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防災について考える㉔【津波てんでんこ~みんなを助ける魔法の言葉~】

みなさん、こんばんは!

来年で10年を迎える東日本大震災ですが、その後有名になった”津波てんでんこ”をみなさんはご存じでしょうか。

【津波てんでんこ】
津波が来たら、いち早く各自てんでんばらばらに高台へ逃げろという、三陸地方の古くからの言い伝え

今日は、このフレーズを少し深く掘り下げて考えていきたいと思います。

この”津波てんでんこ”についてですが、「てんでんこ」はそれぞれ、各自という方言であり、そのまま直訳すると「津波てんでんこ」=「津波は各自で(逃げろ)」というような意味になります。

つまり、津波から逃げる際には、自分の命は自分で守らなければならず、各自がてんでばらばらに高台へと逃げろ、というような意味になるわけです。

そう考えると、津波てんでんこは、自分だけ助かれば良いという風にも受け取ることができてしまいます。

しかし、津波てんでんこは4つの意味を成す言葉であると言われています。

1つ目は、自助の重要性です。災害対応でかなめとなる、自助・共助・公助のうち、自分の命は自分で守るという大原則を強調しています。

2つ目は、他人の避難行動促進です。津波てんでんこの原則に則って、避難場所へと走って逃げることで、それを目撃した隣近所や周囲の人も危機感を持ち、避難場所まで急いで逃げなければならないという意識を持たせ、避難行動を促進することができます。

3つ目は、信頼関係の構築です。日頃から、津波が発生したら、まずは自分の命を守るために避難場所に一目散に逃げようと決めておくことで、災害が発生した際に、もし自分のことを探している人がいたらどうしようと思って避難行動が遅れることを防ぐことができます。

4つ目は、自責感の低減です。災害による犠牲者が発生すると生存者はなぜ自分だけ生き残ってしまったのかという自責の念にかられることがあります。しかし、津波てんでんこを事前に決め合っておけば、約束しておいたことだから仕方がないとい罪悪感を減らすことができるかも知れません。

津波てんでんこというフレーズは短いものの、意味をいろんな角度から取ることができるので、利己主義的で現代社会にはふさわしくないという意見もありますが、その裏には深い意味が隠されているのです。

むしろ、フレーズの短さゆえに、自助の重要性だけがクローズアップされてしまうのはなんだか残念ですが。。。

日ごろから家族や周りの方と、どこに、どのように避難するのかをきちんと話しておくことで、いざ津波が襲ってきたというときに、迅速に避難行動をとることができるようになります。

”津波てんでんこ”

このフレーズは、自分を信じて、家族や大切な人を信じることで、そして、隣近所などの周りを巻き込みながら自分の命といろいろな人の命を助けられる可能性に満ちた魔法の言葉だったんですね。

これは津波にかかわらず当てはまることだと思います。ぜひみなさんも、一度ご家族などで話し合い、生き延びて再会するためにどう行動するべきか決めておきましょう。


さて、今日はこの辺で。


最後までご覧いただきありがとうございます。
これからもひとりひとりの防災力アップに役立てればうれしいです!

ではまた!

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