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【EMC Globalピッチイベント開催報告Vol.1】カンボジア プノンペンでピッチイベント「東南アジア市場攻略ためのプノンペンでのプロトタイプ実践とTIPSシェア」開催!

2024年、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(武蔵野EMC)は、海外での活動を一気に加速させ、グローバルアントレプレナーの育成に取り組んでいます!

この取り組みでは、海外でのピッチイベントの開催、海外インターンの派遣、逆に海外からの研究生の受け入れなどを行い、最終的に海外で起業する学生を生み出すことを目的としています。

テーマ「Be a global entrepreneur!」
「アントレプレナーシップ学部(武蔵野 EMC)を中心としたグローバルコミュニティ”武蔵野バレー“構築」の実現に向け、海外大学や企業とのネットワーキング、学生の海外インターンシップ等を進め、グローバルアントレプレナーの輩出に取り組みます。

大学発スタートアップ創出支援事業の採択内容

そして2024年3月2日、一連の取り組みの第1弾であるピッチイベントを、カンボジアのプノンペンにあるSamurai HouseにてEMC主催で開催しました!

参加者は現地の経営者やヨーロッパやインドネシアでのビジネス経験な起業家、また日本全国からカンボジアに集結した大学生など総勢37名!

この記事では、グローバルアントレプレナーの育成を目指したピッチイベントの様子をご報告します!


1ヶ月間のカンボジアでの活動から得た「海外で起業するためのプロトタイプ実践!」を発表

みなさん、「自分の商品をどうやって海外で売りますか?」と言われた時にどのように答えますか?

ある人は「現地の市場調査をする」、またある人は「どの市場でバリューを出せるかのインタビュー」など、その意見は十人十色だと思います。

しかし、起業家に必要なのは「わからないものは実践で身につけるマインド」と「具体的な行動力」

そこでグローバルアントレプレナーの輩出を目指すべく、今回は「Go! ASIA」をテーマとする津吹ゼミの2期生たちが、約1ヶ月のカンボジアでのプロトタイプ実践をしてきて学んだ海外市場攻略のための具体的なTIPSについて発表しました。

頭脳、デジタル、情熱でカンボジアマーケットを攻略した秘訣を紹介!

今回、2チームに分かれてビジネスのプロトタイプ実践を行った津吹ゼミのチームメンバー。具体的にはカンボジアにて、現地のみなさんをターゲットに屋台ビジネスを企画し、イベントに3日間出店しました。その際に、それぞれのチームが現地マーケット攻略のために行なったマーケティングの秘訣をチームごとに3つずつご紹介します。

■顧客の購入フローをデザインする「体験/行動設計力」で見事に売り上げ爆増!(赤嶺 泰熙、白石 雄輝、ヨウ エキ)

まずは1班の津吹ゼミの頭脳派が揃った赤嶺 泰熙、白石 雄輝、ヨウ エキのチームです。

このチームがチャレンジしたのは、日本のお祭りでお馴染みの「射的」と、そのほかの巻き寿司や唐揚げ、ジュースなどの販売。

カンボジアマーケット攻略の秘訣は下記の3点です。

  1. 【商材の役割定義】射的をフックにしたアップセル作戦

  2. 【主軸商品の定義】看板メニューを定義

  3. 【ライブ販売】実演販売パフォーマンスで購入意欲を刺激!

一つずつ紹介していきましょう!

1.【商材の役割定義】射的をフックにしたアップセル作戦

1日目にテスト販売を行った結果「射的は売り上げとして大したことはなかったが、集客効果があったこと」に着目し、2日目からは「まずはお店への興味を持ってもらうきっかけ」として機能させることに。

この流れは、まさに日本のデパートが謎解きやヒーローショーなどをフックに親子を集客する流れをくむ「館のマーケティング」を想起させる頭脳プレーでした。

海外であろうが、基本的には顧客の心理導線のフレームワークは同じです。

2.【主軸商品の定義】看板メニューを定義

次のTIPSは看板メニューを定義したこと。

1日目は、フライドポテトや揚げパスタ、さらには抹茶ラテなどバラエティあふれる商品ラインナップで勝負していたのですが、実はそれが裏目に出てしまい販売成績は芳しくなかったそうです。

そこで、2日目以降は主軸商品を巻き寿司に縛り、チーム一丸となって積極的な販売を開始。看板メニューが生まれたことで、セールスの成績はぐんと上がり、売り上げは前日の3倍以上に爆増したそうです。

ラーメン屋の集客作戦で「看板商品を決めて、それを店頭POPの50%以上の面積でアピールする」というものがあるのですが、これはまさにそのロジックの海外版でした。

3.【ライブ販売】実演販売パフォーマンスで購入意欲を刺激!

最後のポイントはライブ販売の実施。

実は巻き寿司を看板メニューにしたこと以外に販売成績を上げた秘訣がありました。

それは「ライブ販売を実演したこと」。お店のブース自体が「何を売っているのか分かりにくい」という弱点があったため、お客さんの目を引くために「お寿司をライブ調理し、目を引く」というパフォーマンス型の販売を実践。

この結果、ブースのメッセージがクリアになり多くのお客さんに看板メニューを購入していただけたとのことです。

射的で人を集め、ライブ販売で注目を集め、お寿司を売り、喉が渇いた人には飲み物を。

お客さんの心理変化を重視した体験設計、本当に見事でした!

■カンボジア人が食べないドライフルーツで奇跡の売り上げ!秘訣はDXによるリアルタイムのデータ共有(矢内 鉄朗、石山 蓮華、中川アレインチーム)

次のチームは行動力と積極性が売りの矢内 鉄朗、石山 蓮華、中川アレインのチームです。

このチームがチャレンジしたのは、お好み焼きとドライフルーツの販売。

成功の秘訣は下記の3点です。

  1. 【DX】リアルタイムの売上把握による高速マーケティング改善

  2. 【カテゴリー変更】ドライフルーツをフルーツからケーキカテゴリーへ

  3. 【情熱】目標を決めてやり切る!「売らないといけない状況を作るために必要な個数を仕入れる!」

一つずつ説明します!

1.【DX】リアルタイムの売上把握による高速マーケティング改善

まずは、ここ数年、日本で話題のDX戦略。

このチームは「感覚や印象ではなく事実を定量的に把握し改善する」という方針のもと

  • Googleフォームでリアルタイムで売上を打ち込む

  • 「どの時間帯で何が1番売れたか?」を常にリアルタイムで分析

  • そのデータを元に販売方法の改善を繰り返す

という流れを徹底してデータ収集を行なっていました。

3日間という限られた時間の中、1日ごとではなく数時間ごとに状況を把握し、常に事実と向き合う姿は、グローバルマーケットに限らず、どこのお店でも求められるスタンスであることは間違いありません。それを身近なデジタルツールで実践する姿は本当に見事でした。

DXというと、難しいプログラミングやコーディングのような日本でいう理系の話をイメージしがちですが、その要点は「デジタルを使って新たな価値を出すこと」。

無料のデジタルツールを駆使してデータ・ファクトベースの販促活動を行う姿はまさにデジタルドリブンでありファクトドリブンなマーケティング活動そのものでした。

2.【商品カテゴリーの変更】ドライフルーツをフルーツからケーキカテゴリーへ

次のポイントは、「カテゴリー変更」

みなさん、東南アジアのお土産としてドライフルーツは有名ですが、実はカンボジア人は「ジューシーなフルーツがいつでも手に入るので、なかなかドライフルーツを食べる習慣がない」というのはご存知でしたか?

しかし、今回ドライフルーツの仕入れルートはあったので、「これをなんとか販売できないか?」と考えたところ、このチームは「ドライフルーツのケーキを作る」という作戦を考案しました。

つまり、ドライフルーツを果物のカテゴリーからケーキ(スイーツ)カテゴリーへ転換を試みたのです。さらに、待ってるだけでは売れないので売り子によるアクティブ販売戦略も功を奏し、見事に現地の好セールスを成し遂げました。

地元マーケットに入っていくために顧客の嗜好から逆算したマーケットインの作戦として、ぜひ多くのグローバルアントレプレナーたちも参考にしていただきたい作戦です。

3.【情熱】目標を決めてやり切る!「売らないといけない状況を作るために必要な個数を仕入れる!」

ここまで頭脳戦で見事にプノンペンの市場を攻略してきたのですが、実は最終日にとった作戦はとてもシンプルで「ドライフルーツケーキをできるだけ仕入れて、売れないといけない状況を作る」というものでした。

最初は不安もあったそうですが、なんと見事に完売!

根性論に思われがちですが、実は海外起業に限らず起業で大事なのは「目標を決めてやり切る実行力」。

これをまさに体現してくれたようなストーリーでした。

外国人であろうが、同じ人間! 高速のトライ&エラーが成功の秘訣

現地での聞き込みリサーチ中の様子。対話と会話を通して現地市場へのアジャストメントのヒントを得るように必死でした!

今回、海外でのビジネスプロトタイプを実践したことをシェアしてくれた参加者たち。その中で1つすごく印象的だったことは「外国人でも日本人でも同じ人間」ということです。

場所も言葉も文化も違うグローバルマーケットは一見、日本と大きく違うように思われがちですが、実は変わらないのは「人が人に売っている」という事実です。

しかし、そこに立ちはだかるのは、「未知の世界で攻略法を知らない中、正解を見つけられる力と意思があるかどうか?」。

これから世界に出る日本人たちに必要なのは、絶え間ないトライ&エラーと諦めない心、そしてデジタルツールなどを活用する先見性なのではないかと、このピッチイベントで強く感じました。

1人でも多くのグローバルアントレプレナーを輩出するために、EMCでは「世界を舞台にあたりまえに活躍できる人材育成」をする強い心を持って行きます!

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