娘の話
小2になる娘がいる。
兄が2歳になる直前に生まれた。
赤ちゃんがえりをこじらせて荒れ狂う兄の陰で、
一人で勝手に眠ったまま7時間ぶっ通しで寝るような新生児であった。
2人続けて産んで計3年の育休をとり、ラスト1年間は2歳差の2人育児をしたけれど、その間のほとんどをおんぶで過ごしたと言っても過言ではないほど、娘はずーーーーーっとおぶわれていて、毎日毎日兄の外遊びに付き合わされた。真夏の直射日光で摩耗して、エルゴのバックルが割れるほどヘビーユースであった。
兄に手を焼く私を気遣って、ママ友がいつも娘を抱っこしてくれていた。
誰に抱かれても、すんとしている乳児期だった。
決して泣かないけど、特に笑うとかもない。
1歳3か月で保育園に入ると、先生たちの深い愛を受けて
毎日のびのびと過ごしていた。
砂場でままごとをして遊んでいる娘に、先生が
「おいしそう、何つくってるの?」と聞くと
「すな…」
と返したり
なかなかシュールな笑いを呼び込むセンスのある幼児だった。
そんな娘が、年少くらいから、なんだか人前でもじもじするようになり
年中以降は大勢の場で喋らなくなった。
お友達同士や、先生と1対1だと喋れるけど、そこに他のお友達が入ってきたりするとピタと喋るのをやめたり
私と先生が話しているところでは絶対口を開かないのに門出た瞬間に「さっき先生が言ってたのは、こういうこと!」と詳細について補足説明が始まるなど。
でも私自身がそんな感じの子どもだったので、あまり大袈裟に考えずに過ごしていた。
年長の運動会練習では、リレーで走るところを見られたくないと大泣きし、前の子から受け取ったバトンを地面に叩きつけたと聞いて驚愕した。
(その後、先生の深い深い愛と辛抱によってリレーに参加することができた。毎度お騒がせだったに違いない。)
このあたりから、おっと、娘の方が少ししぶといかもしれない、と感じ始めた。
時系列に沿って書いていくと、途中で飽きて雑になりそうなので割愛することにするけど
保育園卒園〜小学校入学にかけては、結構大変だった。
すでに教員を辞めて今の仕事に転職していたからどうにか対応していた(それでも結構大変だった)けど、
もし、担任しながらだったら、あの期間をどう過ごしていたんだろう、
多分自分も娘も壊れたんじゃないかと思う。
そのあたりのことはまたいずれ書きたい。
昨日、習い事の付き添いでぼーっと様子を見ていて。
コーチに自分の日常のことをすみからすみまで話し続ける男の子がいた。
コーチも苦笑いしてたくらいのアツさと距離感で
「僕の話聞いて!!!!!」をガツガツぶつけていた。
一方娘は、別の女性コーチから
「今ワッペン○級だから、この技やろうか、できそう?」
みたいなことを訊ねられて固まっていた。
不思議だなぁ、いろんな子がいるのは承知の上で
何がこうも作用するんだろう。
私の育て方が…みたいな思考にも、やはりなる。
おんぶの日々が…って思ったりは、する。
けど、まぁそれなりにスモールステップで娘も変化してきているので
どうにかしなきゃという気は現時点ではない。
「無理して喋らなくてもいいよ」のスタンスで関わっている。
ただ、家であれこれ話している娘のコロコロっとした可愛い声と
なんともいえないピュアでたまにシュールな言葉選び
独特の子どもらしい話し方のリズム
ああぁぁぁぁぁ、みんなに聞いてほしいーーーーー!
って
親バカ心でうずうずすることは結構な頻度で、ある。