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IFSのフレームで内なるパーツの配置と役割を見ていく自己共感の旅が面白すぎた<SJ×NVC -1>

<今までのNVCシリーズ>
【NVCとは?】基礎まとめ・動画や資料付き<NVCシリーズ①>
共感コミュニケーションが私の世界観をどう変えたのか<NVCシリーズ②>
褒め言葉の意図と、思わぬインパクトを考える。<NVCシリーズ③>
「嫌いな自分」を受け入れていく<NVCシリーズ④>
妖怪ナゼワタシバカリとの付き合い方<NVCシリーズ⑤>
NVCyouth合宿で、ドロドロの自分を自己開示してみた時の裏話。<NVCシリーズ⑥>
<マーシャル・ローゼンバーグの動画書き起こしシリーズ>
「どっちが正しいか」のゲームが浸透し、あらゆる暴力が容易になった。
<NVC動画-1>

キリンにとって「愛」は感情ではない。<NVC動画-2>


先日のソーシャルジャスティスリトリートにて、後藤ゆうこさん、剛さんが「IFS(内的家族システム)」というクラスをオファーしてくれました。


「もうずっと受けたかった!!!!」というIFSの熱意を胸に、
初めてIFS×NVCクラスに参加して、の感想やハーベストをここに記します。

<このクラスを受けたかった動機>

NVCに出会って8年、場を持つようになって1年になり、自己共感やマインドフルネスが体に染み付いてきた感覚があるのですが、どこか深く潜っていけない時が何度かありました。いろんな声が自分の中にあることは気づくけど、そのどの声にスポットライトを当てたらいいのかわからなかったり、ネーミングするのが難しかったり、そもそも何かが内側で抵抗していたりするのを感じていました。

そんな時、IFSについての感想レポートを読み、自分の内側にある複数のパーツにどのように声を与えていくのかということを取り扱っていることを知り、興味を持ちました。

< IFSとは >

インターナル・ファミリー・システム(IFS)とは、アメリカで人気のあるセラピーで、自分のシステムを理解し、ブロックをリソースに変え、内側の葛藤・対立からエネルギーを取り戻す画期的なフレームワークです。自分の中の受け入れがたいと感じている自分の中の一部に光をあて、寄り添い、理解を深め、その役割を明らかにしていくことで、その部分を受け入れ愛する付き合い方を見つけていく手法です。自分の中で葛藤がおこるとき、自分の中の様々な声が対立しているように感じられるとき、その人格の声をきちんと聞けるスペースを作ることで自分のいのちの声をあたたかく大切に育むことができます。

      <http://nvc-japan.net/work/191019-20_ifs_goyuu/より引用>
自分の内側の様々な部分、それはまるで独立した人格のようです。
自分の中に入れ替わり立ちかわり出てくる様々な人格。
がんばる人、社交的な人、斜に構えている人、怒っている人、頑固な人…。
少し注意をむけるとみな雄弁に語り出します。

この講座では、インターナル・ファミリー・システム(IFS)のフレームワークを取り入れ、インナーパーツと呼ばれる自分の内側の声を聞き、その奥にどんな大切なものがあるかを探ります。また、どんな自分も包括する自分、ビッグセルフの視点を体感することを目標にしています。

       <http://nvc-japan.net/work/191019-20_ifs_goyuu/より引用>


<クラスの流れ>

⑴インナーアクティブカードを使ってチェックイン
⑵私たちの内側のパーツについての説明
⑶ゆうこさんのデモンストレーション
⑷ペアワーク
⑸チェックアウト

⑴インナーアクティブカードを使ってチェックイン

IFSカード

今回、インターナル・ファミリー・システムに基づいて作られた「インナー・アクティブ・カード」を使いました。

普段のNVCのワークショップだと、「ニーズカード」が並べられていたりしますが、その代わりにこのカードが並んでいて、「今の自分はどんな感じか?」という問いに対して一番ぴんと来るカードを選んで、チェックイン。
(今の体や心の状態を1人ずつ共有する時間を持ちました。)

*感想*
・言語でニーズが書かれているのとは違い、絵なのが良い。
・左脳で思考しやすい人におすすめかも。
・ニーズの言葉に親しみがない人におすすめかも。
・子供と一緒にやるのにも、いいかも。(ちょっと絵が怖いけど笑)


⑵私たちの内側のパーツについての説明

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           <画像:後藤ゆうこさんの投稿より>

①私たちの中にある様々なパーツは、どのように関わり合っている?
私たちの中には様々なパーツがあり、互いに関わり合っています。怒っている自分のパーツがいたり、そのパーツに対してジャッジをして、その怒りをなだめようとするパーツがいたり。

内なる批判者の存在もいて、時に大きく影響をもたらす独裁者のようになることもあります。(完璧主義者 / 過小評価する人 / 監督する人 / とがめる人 / 破壊する人 / 罪悪感を持たせる人 / 型に合わせる人など)

②私の中でパーツ同士の多様性を認めあい、有機的なコミュニティになると、深い自己共感ができるようになる。

内側のパーツたちがどのように存在しているのか、(どのように配置し、影響を与え合っているのか)ということを見ていくと、他者と行なっているのと同じように、私の内側で言い合っていたり、独裁するなどの関係性があることがよくわかります。

このワークでは、相反する考えやモチベーション、役割をもつ複数のパーツ(副人格)が存在していると認めること。それらが違っていながらもその多様性を尊重し、共に生きられること。公平な内的コミュニティを育むこと。私が本当に何を望んでいるのかというコアニーズに気づき続けることを目指している、ように受け取っています。

実際に、私の内側で排除や無視が行われている状況から、お互いを認識し、共にいることへの尊重や感謝が湧いてくるところまでプロセスしたときに、私が本当に願っていることにシュピっとたどり着く感覚があり、「私は本当はどうしたいのかわからない〜!」という時には、内戦が起きている証拠なのかも、と思ったりしました。

③自分のどんなパーツも受け入れられる意識の先に、他者を受け入れ共に生きられる世界がある。

「ポテチ食べたい」という欲望や、「そんな体に悪いもの食べるな!」という批判の声は、見なくないので気づかないようにしたり、批判して抑圧することがあります。

でも、その声の切望しているものや、守ろうとしているものを理解することができれば、その存在を十分に認め、許せる感覚が広がってきます。
そうやって自分の中のパーツを受け入れていった先に、他者との関係においても違いを受けとめて、共に生きられる世界が広がっているのではないかと、希望を感じています。


⑶ゆうこさんのデモンストレーション

シェアをしていいかどうかの確認がまだなので詳しくは割愛します。

内側から出てくるいろんな声に、それぞれ一枚ずつの絵のカードを添えて表していきます。本当に内なる自分の中に、複数の人格があるような意識が感じられました。


⑷ペアワーク
・それぞれが今の自分の内側にある声を、配置したり共感していきます。(香港からきた友人がペアになりました。最初は英語で話すことで体感が薄れるかと思っていたけれど、静かにも情熱的、絶妙な存在感!!!共感のサポートも予想以上に、直接胸に刺さってきてビッくらポン・・・)

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<私のペア・チェックイン>
最初にあったのは右上の女性
「どうせ、1人ぼっちで、寂しさを抱えていくんだと諦めている」
その声の下に鎧をきた人がいて
「その寂しさを、どこかに閉じ込めて固く守っている」
その声が切望しているのが左上の質感
「あたたかく誰かがずっと隣にいてくれるような安心が欲しい」
その声の下には右下の男の子がいて
「時間や、いろんな情報に追われて、ヘトヘトになっている」
その声の奥で左下の豚さんがいて
「もう疲れたから、動画でも見ながらポテチ食べてやろうか」
と言っている。(真ん中の下は忘れました)

これらのパーツが出てきたところで一旦心が落ち着く。
きっとここまで静かに見守ってくれているRubyの姿勢や、空気感に安心し他のと、一旦いろんな声があることを認めたことで、何かが動いたみたいでした。ここから、どのパーツと対話したいのかを選びます。

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一番最初に出てきた女性が話したそうだったので、聞き始めるとすぐに
深く嘆く男性が出てきました。
「私がここでずっと悲しみや痛みを抱えているのに、誰も聞いてくれない」

Q:このパーツをいやだと思っているのは誰だろう?
と聞くと、左下の裁判官が出てきて
「そんなに落ち込んだ自分を見せるんじゃない!」と批判します。

その裁判官が守ろうとしているのは、下に居る男の子
ひとりぼっちになってしまう男の子の寂しさから私を守りたくて、
裁判官がそこにいてくれていることがわかりました。

そのことに気づくと
暖かな慈愛を持ったお母さんが寄り添ってくれました。(左上)

すると最初の嘆きの男性がすこし動き、
彼が願っていることを話し始めました。
「私は、桜子に生き生きと楽しそうに過ごしていて欲しい。あなたの輝きを見たい。だから、1人でここで嘆きを抱え込んでいるんだ。そうやって役に立ちたい。ただ、そのことを無視せず、気づいて欲しかった。」

OMG オーマイガーーーーー そうだったのか〜〜 

見て欲しかったんだよね
そこで1人で何ヶ月も耐えしのいでくれてたことを
ただ知って欲しかったんだね

私の命のお祝いをみたいと願って、
寂しさを抑えてずっとそこにいてくれてたんだよね
そうか〜 そうだったのか〜
その思いやりを受け取ったよ〜〜(号泣)

<ハーベスト>

・自分の中にブロックがあったり、対立する声がある時に、すごく役にたつ感じがする。自分の中にある様々な声を、可視化して、配置して、それらの声に、安心できるスペースを作ったり、ブロックを外していくと、本当に話したがっているパーツが重い腰をあげたような感じだった。

・あまりに痛みが大きかったり、長年のものだったりすると、安心できるスペースを作ることが大事で、それは十分な時間や安心できる共感サポーター、居心地の良い場所などの外的状況だけでなく、内的な存在へのアプローチもあることに気づいた。(怖いと怯えているパーツを、怖い存在から物理的に離すとか、怖い存在を一旦凍らせてしまうとか)

・今までは、最初に聞こえる声(今回だとひとりぼっちな女性)への共感を深くしていくことがよくあったけれど、本当に聞きたがられている声はその先にあったりする。その奥の声にたどり着くまでの様々な自己にも光を当てつつ、本当に共にいたいパーツを選べるのがよかった。

・共感する側に立った時に、
「どんな存在も受け入れたい」という意図が強いあまり、「それぞれの自己の光にだけスポットを当てたがる」自分を発見しました。そうやって美しい形に閉じ込めたり編集したりしようとする力が、反発や疎外感を生んでいることに気づき、「ありのままを認める」って言っている時点で、認めていない自分がいるっていう難しさに改めてぶつかった。


<告知>

そんな訳で、IFS×NVCのワークショップが面白すぎたので
剛さんゆうこさんを招いていすみ市でも開催することにしました!
(3~4月頃、2日間くらいのオフラインイベント。現在企画中)
公開イベントにはしないかもしれないけれど、
参加したいかたは、こちらまでお問い合わせください。


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