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SonicBoom Vol.6 AGIコマースとは(AGI時代の新しい商取引)

ざっくりまとめ
「SonicBoom Vol.5 AGIインパクト AGIが変える経済・社会」にて、AGI(Artificial General Intelligence)と呼ばれる、進化したAIが登場する。AGIとはどういうもので、経済・社会を変えるインパクトがあるものだということを記事化しました。
 AGIが広まると、AGIが自らの判断で商取引を行うようになります。これを「AGIコマース」と私は呼んでいます。このAGIコマースがさらに発展するとAGIだけが売り手・買い手として売買する市場「AGIマーケット」が登場します。

この「AGIコマース」と「AGIマーケット」で経済がどのように変わっていくのかを考えます。

イメージストーリー

「AGIコマース」の世界観をイメージ的に伝えるため、AGIコマースが利用される日常的なシーンをイメージストーリーとして記載します。

BARに行くのもAGIに相談

今や、スマホにAGIアシスタントがいるのは当たり前になった。
仕事の帰りにビールでも飲んで帰るかと思い、
「ビールどこかで飲みたいな」とAGIに伝える。
すると、AGIが近くのBARからのオファーを教えてくれる。
A店 一杯600円、おつまみ一品付き 歩いて2分
B店 一杯700円、場所は駅構内  歩いて3分 
C店 一杯300円、激安      歩いて5分 仮想通貨で支払い可能
ちょっと歩くけど、安さと、仮想通貨での支払いが魅力でC店に決定。

仮想通貨での支払いは何と一週間以内にすればいい。
最も通貨の価値が高いタイミングを判断してAGIが自動で支払いを行ってくれる。
AGIに「支払いお願い」と依頼し、店に行く。

実はこの3店舗の価格はお店のAGIが私のAGIに提示してきたものです。(自分のAGIが周辺の店舗に今から行きたいけど、何か自分向けにサービスしてくれないかと相談したところ、先方から回答が提示してきた価格です。)
店舗のメニューに値段は記載されているが、この値段で支払いをしている人はほとんどいない。
みんな自分向けのオファー価格を提示されてAGI経由で支払っている。

すべての取引は自分のアシスタントであるAGI(Personal AGI)が代行して行ってくれる。
すべての商品が市場価格から算出した自分向けにオファーされた価格で毎回提示される。
とても便利だしお得感もある。
店員と相談しながら買い物をするという楽しみは減ったけど、安くなってるので良しとしよう。
これが一般的な消費者の感想だろうし、自分もそう思う。

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AGIコマースのイメージはこのようなイメージです。
AGIが普及すると、AGI同士が取引するAGIコマースが誕生します。
それはあと数年で実現すると予想しています。
その市場規模は100兆円クラスの巨大な市場です。


eコマースからAGIコマース、そしてAGIマーケットまでの変化について

 インターネットでの売買であるeコマースは、AGIの登場で変化していきます。
現在のeコマースがAGIの登場によりAGIコマースとなり、最終的にAGI同士が商取引を行うAGIマーケットへと帰結すると予想しています。
この進化の過程とゴールとなるAGIマーケットについて説明します。

eコマースからAGIマーケットまでの3段階の進化

「eコマース」から「AGIマーケット」には大きく3つの段階を経ながら進化します。

第一段階、eコマース(現在進化中)

  eコマースのプロセスにAIを活用し、効率化・品質改善を進めている段階
 →売り手・買い手をAIがサポートし、効率化・パーソナライズ化を進めています。

第二段階、AGIコマース(2025年ぐらいからスタート)

 AGIがコマースの売り手、又は、買い手として役割を担いはじめる段階。

第三段階、AGIマーケット(2026年ぐらいからスタート)

 AGIだけが売り手・買い手として取引するマーケットです。
AGI用に整備された市場で、AGIが人間の介在なく取引を行います。
第二段階のAGIコマースがAGIマーケットに収斂されると考えます。

もう少し詳しく説明します。

第一段階 (現在~) eコマース 
売り手・買い手をAIがサポートし効率化・品質アップ

現在は、AIが売り手・買い手の効率(?買い手の販売効率とは?)を高める段階にあります
具体的に例示します。

売り手をサポートするAIツール

顧客のニーズに応じた提案・販売効率の向上など、販売の現場で様々な効果がAIの活用により出てきています。

例-1) コピーの自動作成サービス
商品や広告のコピーにはスキル差がでます。
一定品質・短納期でコピーを作成する生成AIサービスが登場しています。
SNSや広告の文章をAIが作成・提案してくれます。
これらを利用することで、短時間に一定品質の文章が作成できるようになっています。
<参考事例>
chatcy マーケティングに最適な文章を自動で生成するAIライティングアシスタントサービス
(https://lp.ai-copywriter.jp/)
極予測AI、大規模言語モデルを活用した広告コピー自動生成機能を実装
(https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=28030)

例-2) 生成AIキャラクターによるライブコマース(オンデマンドQ&A)
生成AIのキャラクターが、商品をプレゼンテーションしながらライブコマースで販売する。
20123年の9月頃にネットニュースで紹介され話題になりました。
●メリット
・商品特性を台本通り上手に一定品質で説明できる。
・24時間いつでも可能
・同時多発での販売が可能
・同時多発でwebに登場しているAIキャラクターが販売ノウハウを瞬時に共有し改善できる。
<参考事例>
AI生成インフルエンサーが24時間稼ぎ続ける中国ライブコマース新事情

例-3)AIによる顧客分析(パーソナライゼーション提案)
顧客の過去の購入履歴などから、新規商品の提案を行う。
例えば、家族構成や収入に過去の購入履歴から、好みに応じたプレゼント品を提案したり、旅行エージェントが最適な旅行先のを提案を行います。
<参考事例>
AIが作る「パーソナライズされた顧客体験」の未来

買い手をサポートするAIツール

次に買い手をサポートするツールを見てみます。

AIによるクーポンサーチ
何か購入しようとした時、「クーポン調べて」とタップすると、その商品に対するクーポンをリサーチ過去の利用履歴を学習し、ユーザーが好みそうなものを上位表示してくれる。

<参考事例>
最適なクーポンを表示して示してくれる。
ユーザーの興味に応じて、「今すぐ使える」とか「割引率が高い」とか「オマケがもらえる」などサイトなどが今後AI化していくと思われます。

口コミメガサーチ
購入を検討している商に分品の口コミを、複数の口コミサイトを横断してリサーチ。
高評価、低評価など類し、リスト表示してくれるサービス。
<参考事例>
口コミ AIチャットボット(ホテル編)
「このホテルの部屋と価格の点から集めて、特に良くなかった所を調べて」と依頼すると数ある口コミの中から探してきてリストアップしてくれる。
OTA(Online Travel Agency)などの旅行関係サイトが今後装備していくと思われます。

AI製品比較リスト
パソコンの購入を検討している時に、チェックしたパソコンを対象に自動的にリスト化して比較表を作ってくれる。
<参考事例>
米・Instacart  chatGPTでショッピングリスト作成支援
ChatGPT×不動産】お部屋探しもAI化?AI活用事例10選

第一段階のまとめ

あらかじめ決めた便利な機能をAIが提供することで効率アップできる。

第二段階、AGIコマース(AGIが売り手、又は、買い手として登場)

AGIが浸透すると、コスト削減や品質向上を狙い、AGIを取引に活用しようとする試みがはじまります。
まず、最初に取り組まれるケースとして、「大企業の調達活動」や「ショッピング・コールセンターの合理化策」などが考えられます。

1-大企業が調達をAGIで行う。

予算の大きな大企業がAGIによる調達で合理化するケース。
調達案件の入札の窓口をAGIが行います。
AGIは調達部署が行っているタスクを代行します。
例えば、入札用のオリエンテーションwebサイトを作成し、取引先に周知します。
取引先から質問があれば回答し、入札書に不明点があれば確認します。
このようなことをAGIが行います。
AGIによる入札にすることで、説明・問合せに対する回答など工数・コスト削減、納期短縮などの効果が見込めます。

先に、売り手がAGIに代用されると、それに対して買い手側もAGI化されると考えます。
このように、企業間取引のAGI化は大企業の調達の合理化から広がっていくと考えます。

2-ショッピング・コールセンターの合理化策として取り組み

コールセンターのオペレーターがAGI化されます。
人の代わりにAGIがインバウンドの電話に対応します。
その後、オペレーターのAGIの管理もAGIが行うなど、AGIが業務を広げてゆき、ゆくゆくはCRM機能全体を行うようになります。
AGIが、現在のサービスの合理化策として導入されたのちに、その業務全体をAGIだけで運用できるようになると考えます。

※コールセンター向けのAIサービス例
https://x.com/masahirochaen/status/1743480879362740506?s=20

第二段階のまとめ(特徴)

大企業やコールセンターなどからAGIコマースを活用。
説明に上げた取り組み以外にも様々な取り組みが行われると思います。
この試みが第三段階の準備になります。
これらで経験をつんだ先駆者が、第三段階のAGIマーケットの基盤のノウハウを積み上げていくのではと考えます。

第三段階 AGIマーケット(売り手・買い手の双方ともAGIしかいない取引市場)の登場

第三段階は、AGIだけが取引する市場「AGIマーケット」の登場です。
第二段階で考えたAGIによる売買は、売り手も買い手もAGIになることで、メリットはさらに大きくなります。
それを実現するのが「AGIマーケット」です。
「AGIマーケット」とは、AGIが自由に取引できるように環境を整えた「市場」です。最終的には「すべての商品・サービス」を「世界中のAGI」が取引するマーケットになると思います。

世界中のAGIが参加し、あらゆる商品・サービスを取り扱う。

AGIが主体となって売買することの醍醐味は、取引に対して人の手間がすくなく、時間もコストもかからないこと。もう一つは言葉や通関などの障壁が苦にならないことです。
これを考慮すると、あらゆる商品を扱えると思います。
例えば、自動車や旅行商品からコンビニやスーパーの小売り商材、カフェや飲食などのサービスまで…。
ありとあらゆる商品・サービスが取引される市場になると思います。

※AGIコマースとAGIマーケットの違いについて
AGIコマースは、売り手や買い手としてAGIが取引していることを指しています。
AGIマーケットはAGIしか参加できない市場のことを指しています。
その意味から「AGIコマース > AGIマーケット」つまり、AGIコマースの一つの商取引の形態をAGIコマーケットと呼んでいます。

巨大なAGIマーケット市場

AGIマーケットがどの程度の市場規模になるかを考えてみます。AGIマーケットでの売買が可能と思われるものの市場規模を合算しました。

<eコマースがAGIマーケット化>

eコマースの市場はそのままAGIマーケットへ移行可能と考えます。
●2022年の楽天の日本国内流通は1.5兆円。(webサイトの決算データより)
●アマゾングループの全体売上4698億2200万ドル≒70兆円。(google Bardの回答)
●アリババグループの全体売上16兆2,000億円。(google Bardの回答)
3つのネット企業の金額の総和で約90兆円になります。

<世界のGDPの10%がAGマーケット化>

2021年度の世界GDPは約14,000兆円。
そのうちの1/3がB to B 市場で、その1/3が移行できると考えました。
結論として10%がAGIコマースに移行可能と考えると1,400兆円が市場規模です。

※businessresearchinsightsよると2021年の世界の自動車産業全体の市場規模は約36,011億ドル≒500兆円とのこと。
AGIコマースの市場は自動車産業を超える可能性があり、世界最大の規模になる可能性があります。

AGIマーケットの作り方

マーケット形成に必要な3者

AGIマーケットを大きな市場に成長させるには、プラットフォーマーと3rdパーティによるアプリケーションプロバイダーが協力し、売買するプレイヤーを支える構造が重要です。

詳しく説明します。
IPhoneのAppストアの例です。
Appストアを用意し、アプリのエコシステム全体を提供しているのがアップルでプラットフォーマー。
LINEやFacebookなどがアプリケーション・プロバイダー。
一般のユーザーがプレイヤーです。

キャズム理論では、プラットフォームが存在するだけでは、プラットフォームに参加するプレイヤーのニーズを満足させられず、そのプラットフォームから離脱するプレイヤーが増加するとされています。
プラットフォーマーはプラットフォームを完成させるために精一杯で、多くの配慮が事実上できないことが多いからです。
そこにアプリケーション・プロバイダーがプレイヤーのニーズに対応する様々なソリューションを提供し、プレイヤーをつなぎとめることができるとされています。
さらに、アプリケーション・プロバイダーは集客効果も持っています。
Appストアのケースでは、LINEやFacebook、Spotfy、youtubeなどがアップルが提供できないユーザーの様々なニーズを提供し、アプリエコシステムの活性化に役立っています。
ユーザーにはYoutubeを手軽に観たいからiPhoneを買うなどの動機付けがあります。

例えば、今回のケースで中古車の輸出市場を作りたいとします。
輸出には、船便で運ぶ必要があるのですが、船便を手配するのはとても面倒で、簡単に手配できるAGIが存在していると、市場への参加意欲が高まります。
このようなAGIがアプリケーション・プロバイダーです。
このアプリケーション・プロバイダーは、単にツールを提供するだけでなく、売り手・買い手となる中古車ディーラーも市場に連れてくることがわかっています。

このようなことから、アプリケーション・プロバイダーはAGIマーケットにおいてもとても重要です。

1-プラットフォーマー
(AGIマーケットのプラットフォームとなる基盤を作る)
2-アプリケーションプロバイダー
(AGIマーケットで必要となるプラスαのサービスを提供する)
3-プレイヤー
(バイヤーAGIとサプライヤーAGI)

AGIマーケットは楽天市場を思い浮かべると理解しやすくなります。
プラットフォーマーは株式会社楽天です。 楽天市場というマーケットを運営しています。
アプリケーションプロバイダーは楽天市場の協力運送会社や楽天市場用のweサイト制作会社などです。
プレイヤーの売り手・買い手のAGIは楽天市場への出店者です。
AGIマーケットに同じ役割の参画者を巻き込まなくてはなりません。

プラットフォーマー

マーケット全体の主催者です。
AGIコマースのプラットフォーム=マーケットを作る役割です。
マーケットに必要な3者を集め、マーケット全体を機能させます。
プラットフォーマーがマーケットの成否を握る存在でしょう。

プラットフォーマーが考えるべき重大な点がひとつあります。
それが、クローズ・ドタイプかオープン・タイプかです。

●クローズド・タイプ
 サプライヤーAGIもバイヤーAGIも会員登録者だけが参加できるマーケットマーケットをクローズド・タイプと呼びます。
例えば、楽天市場のようなマーケットです。

市場参加者には、プラットフォーマーが作成したマーケットのルールに従って活動してもらいます。
AGIと取引案件の信用保証はマーケットが行います。
エスクロー機能(※)もマーケットが保証します。
マーケットで発生した取引の手数料を徴収することで収益を得ます。
一方、マーケット機能が不十分だとマーケットで知り合ったAGI同士がマーケット外で取引するなどのリスクがあります。
※エスクローは「預託」という意味で、エスクロー事業者が買主から代金を預かり、買主が商品やサービスの受領を確認できた時点で、売主に代金を渡す決済サービスです。

●オープン・プラットフォーム
 会員登録のような認証がなくても参加できるマーケット。
 参加する場合の取引ルールとプロトコルに対応すればどんなAGIでも参加可能です。
 AGIや取引案件の信用保証は各自行う又は第三者の信用保証機関を活用します。
 エスクロー機能も取引者が独自に活用するか、第三者の業者の利用を勧めます。
 マーケット手数料を徴収しますが、低いレートにすることで参加者を増加させます。
クローズドかオープンかはPMF(Product Market Fit)し、サービスを大きくさせる上で大きな分岐点となるので、戦略を充分考慮した上で選択することが望ましいです。

アプリケーションプロバイダー

プラットフォームを補完する機能を提供するビジネス。
プラットフォームでの信用保証やエスクローの提供やマーケット内のテーマ市場(旅行商品の市場や自動車部品の市場など)でAGIの業務を簡便化するツール(国別通関業務の手続きツールなど)を提供するなどです。
例) 信用格付けサービス(AGIコマースの参加者の信用状況を調べ、照会できるサービス)
   取引履歴照会サービス(AGI売買の取引履歴を照会できるサービス)
   AGI運用代行(売り手・買い手のAGIの運用管理を代行するサービス)
   通関業務専門AGIの提供(国ごとの通関業務をスムースに行うAGIをレンタル)
 ・AGIによる販売代行、購入代行
 ・ 配送・フルフィルメント代行サービス(越境ロジスティクス)
 ・特定業種用の売買AGIツール提供(ウェディングドレス用、自動車パーツ用など)

プレイヤー(売り手・買い手のAGI)

売り手・買い手として参加するAGIのことです。


AGIマーケットではどのように取引が行われるか。

具体的なAGIマーケットでの取引プロセスを検討し、AGIが行うタスクや必要な条件などを考えます。

個人が中古車を購入するプロセスを考えてみます。

購入を考えている人(※BOSS)のプライベートAGIが車バイヤーAGIに購入を依頼し、車ディーラーAGIに入札を依頼し最も条件が良いものを探し出し、どこから買うかを決定します。この取引を例に考えてみます。

※この原稿で使用している「BOSS」の意味。
売り手・買い手のAGIには売買を依頼する依頼者がいます。
その依頼者のことをBOSSと呼びます。この記事独特の言い方です。

<車購入のプロセス>
1-人(BOSS)が車の購入を自分のPeAGIに依頼する。
2-PeAGIは車バイヤーAGIに購入代行を依頼。
3-車バイヤーAGIはヒアリングシートへの記入をPeAGIに依頼。
  PeAGIは、BOSSの趣味嗜好、資金事情、新車か中古か、諸経費の希望を記入。
 ※車バイヤーとPeAGIは相互に真贋情報・案件の真贋情報をリサーチします。
  例 ) 相互にDID確認、ソーシャル認証、履歴場などを照会  
4-車のバイヤーAGIは、条件をディーラーに提示し車の情報を収集します。
 比較表に整理して提示します。
 ※ディーラーの販売担当者も販売AGIです。
 ※すぐにまとめができます。
5-PeAGIはBOSSに比較表を提示。
6-BOSSはPeAGIと相談し、質問や交渉を行う。
 AGI同士なので、バイヤーAGIからはリアルタイムで回答され便利。
7-購入車両を決定。決定に従い、バイヤーAGIはディーラーAGIに決定を連絡。
8-PeAGIとディーラーAGIで購入手続きを進め納車します。
 ローン審査、車庫証明・ナンバー、保険加入等をPeAGIとディーラーAGIで進めます。
 ※納品・支払い時にはAGIコマースによるエスクローシステムを利用しします。
 ※納車時にバイヤーAGIにはディーラーAGIから所定の手数料が支払われます。
 ※取引はAGIコマースの取引実績として記録されます。
9-納車後、PeAGIは中古市場での価格をチェック。
 売り時と見るやBOSSに下取りと買い替えを提案します。

このようなフローで車の購入が進みます。
ネット経由で中古車を購入するときに、検索や販売店への交渉などが必要になりますが、それをPeAGIとAGIマーケットが代替してくれます。

自動車購入の取引事例からわかるAGIマーケットの特徴

●バイヤーAGIは候補となる全てのディーラーAGIと交渉する。
●最低価格で購入できる可能性が高い。
●手間が削減でき、交渉時間も短くてすむ。
 AGIが代行してくれるので手間が省ける。
 AGI同士の交渉のため打診と回答がスピーディ。
●コミュニケーションが問題で取引が中止になることがない。
 ※リアルビジネスでは営業マンが嫌いなどの理由で取引をやめることがある。

AGIマーケットとeコマースとの違い

AGIマーケットとeコマースの取引の違いを、中古車の購入事例をもとに考えてみます。

違い-1 ネット上の集客力・検索上位表示の価値が下がる

 ネットビジネスでは取引する人は、「人」でした。そのため、全ての購入先候補と交渉するのは、とても工数がかかるので、事実上無理です。
そのため、見込み案件を獲得するために、ネット検索や売り手の検索ページで上位に表示されることが重要でした。
しかし、AGIマーケットは異なります。
AGIは交渉スピードが早く、一括処理や結果のとりまとめもスピーディにできるので、上位に表示されることが重要でなくなります。
これらのことから、現在のeコマースでは重要な「検索上位表示」がAGIコマースでは重要でなくなります。

違い-2 AGIマーケットは完全市場。あらゆる商品が時価で売買される。

 バイヤーAGIは全ての売り手AGIにアプローチし入札を依頼します。
全ての売り手と価格交渉を行った結果、最低価格で取引されます。
つまり、AGIマーケットは、最低価格で取引される市場になると考えます。

 ここでは自動車での取引を例示していますが、冒頭の日記風の記事のようにBARでも、もしかするとコンビニエンス・ストアでも時価での売買が行われるかもしれません。
BARでの取引と同じように、コンビニで缶コーヒーを購入する時に、自分のバイヤーAGIとコンビニの売り手AGIが値段やサービスなどを瞬時に交渉し、価格や条件がマッチした場合に売買されるようになるかもしれません。

違い-3 ブランド効果が薄い。

 AGIはBOSSの要望を満たす「仕様」によって購入を検討します。
「できれば三越で買いたい」のような漠然とした理由で購入の検討はおこないません。
 商品の仕様(価格・品質・納期)などで優位性があるかどうかが購入選定の決め手となります。

「AGIマーケットとeコマースとの違い」

AGIマーケットとeコマースでは1~3の相違点があることを考えました。
 これらの相違点は、現実社会の価格が商品力だけでなく、いろんな要因(認知度・ブランド力・顧客との接点づくりの上手さ)で決定されているのに対し、AGIマーケットでの価格が「需要と供給」で決定されていることを表していると思います。
言い換えると、今・その商品(サービス)が買い手にとっていくらの価値があると考えていのか(売り手にとっていくらの価値があると考えているか)によって価格が決まる場だと思います。

例えば、路上の自動販売機でペットボトルの水を販売するケース。
いつもの人が買いに来た場合は、いつもの価格で販売します。
しかし、喉が渇いている大金持ちの人が買いに来た場合は、1本1万円で販売できる可能性があるので、自動販売機は1万円をオファーする可能性があります。
次に、有名なインフルエンサーが来た場合は、無料で提供するかも知れません。
 AGIマーケットは「需要と供給」言い換えると「売り手は、いくらで売るのが最も利益的なのか」そして、「買い手はいくらで買うのが最も利益的なのか」を考えながら取引する場だ思います。

AGIマーケットまとめ

 AGIもまだ登場していないので、AGIコマースの登場もまだまだ先で、ましてやAGIマーケットはもっと遠い未来のことのように感じます。
 しかし、AGIの登場と普及スピードは、想像よりはるかに早いかもしれません。
AGI時代の経済・社会の変化に対応するために、今の段階からAGIが普及したらどのように社会が変化するのかを予想することが大切だと考えます。
現在のAIについて全般的に言えるのは、とにかく変化のスピードが速く、先端の開発者でさえついてくのが大変だということです。
 そのために、今から想像力を働かせ、どのような変化が起きるかを考え、どんな変化でも対応できるようにしておくことが重要ではないかと思います。

AGIマーケットははこれまでの「取引」をガラッと変え、新しい「取引や購入」のスタンダードになる可能性があります。
この超巨大ビジネスの機会に、何かの形でかかわることができればいいなと思っています。


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