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EU加盟国は暗号資産市場の規制に関して合意に至る

この記事は、2022年7月1日にBlockworksに掲載されたSebastian Sinclairの記事(https://bit.ly/3aeUNmf)を引用しています。

EU加盟27ヶ国は2年間の議論を経て、暗号資産法案に合意しました。

  • EU政策立案者による合意内容の一部として、取引の透明性、情報開示、市場の監視があります。

  • 一時、ビットコインを含むプルーフ・オブ・ワーク(=仮想通貨の取引情報の記録に用いられるブロックチェーンにおいて、マイニング作業によって取引を承認する仕組み) による暗号資産を禁止する法案が審議されましたが、その条項は最終的に削除されました。

EU経済通貨委員会は、長年にわたる議論の末、暗号資産をEU域内でいかに規制すべきかについて、ついに合意しました。

暗号資産市場(MiCA)法案の最新の更新事項は、監視規定、消費者保護、環境保護措置の実施を求めるものです。

本法案の早い段階での草案では、ビットコインを含むプルーフ・オブ・ワークによるデジタル資産の禁止を求めていましたが、最終的にその実施は見送られました。

MiCAは2020年の発足以来、熱心に議論されてきました。MiCAには、既存のEUの金融サービスに関する法律がカバーできていない点を明確にして、暗号およびデジタル資産をどのように取り扱うべきかの規制がまとめられています。

全27加盟国がデジタル資産を同様に取り扱うことを目指しています。

欧州議会は6月30日の声明で、サービスプロバイダーによる取引の透明性、情報開示、認可と監視が新たな法案に含まれる措置の一部であり、消費者保護にさらなる注意が払われると述べました。

声明によると、新たな法的な枠組みは、暗号通貨やデジタル資産の公募を規制することで、市場の統合性と金融の安定性を支援することを目指すとのことです。

[ツイッターのスレッド]
MiCAに関するEU機関の間で取り交わされた合意: 暗号資産の発行者とサービスプロバイダーのためにEU全体で共通の調和のとれた体制を構築し、投資家に安全性を担保し、持続可能性を支援し、あわせて細分化する可能性を減らし、法的透明性を向上させます。

ステーブルコイン(=ペッグ通貨とも呼ばれ、その価格を日本円や米ドルといった法定通貨など、他の有形資産に紐付ける(ペッグする)ことで、価格の安定性を担保・維持するもの)をめぐる規制は、本交渉のカギでした。Greens/EFA議会グループのアーネスト・ウルスタンは、合意後のツイッターのスレッドで「巨大なステーブルコインは厳格な運用規制とプルーデンシャル規制(=金融システムの安定を目的とした政策)の対象であり、決済方法として幅広く利用される場合は制限を設け、一日の取引は2億ユーロを上限とします。」と強調しました。
 
それらの規制の一つに、発行者は「全ての債権をカバーし、保有者の償還権に対応できる準備金を確保すること」を要求している旨をウルスタンは記し、「保有者の利益に資するように、準備金は法的にも運用上も分離かつ隔離されなければならず、破産時にも完全に保護されます。」と追記しました。
 
そうなるとTerraUSD (UST)などのアルゴリズムによるステーブルコインは排除され、tether (USDT)を支える資産構成に厳しい規制が課されるでしょう。
 
映画の鑑賞券、アパレルブランドのデジタルグッズ、パソコンゲームのゲーム内アイテムなど、一定の価格で一般に提供される非代替性トークン(NFT)はMiCAの適用範囲からは除外されていますが、将来的にはそれが変更される可能性があると議会は述べています。
 
市場操作への対策、マネーロンダリング、テロ活動への資金供与、その他の犯罪行為の防止も、EUの新たな法律の中核を成しています。
 
欧州証券市場庁(ESMA)は、ガイドラインを制定し、暗号業界を監視するために活用されています。
 
EUのMiCAに関する最新の決定は、取引所や同様のプラットフォームにおける暗号資産の移動を低額であっても例外なく追跡することを求めるという水曜日に政策立案者が合意した法案を補強するものです。
これら双方の法案は、消費者を保護し、詐欺、マネーロンダリング、テロ資金調達に対抗する手段として注目されています。
 
「今日、アメリカ西部開拓時代を彷彿とさせる暗号資産に秩序をもたらし、調和のとれた市場のために明確なルールを定めることで、暗号資産の発行者に法的確実性を担保し、サービスプロバイダーに平等な権利を与え、消費者と投資家に高い基準を保証します。」と法案の報告者であるステファン・バーガーは6月30日の声明で述べました。
 
「これまで暗号通貨のような暗号資産は欧州の法律の範疇外にあり、加盟国の既存の法律と相容れないことがあまりにも多すぎました。」
 
マコーリー・ピーターソンは本記事のためにレポートを寄稿しました。

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※この文章は下記からの引用です。
EU Members Reach Agreement on MiCA
Sebastian Sinclair (Blockworks)
https://bit.ly/3aeUNmf

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