防災について考える【避難勧告がなくなった!?】

みなさん、こんばんは!
うさみです。

今日は災害が発生したときに、自治体から発令される避難情報について見直しが行われましたので、そのご紹介です。

法律の改正

4月28日、参議院本会議で災害対策基本法等の一部を改正する法律が可決・成立しました。
この改正により、避難勧告等の自治体が発令する避難情報に大きな見直しが行われることになりました。

見直しの背景

昨今激甚化する災害を受けて、全国的に避難勧告等の発令が多くなっています。しかしながら、避難するタイミングがわかりづらいという声も多く、実際に逃げ遅れも発生するなどの課題がありました。

以前も、「避難準備情報」が「避難準備・高齢者等避難開始」とされ、避難指示が「避難指示(緊急)」と改正されてきた背景もありました。(正直これもちょっとわかりづらいかなーという印象がありますね。。)

また、国としても、数年前から警戒レベルの導入を行うなど、避難のタイミングがわかりやすくなるよう周知してきましたが、警戒レベル4の中に避難勧告・避難指示が示されている状況でした。

これを受け、今回の法改正では、避難情報の在り方を包括的に見直すこととされたのです。

<参考・避難勧告と避難指示の違い>
【避難勧告】
災害が発生しまたはその恐れがあるときに避難を呼びかける(勧告)もの
【避難指示】
災害の発生などにより著しい危険が切迫しているときに発令され、速やかな避難が求められるもの

見直しの内容

従来規定されていた避難勧告が廃止され、警戒レベル4では避難指示に統一されます。

この見直しですが、個人的には地味に大きな見直しだと思っています。なにせ災害対策基本法制定時から規定されていた避難勧告が廃止されることになったのですから。ビックリしています。

また、この避難勧告の廃止にあわせ、警戒レベルの一覧表も見直しが行われました。

無題

こちらは、内閣府の資料になるのですが、警戒レベルの一覧表を見てみますと、3~5に次のような変更があることがわかります。

警戒レベル5「災害発生情報」→「緊急安全確保」
警戒レベル4「避難指示(緊急)・避難勧告」→「避難指示」
警戒レベル3「避難準備・高齢者等避難開始」→「高齢者等避難」
+5と4の間に「<警戒レベル4までに必ず避難!>」追加

こうしてみると、私たちのとるべき行動が各レベルに一つとなり、わかりやすくなったのではないでしょうか。

とはいえ、まだ少しわかりづらいところもあります。

例えば、高齢者等避難は、いわゆる避難行動要支援者の方々は避難を開始するべき段階を指しています。ですが、これだけをもって、妊産婦、障害のある方、小さな子ども、日本語がわからない外国人も含まれているとパッと見てわかりますか?

「高齢者等避難」の「等」にたくさんの対象となる方が含まれていることをみなさんご理解いただけたらと思います。

おわりに

この今回の見直しによる避難情報の運用は、改正法の施行後、今年の梅雨期から本格導入される見通しのようです。

各自治体も広報等で周知を行うこととなるでしょうが、皆さん一人一人が、このようなことに意識を持つことが重要だと思います。

私たちの命はまず自分で守る。このためにも、少しアンテナを高くしてみましょう。


では、最後までご覧いただきありがとうございました!

またお会いしましょう。

うさみ


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