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未来のためにできること(1)

人類が直面している深刻かつ根本的な問題は、I. 主義/主張、宗教、民族/人種の相違を事由とした殺人/戦争、 II. 物質文明の飽くなき追求に起因する環境破壊、この二つです。
I. は人類の文明に常に随伴し、人の属性の一部と考えても良い程のものであり、完全な解決は不可能と考えた方が良いでしょう。 ただ、今日の戦争は核戦争の現実味を否定出来ないが故に、II. と共に人類滅亡の引き金となり得る事、そして、特に、II.への対策に費やし得る時間が殆ど残っていない事を深く憂慮すべきです。 いずれも、包括的に言えば「人は如何にあるべきか」という問いへの正解の欠如が原因と言えます。 過去に提示された少なくない解答のどれが正解かという点での意見の相違が I.の主原因なのです。
この問いに対する全人類が納得する「真の正解」と「それを守るためのシステム」が存在しない状態の下、 II. の問題と併せて、人類を破滅から救う為に我々に何が出来るのでしょうか? 
II. は I.と比較すれば、多少は解決が容易でしょう。 温暖化により頻発する大規模な自然災害と環境破壊、それが更なる温暖化を助長するという負のスパイラルから抜け出すには何が出来るのか、です。 宇宙空間に日傘を設置するなど面白い提案もあるようですが、実現性に疑問があります。 現実的なのは、II-① 二酸化炭素(CO2)の除去とその貯留(CCS:Carbon dioxide Capture and Storage)の実行、II-② それに必要な経済的負担を全人類が分かち合うこと、この二つだと考えます。 II-①に技術上の問題は有りません。 発生源からのCO2捕捉には大昔から多種類のプロセスが利用可能ですし、大気中のCO2捕捉には、商業規模での実績は無いものの、ほぼ実用化段階の技術がいくつか存在します。 又、捕捉したCO2を油井等の地底、海底へ圧入し、貯留する技術にも問題は殆ど無いのです。 問題はII-②であり、その費用を誰が、どう担うかです。 純粋な政治問題であり、人類滅亡が掛かった非常事態である、との認識を基に、国連等において討議・決定し、世界各地で迅速にCCSを実行する他ないのです。
I.は兎も角、II.に対しては世界中の人々がこの問題への意識をもう1段高め、政治に声高に要求する事が人類の未来のために出来る事であり、義務でもあると考えます。


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