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牡蠣好き&酒好きの天国。ヨーロッパとアメリカの意外な牡蠣文化「オイスターバー」

オイスターバーとは

オイスターバーとは、生牡蠣をおつまみやメインメニューとして提供するレストラン・バー・居酒屋などのことです。一般的に西洋では海産物の生食は敬遠される傾向があるのですが、牡蠣だけは例外で、牡蠣の生食は古代ローマの時代から現代まで続いており、かなりの歴史を持つ文化といえます。著名な人物だとナポレオンやバルザック、ビスマルクなどが生牡蠣の愛好家だったそうです。

ヨーロッパ、特にフランスとイギリスでは古くからお酒と生牡蠣を一緒に楽しむ文化が親しまれており、中でもイギリスで最も古いオイスターバーであるシンクレアズ(Sinclair’s)は1738年にオープンしたそう。(2021年現在から)283年もの歴史のある老舗ですね。

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(出典:The Old Wellington Inn © VisitEngland Marketing Manchester

シンクレアズの写真。マンチェスターにある異国情緒溢れるお店です。中世を感じさせる雰囲気が凄く格好いい…

ただ、このお店に訪れるのは殆どが観光客らしく、地元の人はあまり訪れないそうです。さらに、「r」の付かない月には牡蠣を提供しないという伝統的な規則に従い、訪れても牡蠣が食べられないことがあるとのこと。昔は日本でも、旬の冬以外は牡蠣の精巣や卵巣が肥大して食用に向かず、その期間中は避けられていたそうですが、現代では養殖により年間を通して食べることができます。地元産の牡蠣しか使用せず、外国産の養殖牡蠣は使わない!…というポリシーの下で経営をしているのであれば、尊重したいポイントであると思います。

…でもやっぱり、牡蠣を食べられずにがっかりして帰ったお客さんの中には、「養殖でもいいから食べたかった」という人も多いのだとか。伝統を守るか、サービスを優先するか、お店としても悩みどころですね。

イギリス文化における牡蠣

イギリス(イングランド)の町、ウィスタブルには夏期に開催されるお祭り、Whitstable Oyster Festival(ウィスタブル・オイスター・フェスティバル)で大量の牡蠣が消費されます。本来では、この季節には牡蠣(マガキ)が食べられないのですが、夏期でも食べられる日本のマガキ("3倍体牡蠣"という特殊な種らしい)を養殖し、牡蠣祭りを可能としています。

とはいえ、マガキだけではなく春から夏が旬のイワガキも養殖されているため、牡蠣の種類にこだわらなければ一年を通して好きな時期に牡蠣を食べることは出来るらしいです。わざわざ日本の牡蠣を見つけて養殖しているところを見るに、マガキのほうが美味しいのか、あるいは伝統を守るという点で価値があるのかもしれないですね。これらの養殖技術が発達したこともあり、今時「r」の付く月だけ牡蠣を食べる…というのは時代遅れだと考える人もいるのだとか。若い世代ではそもそもその伝統を知らないという人も多く、この習慣はほとんど過去のものへとなりつつあるようですね。

オイスターバーで提供されるもの

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一般的にはシーフード料理が多く提供されており、メインの牡蠣をはじめ、ロブスターやシュリンプなどのエビ系、サーモンや白身魚などの魚料理も人気です。カクテルも人気で、中にはエビやカキを組み合わせたシュリンプカクテルオイスターカクテルなんてものも存在するらしい…
オイスターカクテルは画像が準備できなかったのですが、シュリンプカクテルはありました。

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…どうですか?私には味の想像が全くできません。食べ物として受け止めるべきか、飲み物として受け止めるべきかで脳が混乱してしまいます。奇妙な組み合わせなのに、妙に食欲をそそる見た目なのが何とも…
ちなみに、オイスターカクテルのほうはもっと視覚的な破壊力が強かったです。一言で表すならば、カクテルの海を泳ぐ牡蠣。
確かに牡蠣の後に流し込むお酒は最高ですが、グラスの中でそれをやる必要はあったのか?…とは思いつつ、やっぱり味は気になるので、そのうち機会があれば絶対に注文するつもりです。

牡蠣と合う最高の飲み物とは

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アメリカ・オハイオ州を中心に経営展開するシーフード・ステーキ料理などを主力とするレストラン、CAMERON MITCHELL RESTAURANTSの公式サイトのQ&Aによると、牡蠣と合わせるべき飲み物は「もちろん、シャンパンです」とのこと。特に、牡蠣とシャンパンのどちらも十分に冷やされているとさらに良いのだとか。シャンパンの爽やかな香りは牡蠣の風味との相性が良く、牡蠣の濃厚さを引き出し、より立体的な味わいに。非常に高い満足感を得られる鉄板かつ伝統的な組み合わせだそうです。ここまでしっかり断言されると、何だか猛烈にプリプリの牡蠣とキンキンに冷えたシャンパンが欲しくなってきますね。

まとめ

日本国内にもオイスターバーとして経営しているお店は複数あります。新鮮な牡蠣とシーフード、カクテルをオシャレに楽しんでみたい方は、ぜひお住まいの地域にオイスターバーがないか調べてみてください。美味しいお店が意外と私たちの生活圏の近くにあるかも…?


この記事を作成するにあたって参考にしたサイト:
カキ (貝) フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
Oyster bar From Wikipedia, the free encyclopedia
WHAT TO DRINK WITH OYSTERS
Whitstable From Wikipedia, the free encyclopedia

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