見出し画像

好きになっちゃった、ロンドン

はじめましてのイギリス、ロンドン。

アジアから出たことのない私にとっては、ヨーロッパ圏なんて未知数だし、そもそも飛行機に13時間乗るって何?!状態だった。腰が崩壊するんじゃないかとか、お肌が乾燥しちゃうんじゃないかとか、暇すぎて死にそうになるんじゃないかとか、意味の分からない心配ばかりしていたが、何てことなかった。
フライトの心配が晴れたので、これからは時間とお金が許す限りたくさん旅行に行きたい。

さて、今回は卒業旅行で7泊9日という非常に贅沢で濃厚なロンドン旅行に行ってきた。
ロンドンの宿泊先で荷物を降ろしてから「ここで8日間も滞在するのか....。」と思っていたが、8日間なんてあっという間だった。
8日間は、日本食がちょっと恋しくなること、雨が多いこと以外に何ら問題なく過ごせたし、むしろ満足度200%。ありがたいことに、危うすぎる英語能力でも生きていける世界だった。

ロンドン旅行については、話そうと思えばいくらでも話せる位に細部まで覚えているが、日が経つにつれてどんどん忘れてしまうだろう。

今回は、私がまだ余韻に浸ってるうちに、ロンドン滞在中に感じたことを忘れないために残す完全自己満足日記である。

■ほっこりしたゴミの話

基本的に、ロンドンの道は日本ほど綺麗ではなかった。ファーストフードの袋やカップはしょっちゅう見かけるし、バナナの皮だって平気で落ちてる。ロンドン滞在中、ゴミ箱に困らないほど街中ゴミ箱だらけなのに、何故か道はいつも汚かった。それにしても、ゴミ袋誰が変えてるんだろう...。
キングクロス駅のすぐそばにあるゴミ箱が面白かった。ゴミ箱の中がいっぱいなのか、ゴミがゴミ箱周辺に捨てられていた。でも道に散乱しているわけではない。壁とゴミ箱の隙間にゴミが敷き詰められていたのだ。敷き詰められたゴミたちは、ちょっと恥ずかしそうにそこに佇んでいた。「みんなゴミを捨てるのに、ちょっとは後ろめたさあるんだね。」と感じて、ちょっとほっこりしてしまった、そんなゴミ箱の話。(写真撮り忘れたので別の写真)

■ロンドンのご飯は美味しいよ

ロンドン旅行で唯一と言っていいほど懸念していたのは、食べ物だ。よく人は「ロンドンは食べ物がまずい。」という。食べ物こそ旅の醍醐味なのに、と思っていた。が、ロンドン滞在中特に食べ物には困らなかった。ホテルの近くにカフェがあって、あそこで毎朝飲んだカフェラテの味は今でも忘れられないくらい美味しかったし、初日に食べたピザ屋さんもボリューミーで美味しかったし、途中フラッと入ったイタリア料理店も美味しかった。ホテルの朝食も少し味は濃かったが、普通に美味しかった。イギリス料理!と言われるものを食べていないからか?それでも老舗のスコーンとスープは美味だったし....。

まぁ確かに、細かいことを上げればいくらでも言える。ロンドンで食べた野菜や果物たちはいかにも「大量生産で出荷されてきました!」みたいな味がするし、味付けが全体的に濃くて甘いし、頼むから米にシナモンはつけないでくれ!とも思った。
まぁでも、「ロンドンの飯はまずい」と洗脳されていた私にとっては、美味しく感じた。
2日に一度はマルゲリータの生活だったけど、お腹を壊すこともなく、そこまで食に苦労しなかったのは一番意外だったかも。

■防犯対策バッグからトートバッグに切り替えた話

世界で治安の良い都市ナンバーワンのTOKYOに比べて、ロンドンは25位。万全の対策で旅行に挑んだが思った以上に、というかほとんど治安の悪さを感じなかった。たしかに、夜道を歩く時は少し怖さを感じたが、日中外を出歩く分には何ら問題なかった。
初日に友人が財布を落としたが、通りかかった女性が「落としましたよ」と財布を渡してくれたり、駅でオイスターカード(日本でいうsuica)を落としたら、後ろから女性が私を追いかけてきてこれまた「落としましたよ」と笑顔で渡してくれた。
油断大敵なのは承知な上だが、旅行半ばに差し掛かったところで「これは大丈夫だ。」と思い、ショルダーバックからトートバッグに切り替えた。スリには一度も合わなかった。運が良かったのか?

■狐

夜道を一人で歩く機会があった。決して治安が良いとは言えなさそうな通りだった。が、観光客感満載、ジャパニーズ感満載で歩いていたら、絶対に狙われると思い、黒いハットを深く被って、まるで現地の人かのような歩き方と雰囲気を演じてみた。「私は今から、ロンドンに留学して2年目のジャパニーズよ。」と言い聞かせて。若干の怖さはあったが、寧ろスリリングでめちゃくちゃ楽しかった。
これは日中の話だが、日中街中を歩いていると、現地民に間違われたのか?観光客女性に道を尋ねられたほどだ。我ながら上手くいったと思っている。

■平地と自転車

今思い返すと、そういえばロンドンで一度も山という山を見なかった気がする。地理学に詳しくないのでよくわからないが、地震が少ないということはそういうことなのだろうか?
ロンドン市内は平地で、私の大好きな自転車を走らせ放題。レンタルサイクルステーションも街のあちこちにあって1日約300円で乗り放題という驚きのコスパ。滞在中一回だけ利用したが、交通ルールに慣れたら、タイミングで自転車で1日市内を駆け巡りたいほどだった。特にオックスフォードでは街のあちこちに自転車を発見した。

■通じちゃう物寂しさ

違う言語を使ってコミュニケーションをとることが、いかに楽しくて、ハードワーキングなのかもよくわかった。
お恥ずかしい位に私の英語能力は乏しいので、終始コミュニケーションがとりづらかった。何て言われているのか分からない場面もあって、店員さんを困らせてしまうこともしばしば。でも、お互いに言語の壁を超えて、想像しようとする、分かりあおうとする。それが凄く楽しかったし、心地よかった。勿論言語なしに人は生きていけないけど、旅においては言語なんて要らないかもしれない、なんて半分都合の良いことを思ったりもした。
日本に帰ってきて安心感はあったが、「あ、この言葉で通じちゃうんだ。」と思う場面があった。なんか少し物寂しくも感じたし、普段からある程度妥協してコミュニケーションをとっているということに気付いてしまった。
それでもやっぱりお話ししたいし、理解したいから、英語は勉強しよう。

■私がしっかりしていればそれでいい

ロンドンからオックスフォードに行く電車に乗り、青い空を眺めながら思ったことがある。同じ時間が流れていて、皆同じ空の下にいるのに、違う文化を持った違う人々が異なる街で生活をしている。それを同時には確認できない。私には一つしか見えないのだ。今目の前に広がっている、このイギリスの広野しか、私には確認できない。
自分の顔を鏡なしに知ることができないのと同じような、もどかしい感覚に陥った。
確実に存在するのに、それは確認できない。
なぜもどかしいのか、自分なりに言葉にしてみると、つまり怖いのだ。日本に帰ったら、ロンドンという街が人が、確認できないから、幻のようになってしまいそうで。だから確認しにもう一度同じ場所を訪れたくなる。「あぁ、幻じゃなかった。ちゃんとそこにあった。」そうやって自分を安心させる。だからきっと、またロンドンを訪れると思う。
フードエッセイストの平野沙希子さんが「食べ物は無くなってしまうけど、私がしっかりしていればそれでいい。」と謳っていた。旅も同じかもしれない。二度と同じ情景には巡り会えないけど、私がしっかりしていればそれでいいんだ。

■音にのる人々

古着屋の店員さんも、キングクロス駅の路上パフォーマンスを見ている人も、レストランの店員さんも、BGMに揺れて、歌い、音にのっていた。とても解放された気持ちになった。
私は、歌うことと踊ることが大好きだ。普段からよく歌を口ずさんじゃうし、音楽が流れていれば、知ってる歌でも知らない歌でも自ずと体が動いてしまうことがある。
だから、古着屋さんで店内のBGMに合わせて指を鳴らすあの店員さんに共感したし、母国の歌に合わせて気持ちよく歌を歌っている中華料理屋の無愛想な店員さんにも共感した。ああ、これでいいんだって思った。

■みんな素敵

イギリスに住んでいる人はなんてフレンドリーなんだろうって思った。話していてとっても楽しかった。特にブリックレーンエリアの人々は皆いい人だった。

・たまたまその日がバレンタインデーだったため、洋服も何も買ってないのに服屋の店員さんが「Happy Valentine!」と言って私たちにお菓子をくれた。
・「今日はバレンタインだったよね。僕はすっかり忘れていたよ、Happy Valentine!」と言ってくれた気さくなお兄さんに「I give you air chocolate!」と言ったら喜んでくれた(笑)
・私が一番気に入った服屋の店員さんは、イギリス留学中の中国人のお姉さんで、多分同い年くらいだろう。「Where are you from?」から始まって、しばらく立ち話をしてたら仲良くなった。
・オックスフォード大学の大広間にいた管理人?のおじさんは、「夏休みならここで食事もとれるから、夏にまたおいでよ!」と教えてくれた。
・本屋で友人と本を見ていたら、隣にいた女性が「あっちのエリアにあなたたちの探している本がもっとあるわよ。」と教えてくれた。

どの店に入っても聞かれる「May I help you?」は英語圏の接客文化(?)なんだろうけど、とっても心地よかった。サービスってなんだろう、おもてなしってなんだろうと、考えさせられた。

■素敵なphotobookに巡り会う

イギリスの地下鉄世界を切り取った写真集。

他にも
Waiting:電車やバスを待つ人、待ち合わせをする人、信号機を待つ人、とにかく待っている人たちを写した写真集
SCREEN:スマホを見る人たちを写し続けた写真集
等々、心がギュンギュンする写真集がいっぱいあって、また機会があれば買いたいと思う。

■好きになっちゃった、ロンドン

本当はイギリスではなくて、フランスとイタリアに行きたいと思っていた。訳あってロンドンに落ち着いたのだが、フランスイタリア計画ほど気持ちが弾まなかったのは、正直に言っちゃおう、事実だ。

が、行ってみたらあらビックリ。完全にロンドンの虜。元々ヨーロッパのファッションスタイルが好きで、雑誌をよく購入しているのだが、男女問わず雑誌で見るまんまのファッショニスタが街中あちらこちらにいた。

そして何より言葉がある程度通じる。フランスやイタリアに行っていたらもっと言葉の壁が大きかっただろうななんて思った。ヨーロッパ初心者にはもってこいの土地だった。

面白い街並みと文化、それを構成する多様な人々に惹かれてしまった。また何度も訪れたい土地だし、ロンドン市外ももっと訪れてみたい。

最後に、最高の旅を共にしてくれた3人のお友達に感謝!前泊含んで約10日間も一緒にいたのに終始絶えず楽しかったのは3人のおかげ!ありがとう!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?