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不登校  〜 家庭教師 〜

息子が小学5年生から学校へ行くのを嫌がるようになった。

小学校の頃は嫌々勉強をすることもあったが、中学になってからは全く勉強しない日が続いていた。

中1の終わり頃、少し焦ってきたのか息子から塾に行きたいと言い出した。

でも、塾も学校と同じで『行きたいけど行けない』という日々が続き、外ではなく家だったらできるのではないか?となり家庭教師に来てもらうことにした。


家庭教師の先生は私よりも年上で男の人、息子は気に入るのか?と心配した。(今までの担任の先生で好きだったのは年配の女の先生だった)

「リビングで勉強をしたい」と言っていたのでリビングで待ってもらうことにするが・・自分の部屋から出てこない。お茶を出し、私が座り、話を始めた。

学校へ全く行ってない今の状況、勉強の進み具合、どんな生活を送っているかなど、知ってもらった方が良いと思うことをいろいろ話した。(不登校サイトから探した家庭教師の先生だったので、状況は大体把握してくれていた)

そして、『30分待っても出てこなければ、その日は終わり』ということにした。

2回目の時も同じように出てこれず、先生から「もう少し時間をおいてみたらどうですか?今のままではお母さんのカウンセラーになってしまいますよ」と言われてしまう。(先生は今までいろいろな職業につき、いろいろな経験をしている人だった。カウンセリングの勉強もした事があるそうで、息子に適任ではないか?と言うことで選ばれたようだった)

息子に「無理なら一度やめようか?」と聞くと「次はやるから」と言う。

とりあえず、もう一度だけ来てもらうことにした。

そして、やっと先生と勉強をする事ができた。比較的得意な算数から始めることにした。(先生は、どの教科でも見てくれるというかなり優れた家庭教師だった)

その後も、出てこれる日もあれば、出てこない日もあった。生活がめちゃくちゃだったので、寝てしまっていた日もあった。そんな日はキャンセルの電話を入れた。

月に1、2回しかできない。でも、始めはその時間しか勉強をしなかったのに、だんだんと他の時間にも勉強をし始めていた。「1人ではやれない、やりたくない、でもどこか行くのは嫌だ」と言うので私が先生になり、やり始めることになった。

息子は、部屋から出てくるまでに時間がかかるので、先生と話をする機会がたくさんあった。先生は接客業をしていた事もあり、いろいろな経験をしていた。「こんな世界もあるのだな」と話していて楽しかった。息子にも聞かせてあげたい、とよく思った。

息子のことを相談してしまうこともあった。今までにも息子のような子を受け持った事がある先生はいろいろな子の話をしてくれた

せっかくこんなに素晴らしい先生に来てもらっているのだからもったいない、息子が勉強できないなら、代わりに勉強の方法や進め方のアドバイスをもらったり、私と息子で勉強をして分からなかった問題を教えてもらったした。

この頃の私は先生と話をすることで穏やかに過ごせていた。勉強についていろいろ話すことで安心できたのかもしれない。(この頃は学校へ行けない、と言う問題は全く頭になく、中学卒業後にどんな道を進んでいくのか、どうすれば良いのか、と言うことを悩んでいたのかもしれない)

旦那は単身赴任でいない。息子のことを話そうと思っても連絡が取れなかったり、メールしておいても、ろくに読んでいなかったり・・そんな感じだったのですっかり先生を頼りにしてしまっていた。

中学卒業で終了することになったが、息子以上にお世話になってしまった。でも、先生でなければ100%務まらなかったし、やめてしまっていたと思う。こんな先生がいるということもすごいし、出会えたことに感謝しかない。

毎週毎週、ちゃんと先生が来てくれたおかげで、勉強のやる気が出たのかな?と思っている。毎日代わり映えのない日が続いても、その曜日だけはちょっと特別な日になっていたから。







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