデジタル時計は、0:27と表示していた。 寒空の下、わたしはは半袖短パンの…
深夜過ぎ、桑田孝夫の誘いでふらりと入った映画館。 「いまどき珍しいね、オール・ナイトだ…
「3」の付く日は縁日だ。 この日、中谷美枝子と志茂田ともるの3人で繰り出していた。 「屋台を眺めているだけで、なんだかワクワクしてきちゃう」中谷が、目をあっちへこっちへと移しながら言う。 参道の石畳はとりどりの光に彩られ、ごった返す人々で賑わっていた。 「氏神様の境内って、ふだんはしんと静まり返っていて淋しいのに、まるで別の場所に来ちゃった気がするね」わたしも、鼻をふんふんと鳴らしながら言う。焼きそばのソース、たこ焼きの小麦を焦がした匂いがプンプンと漂い、それらが入り交