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恋愛弱者というコンプレックス~彼女がいなかった事実を偽装していた自分~

こんにちは、宙船の歌詞「船は挑み~♪船は傷み~♪」を聴くと、「空港~♪」と合いの手をうってしまうムーディです。

動画を見た方、時間を無駄にさせてすいませんでした。


1.恋愛弱者だった自分


突然ですが、私は恋愛弱者として25年間生きてきました。

「いやいや、恋愛弱者って何やねん?!」

はい、これは私の造語です。

、、、と思っていたけど、ネットの検索にも結構ヒットする。恐らく、

「○○弱者」という言葉が多い故に、「恋愛弱者」という言葉もみんな思いつきやすいのかも知れない。

(ちなみに「バーニング靴下」という私の造語はネットでヒットしなかったから、私が産みだした言葉ということでよろしく)


私が定義する恋愛弱者とは、以下の通り。

モテないこと。または恋人を作ろうとしても作ろうとしなくてもできない様子。作り方が分からない人。


私は振り返れば25年間、恋愛弱者だった。つまり、彼女いない歴=25年だったのだ。

じゃあ、ずっと欲しくなかったか?といわれるとそうではない。

ずっと欲しかったのである。

幼稚園の頃から恋をして、小学校の頃も恋をして、中学校のときも、高校のときも大学のときも恋をしたのである。

でも、恋人ができることはなかった。

「あなたが行動しなかっただけじゃない?」

そんなことはない。行動したときもあった。

「あなたの行動がいけなかったんじゃない?」

確かに家から電話で告白する際に、家族に聴かれるのが恥ずかしくて、風呂場でシャワー流して声をかき消そうとしたことははもしかしたら相手は

「え、この人シャワー浴びながら告白してるの?」

と思わせたのかも知れない。家族にも多分ばれてたし

あえて、ここでは行動する、しない、行動の内容の善し悪しはさておき、上の定義に当てはまる場合を「恋愛弱者」と呼ぼう。繰り返すが私は恋愛弱者であった。


2.中学時代、テニス部の実力上位陣が彼女できはじめ焦る

小学校の頃からモテなかった私だが、このときはまだ焦りはなかった。なぜなら、周りもほとんど彼女がいなかったからだ。自分がマジョリティだと不思議と焦りはない。

だが、中学時代、私の所属していたテニス部の実力上位陣がどんどん彼女ができはじめる事件がおきた。

私は行っていた中学の中の同じ学年の中ではテニスの実力は平均より上だったので、彼女ができたことなかった私はその中でマイノリティになってしまう。

「どうしよう。俺も彼女欲しい」


このときの自分は恋人をファッションか何かと捉えていたのだろうか。ひどい考え方である。

肌寒い季節に変わり、CMではケンタッキーのCMが流れ始める。この時期のテレビドラマの最終回はクリスマスツリーの前で告白&キスシーンの有様。(10~12月のドラマ最終回あるある)

でも、当時から彼女ができる気配がなかった私は焦り出す。その割にはポジティブなところもあり、12月25日のクリスマスに親から

「予定ないの?」

と聞かれて、

「夜まで分からない」

と答えて、

そのまま夜になり、家族と晩餐するということを繰り返していた。


そして、彼女がいない自分をよそ目に、恋人と楽しそうにしている人たち。バレンタインデーも楽しそう。靴箱と机の中をワイパーのごとく手を動かした私が落ち込み家に帰るのは、バレンタインデーの風物詩であった。

そして、ついに私はとんでもない行動に出始める。。。!!!


3.架空の彼女、その名も「竜崎」

周りのテニス部の友達に彼女ができはじめることに焦りを感じ、ついに中2の頃に架空の彼女を爆誕させる。その名も「竜崎」。

このとき、デスノートにはまっており、原作に出てくる名探偵「L」が偽名として使っていた名前から、架空の彼女を生み出した。

その彼女の設定が以下の通りである。

「竜崎」設定 ・茶髪で北川景子似 ・明るい、面白い ・同じ絵の習い事に通っている ・絵がめちゃくちゃうまい

設定には書いてあるが、実際に私は幼稚園~中学生まで油絵の習い事をしていたのである。


同じ中学校にその習い事に通う人はいなかったのでどうせバレへんやろ、と堂々と偽装。高校時代に書いていたアメフトの小説に出てくるヒロインもそうだが、なぜ容姿を芸能人に寄せてしまうのか。(詳しくは以下のリンクから)

そしてその架空の彼女と私の関係の設定が下の通りである。

11月25日に竜崎に告白されて付き合う。週一回ある習い事で会うこと以外は会わなかった。12月25日の習い事であるクリスマスパーティーにて、サンタの格好してハイテンションで踊っていたところ、竜崎に突然呼び出されて振られる。

架空の彼女に告られる、というなかなか攻めたな設定にした私。

自分で自分につけたあだ名はクリスマスハートブレイカー。

偽装の彼女に早々振られる設定を作った。理由は「彼女がいた事実が欲しかった」言い換えれば、「彼女ができたことがある人間に見られたかった」ということである。

「今彼女いるんだぜ!」

という嘘は絶対ぼろがでる(「えー、写真見せて」とか「最近いつ会ったの?」みたいな質問でぼろがでるから)。だが、過去にいたことにすれば、相手はそれ以上追求してこない。そして、1ヶ月で別れたことにすれば、自身の恋愛経験のなさが露呈しても「1ヶ月だから」と言い訳できる。

中学2年生ながら、

「ナイスアリバイ!」

と思い、嘘を言い続ける。

嘘をつきながらも、実はまだ心の余裕があった。なぜなら、中学校全体で見れば、まだ恋人がいないことはマジョリティだったから。

「嘘もいつか真実にしてしまえばいい」

そう思った自分はこのときついた嘘をまだ軽く見積もっていた。


4.少しずつマイノリティになっていく自分

高校に進学する。新しい世界。新しい出会い。

初対面で仲良くなるにつれて、生まれる「恋バナ」という話題。

私はここでも「中学2年のときに1ヶ月彼女がいた」という嘘をつく。このときは気づかなかったが、


新しい新生活と共に、高校生なら自然に彼女ができるという幻想を抱いていたが、まだこのときは余裕があった。彼女がいない人も半数。地元の同窓会でも高校で彼女がいる人は全体の半数程度。

「自分はまだまだマイノリティじゃない。そのうち彼女もできる」

自分なりに行動もしたが、結局彼女はできず。

それでも

「大学に入ったらできるさ」

と心に言い聞かせ、大学へ。

大学に行き、それでもまだ私と同じように彼女がいない人はいた。アメフト部では童貞ということでいじられて、気づけば「チェリーズ」というアメフト部の童貞集団のリーダーにされたこともあった。

そして、「ムーディに童貞卒業したこと言ったら怒られるから内緒にしようぜ」というガセもなんか流れた。怒らへんわい。

それでもまだ俺は大学で彼女はできるはず。

そう思って、大学生活を過ごした。しかし、地元の同窓会に戻るたびに、周りの友達は彼女ができていった。チェリーズは気づけば「s」が抜けて、「チェリー」になっていた。しかし、このときはまだ自虐できた。すでに彼女ができたことがないことはマイノリティになっていたが、それでもまだ楽しかった。


ただ、このときからすでに「中学2年生のとき、彼女がいた」という嘘をつき続けることで胸が苦しくなってくる。

そして、社会人に希望を描く。社会人になったらできる。新たなる生活、今まで住んだことなかった和歌山に飛び込む。


5.恋愛弱者ということにコンプレックスを抱いていたことを自覚する

初めて足を踏み入れた和歌山という生活。

新しい出会い。周りに会う人会う人全員が初対面。

もう嘘はつかなくていい。

「ここでは今まで彼女がいたことなかったことを言おう」

そう思った。

しかし、とある飲み会で出鼻をくじかれる。

「恋愛経験ない人とか絶対無理、付き合いたくない」

「今まで彼女いなかったやつって、なんかしら人間性に難があるよね」

「普通は恋人いるもんやで。いない人は性格に難があるに違いない」

「童貞とかダサい」


そんな会話が飛び交っている。そうか、社会人で恋人がいたことがないって相当珍しいんだ、そして、人間として劣っていると思われるんだ、と気づく。言っている人にも悪気がない。

「、、、、で、ムーディは彼女いるの?」

「いません」

「努力せえよ、ほしいんやろ?今までいたの?」

「、、、、過去に1人」

また、嘘をついてしまった。

「いつ?」

「中学時代」

「うわ、マジかよ。俺が口説き方教えてやるから、俺が女だと思って口説いてみ」

みんなニヤニヤしながら、私の挙動を見つめる。

このとき、今までで1番のマイノリティを感じた。みんなは恋愛をしたことがある。自分は恋愛弱者なんだ。

今までどこか分かっていたけど、そう思いたくなかった自分。

思えば、偽装彼女「竜崎」を作ったときから、私は恋愛弱者であることに気づいており、彼女がいないことにコンプレックスを抱いていた。

高校、大学で「今まで彼女いたことないわ~」と笑って話すしていた人と比べて明らかにコンプレックスを抱いている。

「結婚しないやつは仕事ができない」

「恋愛してこなかったやつは人として成熟できていない」

「彼女できない人は理想が高すぎる」

そんな話を聞くたびに耳を塞ぎたくなった。

どこの飲み会でも必ずなる恋愛話。私はまた馬鹿にされると恐怖に思い、トイレに逃げ込むようになっていた。


6.働き始めて2年。初めて自分が付き合ったことがないことをカミングアウトしはじめる


「俺は彼女がいたことがない」

そんな正直な事実を、私は言いたくて仕方がなかった。

嘘の自分を表現し続けることに疲れたし、苦しさを覚えるようになっていた。意を決して、2018年、身近にいる所長に「今まで嘘ついていたことがあります。私は彼女がいたことがありません」と伝えた。


「なんや、そんなことかいな。たいしたことないやん」

と所長は返した。

「そんな嘘ついてたんか、だせえ」

と言われると思っていた私はスッと心が軽くなった。

そこから私は少しずつ、「今まで彼女がいたことがなかった」

といろいろな人に言えるようになった。

そして、2019年10月15日にFacebookで今まで彼女がいたことがないことを投稿。

この投稿をみてもしかしたら、

「え、中学の時にいたって言ってたやん」

と思った人もいたことだと思う。

でも心がスッと軽くなった。私は生きづらさから解放された。

自分を1番生きづらくさせていたのは、自分だったことに気づいたのだ。


「恋愛弱者」という自分の一部。

私はこれを「個性」と捉えて、何か自分の武器にできないか。恋愛が普通にできる人よりか、私が持っているものは何か。

そう考えた私が見つけた自分の「恋愛弱者」故の強み。
それは、「いる人よりかは暇だということ」。

カミングアウトして個性を活かそうとし始めた2018年から、私は欲望のままに持っている時間とお金を使い、動き回ることを始めた。

※その結果、「チョロチョロするな」といろいろな人から怒られるようになりました。

7.「できない」ことが言い出せない社会は生きづらい

今回、私は恋愛ができない、彼女ができない、ということを言い出せないことで嘘をつき、自分を苦しめていった。自爆したという見方もできるが、もしかしたら「恋愛出来るやつの方が人として上」という価値観が社会にあるのかもしれない。

恋愛に限らず、

「私は○○ができません」

ということが言えない社会っていうのは生きづらいんじゃないかなぁと思ったりする。

「できない」ということが弱さと捉えられるのであれば、

「できない」という弱さをさらけ出せる、そんな社会に私はしていきたいなぁ。

グッバイオンザビーチ。

#週1note #黒歴史 #恋愛 #偽装彼女

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