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不登校 〜中学3年間 学校へ行かずに卒業〜


息子が小学5年生から学校へ行くのを嫌がるようになった。行ったり行かなかったりで小学校を卒業した。

カウンセラーから「初めての場所は嫌かもしれないので、中学校を見学させてもらうと良いかもしれません」と言われ、春休みの間に中学校の見学をさせてもらうことにした。中学校の制服も揃えた。

さあ、これから中学生。今までの小学校の子と他の小学校の子が集まってくるのでかなり人数も多くなる。今までは狭い世界だったのが少し広くなる。

気持ちも新たにまた学校生活が送れるかもしれない。そんなふうに思っていた。

そして迎えた入学式

ちゃんと行けた!!

他のお母さんから「〇〇君、来れて良かったね」と声をかけられた。私も本当に嬉しかった。『中学生になったんだ』と。

しばらくは順調だった。でも、2週間もしないうちに・・・また行かなくなった。

「手紙を書いたら学校に来たから、またみんなで手紙を書きたい!」と同じ学校だった子が担任に言ってくれたようだ。でも、クラスの中には息子を知らない子もたくさん・・結局なくなってしまった。

中学生になると公園で遊ぶ子はいなくなる。自分のことだけで精一杯な生活。どんどん友達とも距離ができて、遊ぶことはなくなってしまった。


高校受験のためには中学2年生からの内申点が必要、と聞いていたので1年のうちは無理して学校へ行かなくても大丈夫かな?と言う気持ちもあった。でも、自分で何かやりたいことを見つけたり、勉強したりしなければ中学は卒業できてもその後の道がなくなってしまう。という焦りはあった。

そんな気持ちをわかっているのか、息子の生活はどんどんひどい状態になっていった。勉強など全くせず、ゲームばかり。昼夜逆転、外にも行かない、お風呂も入らない。そんな生活が続いていた。

スクールカウンセラーと話をすると今の状態は『中学になり行かなければいけないというプレッシャー、始めの頃行けたのに行けなくなった挫折感。色々な気持ちでペースが乱れているのではないか』と言われる。

塾は週2回、行き続けていた。でも、中学になりかなり人数が増えて雰囲気が変わってしまったようだ。それが嫌で4月末から徐々に休むようになっていった。

今どうしたいか息子に聞くと、「サッカーをしたい、勉強はしたくない、塾もやめたい。」と言った。こんなに素直に言われたら「勉強しなさい!」なんて言えない・・

***

中学2年生になり徐々に焦りが出てきたのか少しずつ勉強をすることが増えてきていた。結局、自分で考えて『このままではダメなのではないか?』と思い始めなければ、いくら言っても変わることはない。と改めて感じた。

勉強をやり始めたり、プログラミングに興味を持ったり、少しずつ動き出していた。元気を取り戻してきたようだった。でも、中学校へ行くと言う話には全くならなかった。


「高校へ行きたい、そして大学にも行きたい」と息子は言っていたが結局2年になっても3年になっても学校へ行けなかった。内申点はない。どんどん道は狭くなっていく。でも、行けないのだから仕方ない。

でも、通信制の高校という道もある。高卒認定をとって、大学を受験することも可能。

行けた方がいいけど、行けないのに無理に行かせる必要はない。そんな気持ちで過ごしていた。



その後1日も通う事はなく卒業式を迎えることになった。

卒業式の日に私が卒業証書をもらいに行き、中学を卒業した。

あっけなかった。この3年間、学校との関わりはあまりなかった。私がスクールカウンセラーのところへ定期的に通っていただけだった。家でどう過ごしているか、ということだけは報告していた。


中学校に在籍していた。それだけで進級も卒業もさせてもらえた。でも、これからはそういうわけにはいかない。義務教育が終わるということはここからは自由。ただ、自由な分、道はない。自分で道を探していかなければいけない、ここからは厳しい。きっと息子もそれはわかっている。これから息子がどうしていくのか温かく見守っていこうと思う。








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